表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

不安定な観覧車

作者: 鬼子

 空が暗くなり、僕は目を閉じる。

 また明日。


 ゆっくりと目を開け、鮮やかな風景に包まれる。


「ここはどこだろう?」


 僕は周りを見渡して、高いところにいることがわかった。

 立ちあがろうとすると、グラッと揺れる。

 それにびっくりして僕は座ってしまった。


 ここは観覧車の中。

 

 僕は窓から下を見ました。


「すごく高い」


 それはすごく高くて、見下ろすだけで足が震えてしまうほど。


「高いのは嫌いか?だが、安心しろ。落ちはしないさ」


 その時、横から声が聞こえた。

 僕が確認すると、全身が真っ黒で顔のない人の形をした影がいます。


「君はだれ?」


「俺か?俺はお前だ」


 影は僕にそう言いました。

 でも、うん。納得できる。 見た目は怖いはずなのに、全く怖いって気持ちがないんだ。


「君はずっとここにいるの?」


「いいや、ご主人が困ってるから、今回だけ助けに来たのさ」


 影はそう言って、少し笑いました。


「僕が困ってる?」


「あぁ、気づいてないのか? ここに、なんかあるだろう?」


 影は僕の胸に指を当てながら言いました。


「なにか?」


 僕がそういうと影は少し笑いました。


「まぁいいや、詳細を説明すると難しくなっちまうからな。手短に」


 影がそう言って、僕は頷いた。


「観覧車ってのはな、ずっと回ってる。繰り返し繰り返し、ずっとだ」


「うん」


 影は窓から下を見ています。


故障(こしょう)しても、修理(しゅうり)したらまた繰り返す」


「うん」


 影は次に僕を見た。


「どんな選択肢を選んでも、どんな結果になっても、最後は日常になって繰り返すんだよ」


「・・・うん」


「まぁ、なんだ。だから、あまり気にするな」


 影は僕にそう言言いました。

 夢の中だからかな。自分が何に悩んでいるのかがわからない。

 でもきっと、目が覚めたらわかるよね。


「不安定さを隠しながら、ゆっくりとゆっくりと回り続ける」


 影は僕に笑いながら言いました。


「ほれ、もう一番下まで来た。 扉が開くぞ、降りる準備をしろ」


 影にそう言われて、僕は立ち上がる。


 扉が開いて僕は降りる。

 後ろを見ると影が手を振っていた。


「君は降りないの?」


「あぁ、ご主人に呼ばれて眠ってないからな」


 影はそう言いました。


「ごめんね、僕のせいで」


「いいさ、いいさ。気にするな。でもあと10年は呼ぶなよ? じゃあ、俺は寝るからな」


 影はあくびをしながら僕に手を振る。


「うん、ありがとう。おやすみなさい」


 僕は影にそう言った。


「おう、おやすみ。 あ、そうだ」


 影は僕に何かを言おうとした。

 僕は振り返り影を見る。


「おはよう。ご主人」

 

 ピピピっと目覚ましが鳴り、目を覚ます。

 どんな夢を見たんだろう。


「早く起きなさい! 学校遅れるよ!」


 ママが僕を呼ぶ声が聞こえる。


「はーい!」


 僕は布団から出てママがいるリビングに向かう。

 どんな夢かは覚えてないけど、きっといい夢だったんだと思う。 なんでかって?


 心がスッキリしてるからだよ。


 そして僕はリビングにはいる。


「おはよう!」


 またいつもと変わらない1日が始まる。

読んでいただきありがとうございます。


感想や、評価などお待ちしております。

今後の創作のモチベーションにつながります。


人生初の短編なので、読みにくい場面などがあったかもしれませんが、楽しんでいただけたのなら幸いです。


ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 観覧車、楽しいですよね。 いつまでも乗っていたくなります。
2024/01/01 12:40 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ