第二十八話:上級冒険者
四人でラッカーナに戻ると、酒場に向かう。
入店するとゼイルとマスターの目が合った。
「もう戻ってきたのかい?」
マスターから問われると
「結構大変だったんですよ・・・」
ゼイルが代表して答える。
そして四人でダンジョンでの出来事を報告した。
「つまり、今回のダンジョンブレイクはメルドという魔族の仕業だったわけか・・・」
マスターがそう言うと、フォルスが悔しそうに質問する。
「俺たち四人を同時に相手するとは・・・。魔族というのは皆、あそこまで強力なんですか?」
「魔王の配下だからね。恐らくみんな強敵だろうね」
皆が黙り込む。
「まあ、今回はみんなが無事に帰ってきてくれてよかった。また連合本部に報告をしておくよ。まずは休んでくれ。報酬にはボーナスを付けておくから、期待しておいてくれ」
マスターはそう言うと、店の奥に去っていった。
するとフォルスが席を立つ。
「また何か進展があれば会うことになるだろう。その時にまた・・・」
一言残すと去っていった。
「じゃあ俺達も今日は疲れたし休もうか?」
「そうねじゃあまた明日」
「そうですね、また明日」
その日はゼイル達も休むことにした。
そしてメルドと戦った日から三日後、また四人が酒場に招集される。
「本部に報告をしたんだが、まず魔族を退けた功績を称えて、君達四人を上級冒険者とする。また、我が国であるパンコッタの国王に協力を申し出たところ、王から直々に勲章を授けたいとの御達しがあったそうだ」
「くっ、勲章!!」
ミリィーがつい大きな声を出す。他の三人も驚きを隠せない。
マスターは続ける。
「当然だろう。君達の同級生達はせいぜい初級冒険者のはず。君達はこの短期間でそれだけの実績を上げたんだよ」
四人は顔を見合わせる。
「確かにかなり頑張りましたね?」
メニイが呟くとゼイルも同意する。
「特にこの前のダンジョンではね・・・」
皆の表情が驚きから喜びへと変わってゆく。
するとフォルスがマスターに質問する。
「それで、俺たちはこれからどうすればいいのですか?」
「それは、当然パンコッタ城に向かって貰うよ」
四人の次の目的地が決まった。
翌朝、酒場の前には四人の姿と、立派な馬車があった。
「こんなに豪華な馬車、初めて見るよ」
ゼイルが目を見張ると、ミリィーとメニイも賛同する。
「ホントね~。この馬車に乗れるのね!」
「・・・素敵」
するとフォルスが三人に言った。
「俺達はパンコッタ王から勲章を授与されるんだぞ。これくらいは当然だろう」
「折角、感傷に浸ってるのに!」
「フォルス君は乙女心を勉強するべきです!」
ミリィーとメニイから反感を買う。
そんなやり取りをしていると、パンコッタの兵士が四人に馬車に乗るよう促した。
「どうぞ、段差に気を付けて乗ってください」
皆が乗り込むと、馬車がパンコッタ城へ向けて走り出した。
パンコッタ城までの道のりは二日程とのことだ。
「凄いですよ、このソファーふかふかです!」
「そうね、こんな快適な旅、初めてだわ!」
メニイとミリィーが馬車内で隣同士に座ってはしゃぐ。
「確かにこんないい移動手段を使うことになるとはね」
”あと、二人に癒される”などと考えながら、二人をゼイルは笑顔で見ていた。
フォルスは目を閉じ、俯いていた。
そうして城への街道を進んでいると
「前方にモンスター発見!」
という兵士の声が聞こえ、馬車が止まる。
フォルスが外に出ようとするが
「皆さまは中でお待ちください」
と兵士から声をかけられた。
しばらくするとまた、馬車が前進し始める。
途中モンスターも現れたが、そのたびに護衛の兵士たちが対応してくれた。
今までで最も、安全な旅であった。
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