天泣
それは天の涙
雲が無いのに降る雨
天は何を嘆いたのだろう
何を悲しんだのだろう
何を哀れんだのだろう
それは天の涙
子どもたちは空を指さして言う
「お空が悲しくて泣いているんだよ」
「神様が泣いているんだよ、きっと」
「地球の涙かもしれないよ」
大人たちは空を見上げて言う
「傘持っていないんだよな」
「ツイてない」
「濡れちゃうじゃない」
もしかしたらその「差」に悲しくて
天は雨を降らしたのかもしれない
純粋さを失った大人たちに嘆いているのかもしれない
わたしは、天使の涙だったらいいな、と思っている
天泣
天が泣く
天の涙
雲がないのに降る雨は
地球が人に投げかけた疑問の結果なのかもしれない