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第十九話:中級依頼(前編)



 翌朝八時半前。

 酒場の前にはお馴染みの三人が集合していた。


 店からマスターがジーニーを連れて出てくる。

「皆揃っているね?」

 マスターから声をかけられると、ミリィーが返事した。

「はい、揃っています」


 ジーニーは三人に挨拶する。

「おはよう! やあ、久しぶりだね。またお願いするね?」

「はい、おはようございます!」

「おはようございます。またよろしくお願いします」

「おはようございます。お久しぶりですね」


 挨拶を返す三人に、ジーニーは更に言った。

「今回は、馬車の荷台に乗って貰おうか」


 挨拶を済ませると、さっそく側に止めてある荷馬車に皆が乗り込む。

「では、出発! ほ~ほっほ~・・・」

 御者席についたジーニーは機嫌よく馬車を出し、パンタンの北門へと向かった。


 

 北門に到着すると、兵士が一人、停止させた馬車に近づいてくる。

「街を出るのですか?」

 兵士から質問されると、ジーニーが答えた。

「はい。ラッカーナに商品を仕入れに行きます」

 通行許可証を見せると兵士は挨拶をして、北門の前に戻っていく。

「気を付けて!」

 

 そうして一行は馬車でラッカーナへ向かった。



 門をくぐると、草原がどこまでも続いている。


「しかしこんな短期間でまた一緒に旅ができるとは思いませんでしたよ」

 ゼイルがジーニーに声をかけた。

「そうだね。縁があるのかもしれないね?」

 ジーニーも同意する。


「それにしてもラッカーナか。港町でしたよね?」

「そうね・・・漁が盛んな町ね。魚介類の養殖なんかもやってるみたい」

 メニイの問いにミリィーが答えた。

 するとジーニーが会話に入る。

「へぇ、よく知ってるね。私も今回は魚介類が目当てなんだよ」


「もしかしてミリィーはラッカーナにも行ったことがあるの?」

 ゼイルに聞かれるとミリィーは僅かに歯切れ悪く返答した。

「・・・ええ、何度か行ったことがあるの」

「ミリィーさんは先輩ですもんね」

 メニイは笑顔で言った。



 パンタンからラッカーナまでは街道があり、快適に移動が出来た。

 

「たまに強力なモンスターも出てくるようだから、その時はよろしくね」

 ジーニーが注意を促すと、早速ミリィーが皆に警告する。

「前方に五体、モンスターの気配を感じる。ジーニーさん、スピードを落として!」


 速度を落としてゆっくり進むと、確かに前方にモンスターがいるのが見えた。

 

「このまま街道を行きたいんだが、どうかな?」

 ジーニーが冒険者に問う。

「問題ありません」

「すぐに済ませますね」

「少し待っていてください」

 三人はそれぞれ答えた。


「コボルトね」

 さらに三人が馬車を降りて近づくと、人の体に犬の頭がついているようなモンスター、コボルトが五体いるのがわかる。


「ストレングス!」

 メニイが法術を皆にかける。

「奴はゴブリンよりもすばしっこくて頭もいい。中級レベルのモンスターだし、慎重にいこう」

 ゼイルが言うと、二人は首を縦に振って返事する。

 

「いくよっ!」

 ゼイルは剣を抜くと、弾かれた様にコボルトに向かって走り出した。

 その直後

 ’バチッ バリィッ’

 と電撃が一体のモンスターを襲う。


「ガワーッ!」

 ゼイル達に気付いたコボルト四匹が声を上げると、素早い動きで近づいてくる。

 ’バリィッ バリィッ’

「ガウッ」

 メニイは二発目のライトニングを、後ろから二番目の個体に撃ったが、当たる直前で横跳びをされて避けられた。


 ゼイルは自身に直行してくる三匹の中で、二番手で走っていたコボルトに左手を差し出し、詠唱した。

「ファイアーボール!」

 火球は凄いスピードで目標に向かっていったが、横跳びで避けられる。


 しかし直後

 ’バチッ バリィッ’

 三度目の雷撃がその個体をとらえた。

「ガッ・・・ワァ・・・」

 するとその場に崩れ落ちる。


「ふっ」

 ゼイルは先頭のモンスターを剣で右下から切り上げる。

「グ、ガーッ・・・」

 さすがのコボルトでもゼイルの剣には対応できなかった。

 

「ふんっ」

 続けて後ろを走っていた個体に対して更に一歩踏み込み、左上からの袈裟切りを見舞う。

「ガガッ!」

 が、距離が少しあったこともあり、ギリギリでバックステップで避けられた。


 その着地する瞬間

 ’バチッ バチィッ’

 メニイのライトニングがモンスターを撃つ。

「ゴッ、グゥ・・・」


 三匹のコボルトを二人が相手している間に残りの一匹がその横をすり抜け、馬車に向かって駆けていく。

 そこにミリィーが一歩踏み出し、短剣を胸の前で構える。

「行かせないわよ!」


 すると先の二人ほど手強くないと踏んだのか、コボルトは右手のカギ爪をミリィーに向かって振り下ろした。

「ガワー!」

「くっ・・・」

 上手く短剣で受け流すが、左手の二撃目が振るわれる。


「ああ!!」

 戦闘を見ていたジーニーが声を上げて目を逸らす。


 が、気付くとミリィーの側に、コボルトの氷像が佇んでいた。

「助かったわメニイ、ありがとう!」

 ミリィーはお礼をする。


 メニイがアイシクルステイクを使用したのだった。

 


 ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


 もしよかったら、次話もご覧ください。

 よろしくお願いします。

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