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第参楽章


   第参楽章



「お〜い! ここだよ〜! ガンバ〜るちゃ〜ん! こっちこっちこっち〜っ!」


「ああっ! フレフレ〜ちゃ〜ん! 此処で、良いのかな〜っ? へへっ、彷徨っちゃた〜!」


「そうだよ〜っ! この牧場(まきば)だよ〜っ!」


 はあはあはあっ……。


「そんなに!慌てなくても〜! 良いよ〜っ!」


 パタン! ふ〜っ!


「(キョロキョロ……)何もいない見たいだけど? 牧場(まきば)って言ってたよね……高原しか無いけど……何牧場(まきば)なの? 此処?」


「えっ? 言って無かったっけ(アレアレアレ〜)……?」


「言って無いよ?」


「そうだったか? メンゴ! アメフラシだよ!」


「アメフラシ?」


「そう、アメフラシ!」


「アメフラシって……何?」


「ガンバ〜るちゃん……アメフラシ知らないの? 本当に〜……わたし、試されてる?」


「え〜っ……物本(モノホン)で、アメフラシ何て知らないよ〜? ガチで? だもん!」


「本当に〜? マジっすか? マジっすか?」


()度言う……え〜っ! アメフラシって……そんなにメジャ〜なの?」


「そうだよ!」


「言い切ったね! 知らなかったな〜……勉強不足でした! ペコリ! メンゴ!」


「よ〜くよ〜く学び給えよ! ガンバ〜るちゃん! 世の中には、知らない不思議が溢れてるんだよ!」


「教えて! 教えてよ〜っ! フレフレ〜ちゃ〜ん!」


(すが)り付かない様に! 後でね! それよりさ、天照(てんてら)ちゃんが此処のオ〜ナ〜何だからさ! 先に紹介するよ!」


「もう、ぷ〜だよ〜! まっ、いっか! あっ……そうだそうだ、そうだった! 天照(てんてら)ちゃん、はやく紹介してよ、フレフレ〜ちゃ〜ん?」


(すが)り付かない様に! 注意(にぃ)だよ! いこいこあっちだよ! アメフラシも、あっちに(いっ)杯いるから」


「うんうんうん!」


 てくてく、てくてく……。


「それはそうとしてさ……今日はわたしとさ、ガンバ〜るちゃんだけなの……? ガンバ〜る応援団!」


「ううん(フリフリ)! 後からみんな来てくれるよ! 別の場所(ところ)で、待機中だよ!」


「誰誰誰? 今回、何編成なの?」


「へへ〜ん! まだ内緒だよ! そう思って、時間ずらしてるんだから?」


「なにそれ……面白く無いな〜……(いっ)緒に来れば良かったのに?」


「そうは烏賊(イカ)のナンチャラだから?」


烏賊(イカ)の何?」


「ナンチャラだよ?」


「だから……烏賊(イカ)の何なのよ?」


「だから! ナンチャラだって、言ってるじゃん!」


「ああ……知らないんだ……?」


「えっ……烏賊(いか)のナンチャラって、言わないの?」


「言わないよ? 誰に聞いたんだか?」


「そうか? 言わないのか……? 烏賊(イカ)のナンチャラ……?」


「いらっしゃ〜い! (くねくねくねくね)……」


「あっ! 天照(てんてら)ちゃん! お出迎え、(かたじけ)ないっす! こちらが、ガンバ〜るちゃんてす!」


「あっ! 始めまして! ガンバ〜るモッチ〜です! ペコリ!」


「ペコリペコリ! 天照(てんてら)モッチ〜よ! (くねくねくねくね)宜しく〜っ!」


「今日はお呼び頂きまして、有り難う御座います! ペコリ!」


「ペコリペコリ! (くねくねくねくね)此方こそ急に言ったのに、真逆ね! 半日も経たずに来てくれるとは……ビックリですよ!」


「だよね! 真逆だよね! 青天の霹靂だよね! 言って直ぐに、動いて来てくれるとはね? 辺境だよ! 流石は、ガンバ〜るちゃん! 直ぐに行くよ! から、早かったもんな〜……ただ、場所さえ間違わなければね!」


「あははは……えっ! 迷惑だった! 急ぎでって、言ってたじゃん! フレフレ〜ちゃん! 慌てて来たんだよ! メンバ〜掻き集めて!」


(アワ)テンボ〜過ぎにも、程があるよ! ちょっと急(なん)だけど……良いかな? って、言ったんだよ! でも、来てくれて有り(がと)さん(なん)だな〜!」


「本当に思ってる?」


「ペコリペコリ(くねくねくねくね)そうですよ! こんな辺境の地(まで)態々(わざわざ)来て頂けただけで、有り(がた)や〜何ですもん!」


「本当に……? 其れはどっちに……思えば、良いのかな〜?」


「勘繰り過ぎだよ! ガンバ〜るちゃん! 素直が壱番だよ!」


「そっか〜!」


「パンパン! (くねくねくねくね)ガンバ〜るちゃん! アメフラシ見て見て下さいな!」


「あっ! アメフラシ! わたし、初アメフラシなんですよ!」


「そうなの? (くねくねくねくね)其れは是非、見てやって! 良い子達ちばかりだから!」


「はい! 宜しく御願いします! ペコリ!」


「ペコリペコリ! (くねくねくねくね)この扉を開いた、其の向こう側がアメフラシの牧場(まきば)になってるのよ! オ〜プン・ザ・フラッシ〜! ええいっ!」


 ギギッ、ギギッギギ〜ッ……ギギギッ!

 ギッ、ギッ、ギッ、ギッ……。


「うっ! う〜ん……う〜ん! ドンドン! こらっ! 扉の前から退()きなさい! 集っちゃ駄目! ピキッ、キキキ……良い、拾数えるからね……」


「え〜っ、凄〜い! アメフラシが、寄って来てるんですか〜?」


「ガンバ〜るちゃん! ここは……ちょっと下がっとこか!」


「えっ……どうして?」


(い〜ち)!」


「良いから良いから……はいはいはい!」


「ちょっとおっ? 何何何? フレフレ〜ちゃ〜ん? 教えてよ!」


(に〜い)!」


「案ずるより見るがやすし! ここならいっか……よ〜し! 良いから黙って、これ付けて? はい!」


(さ〜ん)!」


「何これ?」


「遮光ゴ〜グル! ブラックサン!」


(し〜い)!」


「?」


「説明は、後……ピタッと貼り付くから! 目に、早く付けた方が良いよ!」


「う……うん? え〜っと……」


 ペタペタ!


(ご〜お)!」


「此れであってる? フレフレ〜ちゃん!」


 チュポンチュポン! ペタペタ!


「こうかな!」


(ろ〜く)!」


「有り難う! でも真っ暗で、何か見えにくいんだけど? 此れで合ってるの?」


(な〜な)!」


「ガンバ〜るちゃん! 其れだけでは、駄目なんだな?」


「えっ……どう言うこと?」


(は〜ち)!」


「此れ持って!」


「この棒付きの、オペラグラス風な物は何?」


(きゅ〜う)!」


「セブンアイよ!」


「セブンアイ? どう使うのかな?」


「掛け声と共に、ブラックサンに被せて使うんだよ!」


「掛け声って?」


壱拾(じゅ〜う)! そう……覚悟は出来てるようね……貴方達ち!」


「ジュワッよ! わたしがタイミング測るから、合わせてね!」


「ジュワッ? 分かん無いけど、何となくヤバいんだなってのは分かったよ!」


「流石はガンバ〜るちゃん! 呑み込み早いな?」


「ふ〜っ……」

 突き出された手の平に、指が参本添えられました。

 天照(てんてら)ちゃんの、溢れ出すオ〜ラ!


「行くよガンバ〜るちゃん! 構えて!(指参本か! あっぶね〜!)」


「(ゴクリ!)うん!」


「テンテラ〜……テン!」

 ブッフォ〜〜〜〜〜………!!

 逆流していく、粒子たち……。


「ジュワッ!」

 時同じくして弐匹……綺麗にシンクロする影!

 セブンアイがブラックサンに、カチリと音を立て合わさりました。

 溢れる光りの洪水の中、線画の世界の様な光景が広がっていました。


「御免ね! ちょっと我儘な子達ちがいたみたいだから、お灸をね! うふふふふ……(くねくねくねくね)開いたわよ、さあ、行きましょう!」


「……」


 チュポンチュポン!


「ガンバ〜るちゃん! 行くよ! 其れ、あげるから、持っときなよ!」


 チュポン! チュポン!


「う……うん……有り難う! 扉何処言っちゃったんだろ? (いっ)本道出来てるね……?」


「直に慣れるから!」


「そうなんだ……!」


「ちょっと御免なさいね! (くねくねくねくね)ピポッパッっと!」


「はい、こちら宝飾仮装(ほうしょくかそう)何でも御座れの、仮半絆纏(かそうはんてん)仮装美創(かそうびそう)です!」


「あっ! わたし(くねくねくねくね)」


「何! 天照(てんてら)ちゃん! また蛞蝓(ナメクジ)の扉、吹き飛ばしたんじゃ無いよね!」


蛞蝓(ナメクジ)じゃ無いわ! アメフラシよ!」


「分かった! 全く……今月此れで何回目だと思ってんのよ! あんたん所です(とこ)、面倒くさいから、もう、特別料金貰うからね! 手配しとくから!」


「仮装ちゃん! もう少し丈夫なの、無いかしら?」


「あるけど? 無駄だと思うけど……分かったわ! 頭領ちゃん無理そうだから、お弟子さんになるけど、いいよね?」


「お願いね……じゃあまた」


「じゃあまたじゃ無いわよ! プチッ……」


「御免なさいね! 行きましょう」


「……はい!」


「今回は、結構やっちゃいましたね?」


「また直ぐ再生するから大丈夫よ! (くねくねくねくね)」


「うひゃひゃあっ……これって、(ひと)つ目のホボナメゴンですよね!」


「何言ってるの? アメフラシよ! 何よ! (ひと)つ目のホボナメゴンって?」


「ホボナメゴンを、御存知ありませんか? 残念ですね? ホボナメゴンは(ふた)つ目何ですが?」


「えっ……フレフレ〜ちゃんは、知ってるの? ホボナメゴン?」


「残念ながらです……」


「お勉強したまえよ! 諸君!」


「さっき、似たような事言った気がする?」


「あの〜……物凄くアメフラシちゃん達ちとと、距離感を感じるんですけど……」


「暫くしたら、よってくるよね? フレフレ〜ちゃん!」


「そうですね……警戒心が薄れて、弐週間程すれば……ですかね?」


「あちらの雨乞来い来いの(やぐら)で、わたしが雨乞いをいたすのよ!」


「あっ! 彼処ですね! わたし達ちは、何処で応援するんですか?」


「そうねえ……?」


「ガンバ〜るちゃん! あのアメフラシに向かっての応援なんだよ!」


「ええっ! アメフラシに……? アメフラシ語何て知らないよ!」


「トントン……心だよ!」


「ああ! そうだよね! 心だよね! 分かった!」


「其れで良いの? (くねくねくねくね)アメフラシのね 第弐の御目目を開かせて欲しいんだな?」


「第弐の御目目って何ですか? フレフレ〜ちゃ! 知ってるの?」


「そりゃあ知ってるよ! まだ実際には、見たこと無いけどね?」


「ええっ! 見た事無いのに、知ってるの? 眉唾じゃ無くて?」


「眉唾じゃ無いよ!」


「ガンバ〜るちゃん! (くねくねくねくね)よ〜くアメフラシの御背中(おせな)を見てみて?」


「アメフラシの、御背中(おせな)ですか?」


「長い睫毛(まつげ)が、見えるでしょ?」


「あ〜! 閉じてるけど、目だ!」


「そう、あの御目目が開いたらね、ジッと見詰められた御空が、余りの恥ずかしさに耐えられ無くなって! 壱面を雨雲で覆ってね……雨雲が雨の重さに、耐え兼ねて雨が降るのよ! だから、アメフラシ何のよ! (くねくねくねくね)」


「アメフラシ! (すっご)〜い! 断然やる気が、湧いてきました!」


「そう、良かった! (くねくねくねくね)」


「フレフレ〜ちゃん! 応援する場所、決めてくれるかな? みんなを呼ぶから!」


「オッケイ!」


「えっと……ピッピッピッのピッと!」


「やっと……雨にお目にかかれるのね! (くねくねくねくね)うふふふふふ……」


「おっ! ガンバ〜るちゃん! 整ったのかな?」


「タイムちゃ〜ん! お願〜い!」


「分かったよ〜ん!」


「艦長! 何やら結界の様なモノが、領域展開されてますが?」


「そんなの、佰も承知だよ〜ん! 天照(てんてら)ちゃんの天晴(あっぱれ)オ〜ラだよ! エンカウンタ〜ちゃん!」


「ええっ! ここ、天照(てんてら)ちゃん(とこ)何ですか? 最初(さき)に言って下さいよ! 天階層組には、関わりたく無いんですけど?」


「もう遅いよ、ガッツリ関わっちゃってるから!」


「タイムメカジキの、處女航海に何か来るんじゃなかったわ?」


「ぼやくの後で、良いかな? (いっ)点突破で行くよ! 充填速度アゲアゲで!」


「はい! 了解です! メガトンメカジキスピア、エネルギー充填……捌拾伍パ〜セント!」


「は〜い! ガンバ〜る応援団のみんな〜、降下の準備出来てる? いっくよ〜!」


「オッケイです!」


「よしよしっと! 冷却羽布(ハフ)ありったけ、貼っつけといて!」


「あんなのタイムメカジキでは、持ちませんよ?」


「良いから良いから、壱番薄そうな処狙ってるんたから! エネルギー充填出来たら、構わす突っ込んじゃって!」


「こんな事なら、超恒高温(ちょうこうこうおん)突破型タイムブル〜マ〜リン完成してからの方が、良かったんじゃ……」


「泣き言は言わない! 其処はエンカウンターちゃんの、腕の見せ所でしょ?」


「タイムちゃん! 言ってくれるわね! 時価果物(フル〜ツ)の季節のジャンボパフェ、奢ってもらうからね!」


「御高くつくねぇ〜! 良いっしょ! 戻ったら皆でいくか!」


 お〜っ!


「やめてよ! 指揮が上がっちゃったじゃないのよ! エネルギー充填佰弐拾っパ〜セント……ふ〜っ! 突入します!」


 ビビビビビ……ドドドド、ド〜ン!

 バリバリバリバリ……グゥグゥグゥ……

 キ〜〜〜ン……シュンシュンシュン……


「ほ〜……瞬殺だね〜!」


「ふっ……冷却羽布(ハフ)玖拾パ〜セント焼失! 持ちません?」


「なる程ね〜! よ〜し!」


「セブンフォ〜ク始動準備! 急いで!」


「艦長! 装備してますが……まだ、試作段階では……?」


「エレクトリックサンダ〜ちゃん! ある物は使えだよ!」


「しかし……危険過ぎます?」


「プログレスちゃんの見解は……?」


「面白いけど……(いっ)瞬で、ボン! だけどね? やるんなら、付き合うよ!」


「セブンフォーク! 安全装置解除!」


「やれってんなら、やるけど……知りませんからね!」


「マリバリンちゃん! ガンバ〜る応援団! 降下の準備させて! 突入後 乱気流に備えてね!」


「了解!」


「マリバリンちゃん! 大丈夫なの?」


「タイムちゃん達ちを信じましょ! みんな〜、射出口に行くよ〜!」


 ぞろぞろぞろぞろ……。


「準備整いました! 安全装置解除! 第壱ロックボルト・アギラ並びに、第弐ロックボルト・ミクラウス、タイムカプセル収納開始!」


「続いて、第参ロックボルト・クレイジ〜ゴン収納します! セブンフォーク壱號機作動します!」


「どんどんロックボルト抜いてって!」


「はい! 第肆ロックボルト・ナ〜ス並びに、第伍ロックボルト・キングジョウ収納します! セブンフォーク弐號機始動です!」


「プログレスちゃん! どうなの?」


「いい感じで暴れてるけど……いけるんじゃない?」


「続けて!」


「第陸ロックボルト・ウインダム並びに、第漆ロックボルト・セブンガ〜収納します! セブンフォーク参號機始動しました!」


「セブンフォーク壱から参號機! 連結合体!」


「了解です! セブンフォーク壱から参號機! 連結合体します!」


「よ〜し! 冷凍破風アイスラッガー展開!」


「冷凍破風アイスラッガー展開します! 徐々に機体温度さがってます!」


「よ〜し、速度上げてくよ! アゲアゲで!」


「タイムメカジキ、速度アゲアゲしま〜す! 臨界点まで、参拾秒……」


「突破しました!」


「機体安定したら! ガンバ〜る応援団! 射出して!」


「機体安定しました!」


「お〜し! ボン! する迄に、止めるよ〜! セブンフォーク強制停止っ! 並びに被害状況確認して!」


「了解! セブンフォーク強制停止します!」


「セブンフォーク、ロックボルトオン!」


「了解です! セブンフォーク、ロックボルトオン!」


「陸拾秒後に、ガンバ〜る応援団! 射出します!」


「マリバリンちゃん! 御健闘を祈ります! ガンバ〜る応援団! 射出!」


「はい! ガンバ〜る応援団! 射出します!」


 シュンシュンシュン、シュンシュンシュン……!


「マリバリンちゃん達ち、ガンバ〜る応援団のみんな! 射出降下終わりました!」


「は〜い! お疲れ〜……まっ、後はマリバリンちゃん達、何とかするっしょ?」


「下は……かなりの乱気流が、渦巻いているようですが……?」


「日の暮れ迄の約束だから……取り敢えず天照(てんてら)ちやんの様子観ながら、待機で……約には立たないだろうけど、モザイク迷彩掛けといて!」


「モニタ〜回復しました! マリバリンちゃん達ち、目標地点より……かなり流されてますね?」


「そっちは良いからさ? 天照(てんてら)ちやんにロックしといて!」


「了解です! 被害状況確認しました……浮いてるのが、やっとの状態です!」


「はっは〜……まいったね! 形状記憶再生モ〜ド起動しといて! 貴重なデ〜タだけバックアップで! ふ〜……御手並み拝見と行きますか! ガンバ〜るちゃん!」


「了解! デ〜タバックアップ抜き取りました! 形状記憶再生モ〜ド起動します。全て初期化されます!」


 シュ〜ン……!


「形状記憶再生モ〜ド入りました! 無防備状態ですが……?」


「良いんじゃ無い……お腹空いちゃたな? 食堂行く?」


「多分ですけど? シッチャカメッチャカに、なってると思いますよ!」


「オテガルちゃんなら、何かパパッと作ってくれるよ!」


「ですかね〜? 行きますか……緊急事態アラ〜ト、セットしときます!」


「あっ! 補助プログラムの、ユ〜トム流しといて!」


「了解です! わたしは、後で合流しますから……どうぞお先に!」


「御免ね! いこいこ……みんなも、細かいとこは後にしていいから! どうせ何もできないから、休憩しとこうよ!」


「良いの? じゃあ行きますか? エレクトリックサンダーちゃん! お先で〜す!」


「わたしのの席、確保しといてね?」


「了解!」


「機関長ちゃん! セブンフォーク……後、(なだ)めといてね?」


「徳川さんて言ってって、言ってるでしょ! 全く〜……何時も無茶だけやって、お任せなんだから〜! 私の分も何か、持ってきてよ!」


「分かった分かった! 持ってく!」


 ザッ……ザザァザッ!


「お〜っ……ヒヤッヒヤ〜!」


「マリバリンちゃん! ここ、どの辺りかな?」


「分かんないよ! みんな揃ってる? 拾露盤(そろばん)ちゃ〜ん!」


「いるよ!」


「マリンバちゃ〜ん!」


「ほほほ〜い!」


「小豆ちゃん!」


「はい! 大丈夫です!」


「遠吠えちゃん!」


「はいです!」


「雄叫びちゃん!」


「あいあいあい、いるよ」


「ザブ〜ンちゃん!」


「いますです!」


「ドンブラコちゃん!」


「……いないね?」


「ドンブラコちゃ〜ん!」


「何処か、流されたんじゃ無いの?」


「ザブ〜ンちゃん、(いっ)緒だったでしょ?」


「途中迄はね……ぐるぐるで見失ったな?」


「誰か! 見てないの!」


「お〜い……ここだよ〜!」


「あっ! いたいた! 早く登っておいでよ〜!」


「其れはこっちの台詞だよ〜! 早く降りといでよ〜!」


「嗚呼! 火の見櫓見たいの、あっちにあるよ?」


「えっ! マリンバちゃん何処!」


「彼処んとこ?」


「嗚呼、なる程! ドンブラコちゃんで正解だね! 降りるか!」


「ドンブラコちゃ〜ん! そっち行くから〜!」


「待ってるよ〜!」


 ザッザッ、ザッザッザッ……。


「降りて来たはいいけど……遠いね?」


「さあ! 行きましょう!」


「ドンブラコちゃんは、待ってたから良いけど……みんか彼処から、(いっ)気してきたんだからね!」


「でも……ガンバ〜るちゃんから、矢のような最速が、引っ切り無しにかかってくるんですけど?」


「あっ……本当だ! ちょっと御免!」


 ピポパッ!


「遅いよ〜! 何処〜っ!」


「此処からは、見えてるんだけどね? 乱気流に流されちゃってね……へへへっ……」


「マリバリンちゃ〜ん! (すっご)いんだよ! アメフラシって知ってる?」


「嗚呼……多分(ひと)つ目のホボナメゴンでしょ?」


「え〜っ! 知ってるの〜? ずる〜い!」


「知ってるも何も、(いっ)杯いるんだけど……ぬめぬめ……」


「オ〜ナ〜さんもお待ちだから、早く来てね〜! 待ってるから〜!」


 ぷちん!


「よ〜し……みんな〜登るよ!」


 うっす……。

 テクテクテクテク……。


天照(てんてら)ちゃん御免! もう少しかかるみたいです?」


「良いよ良いよ! 日の暮れまでに雨を降らせて貰えばね!」


「了解てす! でも、わたし達ち応援団何で……あくまでも応援するだけですからね?」


「分かってるわよ(くねくねくねくね)うふふふふふ……」


「ガンバ〜るちゃ〜ん! ガンバ〜るちゃ〜ん!」


「マリバリンちゃ〜ん! 御苦労様〜っ!」


「えっ? 拾露盤(そろばん)ちゃん?」


「ども!」


「ザブ〜ンちゃんに、ドンブラコちゃん?」


「ふ〜っ……きっついね〜!」


「小豆ちゃん?」


「あっ……始めまして、小豆モッチ〜です!」


「だよね! 嗚呼! マリンバちゃん!」


「フレフレ〜ちゃ〜ん! 来たよ〜!」


 ギュッギュッ!


「お〜心の友よ!」


「遠吠えちゃん! 雄叫びちゃん! 期待してるよ!」


「ガンバ〜るちゃん! わたし達ち、楽器無いけど、本当に良いんだね?」


「あったりまえじゃ〜ん! わたしだって、応援しか出来ないよ!」


「ならいいけど? 何時も、こんなに過酷なんだね? ガンバ〜るちゃん、凄いよ! 知らなかったよ!」


「みんな登って来たとこ悪いんだけど……集合してくれるかな?」


「へいへ〜い!」


 ぞろぞろ、ぞろぞろ……。


天照(てんてら)ちゃん! ガンバ〜る応援団! 集合致しました!」


「ようこそいらっしゃいました! 天照照照(てんてらてらてら)の里へ! わたしに雨の恵を下さいましな〜!」


「ちょっとちょっと、フレフレ〜ちゃん?」


「何、マリンバちゃん?」


天照(てんてら)ちゃん! 何言ってんの、訳分かんないんだけど?」


「今回は、アメフラシを気持ちよくさせて、雨を降らせる応援だからね!」


「何? アメフラシって?」


「アレだよ?」


「嗚呼! 来る時いた奴じゃん! (ひと)つ目のホボナメゴンじゃ無いの? アレ?」


「正真正銘のアメフラシたよ!」


「意味分かんないけど、ガンバ〜るちゃんだしね? 分かったよ!」


「みんな〜! 特別報酬出してくれるってさ!」


「いつの間にか、話し進んでるし?」


「日の暮れ迄に、雨降らせるよ〜!」


「応援だよね?」


「そんなの、あったり前田のじゃんじゃ〜んじゃん! わたし達ち、応援団だよ!」


「だって! 雨降らせるって?」


「日が暮れると、アメフラシが、活動停止しちゃうそうだから! 急いで、準備、準備して〜!」


「マジで言ってんの? 結構陽が傾いてるけど? みんな、其々の調整に入って! カリンバちゃ〜ん……代わりに来たけど、大変だよ〜……カリンバちゃんに教った指ピアノ、頑張るからね〜! 祈っててくれてると思うけど……ふ〜っ……やりますか!」


 文句を言いながらも、其々の準備が整いました。


「ふ〜っ……よ〜し! みんな、いっくよ〜! アメフラシさん達ち、始めまして! ガンバ〜る応援団です! 雨を降らせて下さいね! ペコリ! みんな〜雨乞いのイメ〜ジ出来てるか〜い!」


「いえ〜い!」


「遠吠えちゃん! スタ〜トお願いします!」


「えっ……わたしから! は〜〜〜〜っ……うおぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」


「次、拾露盤(そろばん)ちゃ〜ん!」


「無茶振りだよ! うおぉ〜の後だよ?」


 パチッ パチッ パチッ

 パチッパチッパチッ パチッ!


「マリバリンちゃん! 曲決まったぁ〜!」


「オッケ〜イ!」


 ピャ〜ン ピャンピャン!

 ピャ〜ン ピャン!

 ピャ〜ン ピャンピャン!

 ピャ〜ン ピャン!


「ウオォ〜……」


 ポ〜ン ポンポン

 ポ〜ン ポン!

 ポ〜ン ポンポン

 ポ〜ン ポン!


 ポン!


「ウオォ〜……」


 ポン!


「気合だぁ〜!」


 ポン!


 「ウオォ〜……」


 ポン!


「気合だぁ〜!」


 ポン!


「ザブンサブ〜ン!」


 ポン!


「ドンブラドンブラ ドンブラコッコ〜!」


 ポンポン ポンポン

 ポンポン ポ〜ン


「ガンバ〜れ! ガンバ〜れ!」

「フレッフレ フレ〜」

「フレッフレ フレ〜」


「みんなでいくよ〜! そ〜れ!」

「雨雨雨! 雨〜!」


 ピャ〜ン ピャンピャン

 ピャ〜ン ピャン!

 ピャ〜ン ピャンピャン

 ピャ〜ン ピャン!


 ピャン!


「ウオォ〜……」


 ピャン!


「ウオォ〜……」


 ピャンピャン ピャンピャン

 ピャン!

 ピャンピャン ピャンピャン

 ポンポ ポンポンポ ポン

 ポン ポン

 ピャンピャン ピャンピャ

 ピャンピャ〜ン

 ピャン! ピャ〜ン

 ポポポ ポンポポ ポ〜ン

 ピャン! ピャ〜ン

 ポポポ ポンポポ ポ〜ン

「ガンバ〜れ! ガンバ〜れ!」

 ポ〜ン ポ〜ン

 ピャンピャン ピャ〜ン

「ザザザザ ザブ〜ン」

 ザザ〜ン ザザザザ ザ〜

 ザザ〜ン ザザザザ ザザ〜

 ザザザザザザ ザザ〜ン


「ドンブラコ ドンブラコ」


「ザザザザ〜 ザブ〜ン! ザブ〜ン!」


「ウオォ〜……」


「ガンバ〜れ! ガンバ〜れ!」


「気合だ〜! 気合だ〜! 気合だ〜!」


「フレ〜! フレ〜! あ〜め!」


「フレ〜! フレ〜! あ〜め!」


「フレッフレ! あ〜め!」


「フレッフレ! あ〜め!」


 ピャ〜ン ポンポン

 ピャ〜ン ポン

 ピャ〜ン ポンポン

 ピャ〜ン ポン

 ピャン! ポン!

 ピャン! ポン!

 ピャンピャン ピャンピャン

 ピャンピャン ピャ〜ン

 ポンポンポンポン

 ポンポン ポ〜ン!


「はい!」


 パン! パン! パン!


「は〜い! 此処までよ! 見て! アメフラシ達ちを……日の暮れですよ〜! (くねくねくねくね)おしまいですよ〜!」


「あっ……(へら)べったくなってる?」


「また明日、陽が昇ったらお願いね!」


「わたしと、フレフレ〜ちゃんは大丈夫だけど? みんな、いけるかな?」


 無理無理無理と、首を振るみんな……。


「だよね? 日が暮れる迄の、約束だもんね! でも、は〜い! 残ってもいいよ〜の、受け付けだよ〜!」


「無理だよ! 粘っても、ガンバ〜るちゃん! タイムちゃん呼んでよ!」


「だよね! 分かったよ! ピポパッのパッ!」


「あ〜ら……タイムちゃん来てるんだ? ふ〜ん……あのお魚さん、あれね? 降りてくれば、良いのにね? (くねくねくねくね)」


「ゾクッ……今(いっ)瞬悪寒が走ったけど……? 見つかっちゃったかな?」


 ピピピッ……ピピピッ……。


「ガンバ〜るちゃんか? タイミング良いね? エレクトリックサンダーちゃん! 何時でも出れる様にしといて!」


「了解です! タイム提灯鮟鱇(ちょうちんあんこう)、降ろしますか?」


「そうだね! 降下させて良いよ!」


「お元気〜、ガンバ〜るちゃん! 準備出来てるよ!」


「あっ……タイムちゃん、御迎え御迎えします!」


「了解したよ! タイム提灯鮟鱇(ちょうちんあんこう)降ろしたから、待っててね! プチッ!」


「艦長何時でも出れます!」


「タイムコ〜ド参零! タイム提灯鮟鱇(ちょうちんあんこう)回収と共に、タイム空間へジャンプ!」


「えっ……通常運航しないんですか? まだ、不安定なままですけど……この艦?」


「見つかっちゃた、みたいだからね! 取り敢えず、タイム空間で交わしとこうよ!」


天照(てんてら)ちゃん、未知数ですからね?」


「そう言う事……後(みっ)つくらいジャンプしといて任せるから? 久しぶりに、月の裏に帰ろうよ!」


「そうですね……長く……タイムハウス、帰ってませんね? お掃除しないとですね!」


「タイム提灯鮟鱇(ちょうちんあんこう)降ろしてくれるってさ!」


「ガンバ〜るちゃんは、残ってくれるでしょ? (くねくねくねくね)」


「勿論です! 作戦完了迄、やり遂げるであります! フレフレ〜ちゃんもだよ!」


「分かってるって!」


「あれ〜……タイム提灯鮟鱇(ちょうちんあんこう)、ドンブラコちゃんが降りた処に着地したよ?」


「(何故だろう? タイムちゃん、安全マ〜ジン取ってるな?)仕方無いね……みんな降りるよ〜!」


「じゃあまた! ガンバ〜るちゃん! 連絡頂戴ね!」


「有り難うみんな〜! ペコリ!」


「またのお越しを、お待ちしております! ペコリペコリ(くねくねくねくね)」


「じゃ〜ね〜!」


 トントントン、タッタッタッ……。


「あ〜あ……行っちゃたね! どうするの、ガンバ〜るちゃん? 弐匹でやるのかな?」


「う〜ん……考え中だよ?」


「だよね!」


「あっ! 駄目元で、タルタルちゃん聞いてみるね? テンテンテンッと!」


「何? 忙しいんだけど? 雄叫びちゃんと、遠吠えちゃん、揃ってお店休んでるんだけど! ガンバ〜るちゃん、絡んでるよね! 絶対! どうせトラブルでしょっ? お断りします! 来週ロゼの巣窟だよ! 忘れないでね! プチッ!」


「聞こえた! だってさ?」


「だよね……」


「は〜い、闇の外張(とばり)が降りますよ〜っ! お家にはいりましょうね! お話しはそこで、致して下さいね!」


「ガンバ〜るちゃん! わたしのホ〜ムも、紹介したいしさ行こ!」


「そうだったね! フレフレ〜ちゃんの、新しいホ〜ム此処に移したんだよね!」


「ホクホク真ん丸男爵の、茶斑毛(ちゃまだらげ)モウモウサン御乳と、発酵チ〜ズ煮込み御馳走するわよ! ホクホク温まるわよ〜!」


「良かったね! ガンバ〜るちゃん! めっちゃ美味しいよ! 目ン玉飛び出ちゃうもん!」


「本当に〜! 有り難う御座います! 御相伴に預かりま〜す! ペコリ!」


「ペコリペコリ! (くねくねくねくね)(いっ)杯食べてね!」


「は〜い!」


「では、マイハウス! 地下の照照御殿(てるてるごてん)へ、御案内致しましょう! 日が暮れると、ここ寒いから!」

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