数を減らしておいて
ある時、神様が地上を見て嘆息をする。
増え過ぎた人間が地球を滅茶苦茶にしていたからだ。
「このままでは地球は滅びてしまう」
そう思った神様は部下である天使を呼びつけて言った。
「人間の数を少し減らしてくれ。今のまま人間が増え続けると地球は滅びてしまうから」
「どれほど減らしましょうか?」
「そうだな。半分くらい減らしてくれ。だが、絶滅はさせないでおくれ。こんな人間でも世界にとっては必要な種であるのだから」
「かしこまりました」
丁寧にお辞儀をした天使を見て神様はほっと一息をついた。
「これで安心だ」
天使が人類の半分である『男性』を全て消したことを知って神様が驚愕するのはもう少し先の話だ。