第十五話:武闘大会(中編)
そうして、ゼイルの対戦の順番がまわってくる。
選手入場のファンファーレが響いた。
闘技場の扉からそれぞれ、ゼイルと軽装のレイピア剣士が出てくる。
両者が闘技場の中心を挟んで、十メートル程の距離で立ち止まると、ゴングが鳴る。
二人は構えをとると、少しずつ距離を詰めていく。
「ふっ!」
二人が五メートル程の距離まで近づいた瞬間、ゼイルが踏み込み、袈裟切りを放った。
「ふんっ」
軽装の剣士はレイピアで軌道を逸らす。
直後、ゼイルは下から切り上げる。
「はっ!」
レイピアの剣士は再度受け流す。
「くっ」
するとゼイルは上段から斬り下ろし、左右横薙ぎ、逆袈裟切りを続けざまにみまう。
「・・・ちっ」
軽装の剣士との距離は三.五メートル程あり、レイピアでの反撃ができない絶妙な距離を保っていた。
剣士はゼイルが仕掛けた袈裟切りを受け流すと、懐に入ろうと近づいた。
「よしっ!」
直後、剣士の顎に強い衝撃が走る。
「グアッ!」
ゼイルは剣の柄で、相手の顎を打ち付けていた。
袈裟切りの反動を利用しているため、その威力は相当なものである。
案の定レイピアの剣士は崩れ落ち、天を仰いだ。
審判が剣士の状態を確認すると、大音量で叫ぶ。
「勝者、ゼイル選手!!」
「「「「うおおおおお!!」」」
観客達が歓声で答えた。
「さすがゼイルさんですね!」
「まあ、勝つと思ってたけどね」
メニイとミリィーが笑顔で共感する。
そしてフォルスの試合の順番になった。
選手入場のファンファーレが響く。
闘技場の二つの扉からそれぞれ、フォルスと戦士が登場する。
戦士は身軽な服装で、弓を装備していた。
二人は十メートル程の距離まで近づくと立ち止まり、構えをとった。
その数秒後、試合開始の鐘が鳴る。
と同時にフォルスが相手に向かってダッシュした。
「ふっ・・・」
対して弓戦士は矢を放つと、フォルスとの距離を保つように円形に走り出す。
フォルスは駆けながら、迫ってきた矢を剣で叩き落とす。
「ふんっ」
「「「おおおおお!!」」」
歓声が上がる。
弓戦士は剣の構えを下げたフォルスに対し、弓を僅かに傾けて二本の矢を同時に番えて放った。
「はあっ!」
すると二本の矢は少し発射速度が変わり、観客には連射されたかのように見える。
「くっ・・・」
フォルスはその矢の一本は剣を振り上げて防ぎ、もう一本は体を半身にして躱した。
「よしっ!」
体勢が少し崩れた瞬間、弓戦士は腰から短刀を抜き、フォルスに向かって突進する。
観客は弓戦士の勝ちを予想した。
「ふんっ!」
するとファルスは突然、一歩分バックステップしながら剣を前方に突き出した。
「ぐわあ!」
弓戦士は体をひねってギリギリで剣を避けると、仰向けに転ぶ。
’チャキッ’
気付くと弓戦士は首元に剣を突き付けられていた。
「うっ・・・まっ、参った」
弓戦士が負けを認めると、観衆が沸き上がった。
「「「「うわああああああ!!」」」」
「・・・フォルスもやるわね」
「ゼイルさんのライバルですからね」
その後も白熱した戦いが続いた。
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