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失恋

「ねぇ薫!私は彼氏が出来た!」


「え・・・?

奈々が俺に彼氏が出来たと言ってきた。


「か、彼氏?」


「うん!」


そ、そんな・・・


俺と奈々は幼馴染で俺は奈々の事が好きだ。


「い、いつから?」


「一昨日、彼から告白してくれたんだ!」


お、一昨日ってホワイトデーの日だ。


「つ、つまり奈々はバレンタインにチョコを送ってそのお返しの告白ってこと」


「う~ん?ちょっと違うかな。お返しじゃなくて真剣に好きって言われたから!」


「そ、そうか」


俺は今絶望の淵に落とされた。


十年以上も好きだった女の子が、誕生日もクリスマスもお正月も沢山お祝いしてたくさんプレゼントもあげて気持ちを伝えてきたのに・・・


「お、おめでとう」


俺が今出せるのはこれが限界だった。




そんな絶望している薫を見ていた女の子がいた。


「あー、薫かわいそう」


彼女は九重涼音、奏と奈々のもう一人の幼馴染だ。


「薫、待っててね。そんな女の事すぐに忘れさせてあげるから」


そう涼音は奏の事が好きだった。


しかも


「にしても、あの女一体なんなのよ!私が十一年間欲しかったものを与え続けられてきたくせに!それを私の前で捨てて!さらには奏の心を弄んで!」


とてつもないヤンデレだった。


「大丈夫だよ薫。私が必ず幸せにするから」


涼音はうっとりとした顔で薫で観察し続けた。




ピロンピロン


「あっ、彼氏が呼んでるから。また明日ね薫」


「あ、あぁ・・・」


そして奈々は俺の前から消えた。


「・・・クッ!」


俺は思わず走り出した。


そして俺は気づけば屋上にいて泣いていた。


「ゔぅ・・・う・・・」


それから薫は30分も泣いていた。


「はい」


「え・・・」


そんな薫の顔の前にピンク色のハンカチが浮いていた。


「す、涼音」


そこにはもう一人の幼馴染の涼音がいた。


「ど、どうしてここに・・・」


「うん、実わね。見ちゃったのさっきの・・・」


「あ・・・あぁ・・・」


見られてたのか


「ど、どこから・・・」


「奈々に彼氏ができたってところから」


最初からじゃないか・・・


ギュっ


「す、涼音!」


涼音が急に抱きついてきた。


「頑張ったね。薫はよく頑張ったよ」


「涼音・・・」


「私は知ってるから。薫がものすごく奈々が好きで、少しでも一緒にいたくて勉強頑張って奈々に勉強教えてたこと」


涼音の優しい言葉が段々と俺の心に沁みていく。


「バイトを掛け持ちしてプレゼントを沢山買ったこと」


一つ一つの涼音の言葉が俺を理解してくれてといたと、嬉しい感じる。


「私といっぱいデートの下見をした事も、愛を意味したプレゼントを沢山送った事も」


俺は思わず涼音を抱き返し・・・


「私は知ってよ」


その言葉で俺の我慢は崩壊してしまった。


「す・・・涼音・・・お、お"れぐやしいよ・・・」


涼音の胸の中で泣いてしまった。


「うん、大丈夫だよ。だからいっぱい泣いていいんだよ」


俺は無意識の内涼音の言葉に縋り付き20分日没間近まで泣いてしまっていた。

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