第二十五話:ラッカーナでの休息(後編)
ゼイルは目を覚ますと、水槽の周りに置いてある椅子に仰向けで寝ていた。
「ゼイルさん、気が付きましたか?」
「あっ、メニイ・・・」
「「さっきは・・・」」
二人の声がハモる。
「ふっふっふっ・・・」
「はっはっはっ・・・」
メニイとゼイルは笑顔になった。
「そういえばミリィーは何処にいるの?」
「飲み物を買ってくると言ってました」
「そうか」
すると人影がゼイルにかかる。
「ゼイルは私をご所望ですか?」
ミリィーが悪戯っぽい表情で尋ねる。
「飲み物買ってきてくれたんだ。ありがとう」
「ありがとうございます」
ミリィーはお礼されながら、二人にお茶の入ったコップを渡す。
ゼイルは体を起こしてお茶を飲むと
「はぁ~、うまい」
と一息ついた。
するとミリィーが問いかける。
「ゼイル、調子はどう?」
「ああ、問題ないよ! 別に嫌なことがあった訳じゃないし」
「そう・・・良かった。じゃあ、一休みしたらみんなで滑り台に行かない? 楽しいわよ!」
ゼイルとメニイは顔を見合わせると頷く。
「じゃあ行こうか?」
「行きましょう!」
滑り台には三組の人達が順番待ちしていた。
カップル二組と、間にいる若い男女4人組である。
三人もメニイを先頭にゼイル、ミリィーという順で並ぶ。
前の組は皆一緒に滑り台を滑り下りていく。
するとメニイが振り返り、ゼイルに視線を送りながら言う。
「私たちは一人ずつで滑りましょうか? ゼイルさんがまたさっきみたいになったら・・・」
「・・・メニイは一緒に滑るのは嫌かい?」
「そんなことないです!」
「じゃあ折角みんなで来てるんだし、一緒に滑らない? ほら、四人組もみんなで滑ってるよ」
滑り台の方を見ると確かに四人一緒に滑っていた。
「そうですね、じゃあ三人一緒に滑りましょう!」
メニイの表情が’パァッ’と明るくなる。
そうして三人の順番がやってきた。
滑り台の女性スタッフに指示を出される。
「じゃあ皆さん座ってください。それで前の方の腰に手をまわしてください」
ミリィーがゼイルに、ゼイルがメニイの腰に手をまわす。
「メニイ、大丈夫?」
ゼイルが問いかける。
「はっ、はい! ダイジョブです!」
耳を真っ赤にさせながら答える。
するとミリィーがゼイルに身を寄せる。
「ミッ、ミリィー・・・ちょっと近くないかな?」
「こうしないと危ないわよ」
ミリィーはゼイルの耳元で呟く。
するとスタッフも注意する。
「離れると危険なので、前の方をしっかり掴まえていてくださいね!」
それを聞いて、ゼイルもメニイを自分の方に引き寄せる。
「では、行ってらっしゃ~い!」
そう言うとスタッフがミリィーの背中を全力で押した。
三人は滑り台を水と一緒に滑り、加速してゆく。
「うあああああああ!!」
「うおおおおおおお!!」
「あっはっはっはっはっ!!」
メニイとゼイルは顔を真っ赤にさせて、大きな叫び声をあげる。
ミリィーは幸せそうな表情で、大笑いしながら滑り落ちていく。
そして
’ボッチャ~~~ンッ’
盛大な水飛沫を上げて三人は水槽の中に滑り込む。
数秒後、三人がそれぞれ水面から顔を出し、滑り台から離れる。
「面白いでしょ?」
「そうだね、こういうのもいいかも」
ミリィーとゼイルが話していると
「わ、私はもういいです・・・」
とメニイは苦笑いする。
「じゃあゼイル、二人でまた滑りましょう? 今度は私が前ね?」
「うん、わかった」
二人の会話を聞いたメニイは
「と言うのは冗談で・・・今度は私が一番後ろです!」
結局三人でもう一度滑ったのであった。
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