第35話 エレクトロの過去
昔、小さな街でひっそり活躍していたAランクパーティー。
4人組で、スクールの同級生で構成されたパーティー。
エレクトロ「私と…ジャック、コマさぶろう、DJカミソリ…」
さゆら「きめえ名前しかいねえ」
仲良しでお互いがお互いを完全に理解しあったスクールの優等生4人のパーティー。そりゃ強かった。個人での戦力というよりパーティーの完成度が高くてAランクでも上位レベル。
エレクトロ「だったんだけどね」
その日はやけに調子が悪くて
みんな動きが悪かった
パーティー内の雰囲気も悪くて
そこに急に立ち塞がったのが
エレクトロ「…ミラーズシャドウよ」
さゆら「、、、!?」
ミラーズシャドウの誰かまではわからなかった
そいつが持ってるであろう固有能力すら使われずにじわじわ追い詰められていく。
その時、ジャックが無理をした
あいつは責任感が誰よりも強かった
だって、リーダーだから
エレクトロ「それに触発されちゃってねぇ、みんな調子わるいってのに追い返したのよ。仮にもトップ層のAランクパーティーだしね」
エレクトロ「追い返したのはいいんだけどね」
そのミラーズシャドウの奴は炎魔法が得意だった
エレクトロ「当たり所が悪かったのよ」
ジャックの利き手。
何より大事な商売道具の手。
昔からずっと槍を握ってきた左手。
訓練に明け暮れる日々を送ってきた、皮の厚い、シュッとした彼に似合わないゴツい手。
敵の炎は特殊だった
中々消えなくて
戦闘中もジワジワとジャックの手を蝕んで
エレクトロ「ジャックは槍を二度と握れなくなった」
さゆら「、、、」
エレクトロ「それでもあいつが諦めなかったから追い返せたんだけどね」
エレクトロ「そしてあとから分かったんだけどね」
エレクトロ「わたしがいつもクエスト行く前に掛けてた水属性のバフ」
エレクトロ「かかってなかった」
水が炎に強いなんて幼稚園児でもわかる
もしも忘れていなかったら
バフを重要視していたDJカミソリの言うことを聞いていたら
もしあの時のミラーズシャドウが炎魔法使いじゃなかったら
エレクトロ「耐えられなく私がパーティーメンバーに無許可で勝手に抜けて、その2週間後にパーティーは解散したって」
エレクトロ「全部、私のせいなのよ」
エレクトロ「調子悪いと思ったらバフをかけ忘れていただけなのも、ジャックに無理させたのも、罪悪感に耐えられなくて逃げだしたのも」
1番稽古してたのも、スクールで成績優秀だったのも、リーダーの素質があったのもジャックだった。
さゆらは、いつも悪態ついてくるエレクトロが泣きそうになっいて、こんなに小さく見えたのは初めてだった。
さゆら「…エレクトロ」
でも、
エレクトロ「…なによ。失望した?」
今の私には
さゆら「そのミラーズシャドウの奴絶対倒そうな」
エレクトロ「…!!」
あんたっていう相棒がいるから
エレクトロ「、、、もちろんっ!!!」
イタリアンは9万ザイオンした。




