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サネソワノエカ

掲載日:2021/07/13

とあるまちはずれに

とある少年(しょうねん)がいました。

少年のなまえは、ユキト。


ユキトは

ともだちとあそぶことは

大好(だいす)きだったのですが、ちかごろは、アプリやゲームばかりでしたし、おにごっこやかくれんぼは、もう、やりつくしてしまい、ほかに、たのしいことはないかと、さがすような、毎日(まいにち)でした。


そんな、とある月明(つきあ)かりがきれいな、よるの()、ユキトはねむるまえに、とどくか、とどかないか分かりませんでしたが、かみさまに、こころをあつくして、()ったのでした。


「かみさま、かみさま、あしたは、たのしいとくべつな1(いちにち)になりますように」


そうして、まもなくするとあったかい布団(ふとん)のなかで、ユキトはねむってしまいました。


ねむっていると、はじめは、くやらみにいることにきづきました。しだいに、くらやみのなかから、トンネルをぬけるように、とおくから、ひかりがさしてきました。さらにあるいていき、くらやみのトンネルをぬけると、少年の()にはうつくしいそうげんが()えました。


たのしくなってきて、ユキトはそうげんで、はしったり、とんだり、はねたりしました。


本当(ほんとう)にきれいだな、うわっ、からだもなんだかかるいやあ」


まわりをみわたしてみると、ペガサスや天使(てんし)(つばさ)のはえたライオンなどもいるのが分かりました。ユキトは、だんだんふしぎになって、1人つぶやきました。


「そういえば、ここはどこだろう」


そして

ユキトは1人の天使にきいてみました。


「てんしさん、てんしさん。ここはどこですか?」


てんしは、ちゅうでくるりと1回転(かいてん)してから、言いました。


「ここはゆめのくに、ゆめのくにだよ。」


ユキトは、ハッとしました。そうか、ぼくは(ゆめ)のなかにいるんだ、と。


それからユキトは(つばさ)のはえたライオンにきいてみました。


「なにか、おもしろいことはない?」


ライオンはあくびを1(いちど)してから、言いました。


「ああ、ひがしのもりのなかにある、どうくつに()くと、きっと、たのしいことがまっているよ」


ユキトは、ライオンに()かって、(こえ)たかだかと言いました。


「ありがとう、ライオンさん。ぼくいってみるよ」


ライオンがはじめは、はずかしそうに、かおをかいてから、やがて背中(せなか)をだして言いました。


「じゃあ、ぼくの背中に()っていいよ。どうくつまで案内(あんない)するよ」


ユキトは、ますます(たの)しい気持(きも)ちになって、つばさのはえたライオンの背に乗りました。


ライオンは声を(おお)きくして言いました。


「いくよ。しっかりつかまってて」


すると、ライオンはゆめのくにを、とりのように、りゅうのように、てんしのように、きらきらと、とびはじめました。


「わあ~~、ほんとにすごいや!」


ユキトはこうふんして、さけびました。とちゅうで、クリスタルのお(しろ)やにじいろのすべりだいなど、いろんな楽しそうで、すてきな場所(ばしょ)をとおりすぎていきましたが、ユキトは(もり)のどうくつに、行きたくて、しかたがありませんでした。


そうして、ようやく、森のどうくつが見えてきました。森は7色にかがやいている、ふしぎな森でした。森のうえをすこし、とんでいったあと、ライオンがぐるりぐるりとしだいに、おりていきました。それから、ていねいにユキトを背中から、おろして言いました。


「ぼくの出番(でばん)はここまで。ユキトなら、きっと、見つけられるはずだよ」


そう言って、また、ライオンは森の木々(きぎ)をかわしながら、空にでて、とびたっていきました。


どうくつは、ほうせきのように、色んな色でかがやいておりました。


「さあ、いってみよう!ここにはぼくがさがしているものがあるんだ!」


ユキトは、こころをおどらせて、どうくつのなかに入っていきました。


どうくつのなかに(はい)っていくと、くらやみがつづきました。まるで、さいしょのくらやみのトンネルのようでした。ユキトは、すこしだけ、こわくなってしまいましたが、ユキトは(おも)いました。


「あのライオンさんがウソをつくわけない!ぼくにも、わかる、ここにはだいじなものが、かくされているんだ!」


ユキトは、みちのくらやみのなかを、ずんずん、ずんずんとあるいていきました。しばらく、ずんずんとあるいていくと、おや、ほたるのようなひかりがみえました。ユキトは、そのひかりにむかって、はしっていきました。そうして、そのひかりに手をのばし、てのひらで、たいせつに、そのひかりをのせました。はじめは、かがやいていて、目があけられないほどでしたが、だんだん、なれてきました。ようやく、しょうたいがわかったのでした。そのしょうたいは、ひかりかがやく(いし)でした。その石には


「サネソワノエカ」

と、カタカナでかかれておりました。


ユキトは、そのコトバを目でおうようにとなえてみました。すると、コトバがふしぎなひかりをはなちました。2かい、3かいと、となえていくと、なおいっそうに、ひかりかがやきました。こうして、ユキトがこころのそこからとなえたときに、石はたいようのようにかがやいてから、かたちをかえて、うつくしい(とり)にかわりました。


そうして(うつく)しい鳥がいいました。


「ユキト、ふういんをといてくれて、ありがとう。ユキト、だいじなこたえは、いつでも、じぶんのおくふかくにあるんだよ。せんそうは、おくふかいじぶんをわすれているから、おきるんだ」


ユキトは、あまりの美しさに、感動(かんどう)して、なみだをながしておりました。なにも、言葉(ことば)がでませんでした。


美しい鳥がまたいいました。


()きものには、いのちにきざまれている名前(なまえ)があるんだ。その名前こそ、もっともかがやくちからだよ」


ユキトは、美しい鳥に言いました。


「ぼくにも、名前があるんだね」


美しい鳥が、ダイヤモンドのような(ひかり)をこぼし、げんそうてきに、一度(いちど)あたりをまわってから、言いました。


「そうだよ。ユキトにも、名前があるんだ。その名前は、ユキトをいっぱいしあわせにするよ。ユキト、いつでも、ともだちをだいじにして。ぼくはいつでもそばにいるから」


美しい鳥がそういい()えると、ユキトは夢から目をさましました。目からは、(なみだ)があふれていて、いつもの(しろ)天井(てんじょう)は、涙で、にじんでいました。


それからというもの

ユキトは

ふしぎなコトバのちからと

なまえのちから

ゆうじょうのちからを

いつもたいせつにするようになりました。

そうして、ユキトは

たのしいとくべつな日々(ひび)を

すごすようになりました。

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