猫の如く、犬の如く
「ネコポス再開か~」
”そうだろうなぁ”って予想はしていた。少し強攻なやり方にはどう思うかなってのはあるけど、……羨ましくはある。
なぜなら、利益を優先するのは、働く上で必要不可欠であり。そこに対する非難やら対策のフットワークの軽さが羨ましい。儲からない業務は他社に押し付け、儲かる業務だけを独占する。それが会社なのだよ。そこで働く方々には複雑かもしれないが。
でも、日雇いさんに仕事を任せてたのは、さすがにどーなんだろって思うけれど。お客様の荷物をどう扱うかのコンプライアンスって、昔は1日か下手すれば数時間で、今は3日くらい研修させてから、職場に来させるもんですが。
「経営陣はお互い様やな」
ホントにポンコツだよ。どっちも……似たり寄ったりか。こっちの縛りは大きいけれど。
◇ ◇
「クソ!!なんでこーなるのよ!!」
この世界観では、女性がトップを務めている。性別なんて関係ないね。必要なのは金の亡者であること。
「人件費を削減するために、日雇いに変えたら、悪い噂ばっかり流れるじゃない!!」
「いや、当然かと……。現場から言わせてもらいますけど、ヤバイ人間が跋扈する社会ですよ」
「不幸な人間にとってはチャンス与えてやってんのに!!足引っ張るんじゃねぇ、ゴミクズ共が!!」
黒井猫耳さん。一体どこの会社のトップなんだろうか。さっぱり、分からないね。
ともかく。
彼女も色々な案を社内で協議しつつ、利益の採算を出そうとしているが。こーいう上手くはいかない時がある。悪い噂が流れた時は耐え忍ぶ時
「やまぐち~~~~~~~!!!あたしがピンチなんだから!!ちょっとは協力しなさいよーーー!!」
それはそれとして、他社との協議をするわけである。
「知るかよ。こっちはお前の提案してきた事を呑んでやったのに、反故にされて混乱してんだよ。こっちの身にもなりやがれ。暇じゃねぇのに直接会ってるだけ、協力してんだろ」
「あたしとあんたは昔馴染みでしょうが!!」
「たまにはお前が貧乏くじを引け。つーか、今回はお前に分が悪い」
「いっつも引いてるじゃない!!私達が先駆けとなって、色んなことやってんのよ!!あんた等、馬鹿郵便局はいつも後追いの赤字の会社じゃない!!特定局が無駄に多くて、局長やらクソ役員共を抱えてるようなね!」
「後半はお前んとこと一緒だろ。つーか、俺達が後追いになるのは、法律的に臨機応変には動けねぇんだよ。人材の入れ替えができねぇし、互いに人手不足だろ」
相手方がどこに務めていて、どれだけ重要な役割を担っているか分かるだろうか。この山口さん。
「お互い、経営陣側から珍しく。現場やってた身だろうが」
荷物の取り合いに関しては、配達員側からしたら……正直、どーでもいい。だってよ、その利益分がこっちに回ることはまずねぇだろう。
荷物が増えれば、残業が増えて利益になる。
荷物が減れば、人員削減ができる。
そのどっちかでしかない。
……で、現場は
「お前のところの会社の平均年齢はいくつだよ?」
「女性にそーいう事を聞くんじゃないの」
「お前は婆だろ。こっちはもう、50前半になってるんだよ。木下とかまだ働いてるからな。異常だからな?街中の人間に、70超えて働けますか?って聞いてみろ」
年齢がもう……とりあえず、人手が足らないから、経験者に限ってはこっちから頭を下げて、お願いする状態。それを少しでも解除するきっかけにはなる。
人員削減だけとは限らない。
配達地域の見直しや人員の配置はホントに重要になってくる。
「年賀状が思いっきり減った分だけ、今後はその期間で配達員を休ませるシフトに切り替わるはずだ。忙しいのは年末だけって形になる」
2025年は、年賀配達と通常配達を同時に行うくらいだ。いつもなら、朝から~正午ぐらいまで、年賀配達をして、午後からその日の通常配達をしていた。これの気付き、関わりのない方には気付かなかったと思う。
作者の予想では今後、
1月2日~1月5日までの間は、通常配達を停止させると予想している。(GWと同じと思ってくれ)。
ホントに暇だったんだよ(ガチ)。配達員が出勤してすぐに帰るくらいにね。
「人員削減する関係で、勤務の見直しは絶対だし、……社員の休みとかとれているのか?お前等のところ、1日中の配達なのにほとんど同じ面子が現場にいるぞ」
「それを分かってるあんた等も、ほとんど同じ面子が現場にいるじゃない!!どーなってんのよ!!」
……で、さっきの続きにはなるが。通常配達を停止させるというのは、……いきなりは難しいし、多少なりとも反対の声が出て来る。ご理解を頂くというのは、何事にも難しい。で、いちお言うけど。金を払ってくれれば、普通に配達しますからね?
この前、通常郵便と追跡郵便の配達速度に違いがあるのはおかしいわ、っていう感じの検証されてたけど、当たり前だからね?値段以上のお仕事をあなたはされますか?
今は当たり前になったけれど、当時1月2日の休みについては、結構言われていました。通常配達をしろって。でも、今はそんな声挙がってませんからね。
「私が経営者なら、5年前からやっているわ。昔はホントに総動員だったのよね?各部署から人がどんどんやって来て、高校生のアルバイトなんか雇ってたし」
「はぁ~~~、懐かしいねぇ。お年になりましたね~。お前は特に顔のしわが増えてるぞ」
ブチンッ
「殺すぞ、テメェ。テメェのところの社風は、ウチじゃ通用しないわよ」
「殺せるもんなら殺してみるよ、テメェ如きに俺は殺せねぇよ」
赤いマークは、社畜の血の色!!
黒いマークは、物流の闇!!
青いマークは、我々の顔色!!
「…………………」
「…………………」
こーなると、山口が色々と弱い。良い人過ぎるというか、お人よしが過ぎる。しかしながら
「物届けるのは一緒だろ。馴染みなんだから、その辺分かってるだろ、黒井」
「OKしてくれるのね!?さっすが!!山口!!」
「世間の批判なんかは知らんぞ。ただ、こっちもこっちで人手が足らん。お互い協力しなきゃいけねぇ社会で、いがみ合ってる場合じゃない」
嫌いなところがあるけれど
「司法は非道な暴力には勝てない。そこで働く社員の気持ちなんか入りはしない。いつだって、前時代の例とかを持ち出し、テキトーに決められ、金で解決だ」
額に関して言えば、こっちもこっちなりに譲歩した方だぞ……。
お互い、欲しいモノが手に入る社会を作りたい、護りたいからここでやって来てるんだから。
「ともかく今日も、荷物が無事に届くようにだ」
……クロネコゆうパケットってそれなりの数なんで、全部を渡すわけじゃないと思いますが。
仕分けもそうですが、向こうの配達員の確保はできているんですかね?
クロネコさんにも配達補助の方ってのがいるんですが、……お互い様で、ここに関しては入れ替わりが激しいんですよね。たぶん、1日か2日でギブってると思います。
資格はそれほど必要はないんですが(運転免許くらい)、基本的な忍耐力と単純な体力が必要ですし、頭の良さとかカンケーないんで。今の人達にはかなり疎いところを求められてる感じです。
お互いの経営陣は、そーいう現場のところを気にする方は少ないので、配達員が確保されてない状態で受け入れるのはリスクがあるんじゃねぇの?って思います。せっかく、この1年で大分業務が楽になったのは話されてますし。
大口の荷物はクロネコさんがやって、個口の荷物はお前がやれ。
自分達の配達で構わないってお客様はクロネコがやって、気に入らないならお前がやれ。
って感じにしたいんでしょうけど。それはたぶん、現場レベルでも仕分けも配達も難しいと思います。実現されたら、こっちが超貧乏くじになるんですが。配達のコストが大きく異なります。
ともかく、あれ。
お互いの経営陣がワチャワチャやってますが。
配達員は配達員。
言われた事、頼まれた事を淡々と常時処理していくように。荷物のお届けをするだけです。
この会社だから、良い配達員だ。この会社だから、悪い配達員だ。
というのはないです。
自分の会社に呆れながら、自分の配達をしているだけの人達です。悪い配達員は、最初から悪い奴です