二話 気持ちを見る夢
夢を見た。
近所の公園。
ブランコに滑り台、高さの違う鉄棒が三個。
大人となった今では簡単に飛び越えられてしまいそうな大きさの砂場。
子供の頃、毎日のように友達と遊んだ公園。
ベンチに腰掛け、空を見る。
暖かい日差しに心地よさを覚える。
「ねぇー」
声を掛けられ、正面を見る。
「遊ぼうよー」
少し離れた位置から見知らぬ少女は誘いの言葉を一つ。
「一人で遊べー」
手を二、三回振りながら返事をする。
少女は俺の言葉を聞き、不満そうに駆け寄ってきた。
「水色! そのままだと寝ちゃうから遊ぼうよ!」
俺の方を見ているが、どこか違うところを見つめる目。
……目が、見えた。
顔は……ダメだ。見えない。
「また見たのか? お前には嘘を付けないからな」
見た? 俺は何を言ってるんだ?
少女が何を見たと言うんだ。
「ほら! 私はこんなに真っ赤だよ!」
少女は怒ったように右手を前に突き出した。
「俺には見えない」
また口が勝手に動いた。
意としない言葉が紡がれる。
「むー……」
「全く、共感覚と……か。え……共感覚?」
胸の動悸が抑えられない。
夢から覚める。
またか。
ダメだ……今日こそ聞かないと!
お前は誰だ!
「君にも見えるよ」
その台詞を聞き、少女の顔がハッキリと目に焼き付いた。
この子は……昔、近所に住んでいた子。
幼馴染だ。
名前は……。
何で、何でだ!
思い出せ!
記憶を辿り、少女の存在を明確にしようとする。
その刹那。
少女を青が包んだ。
否。
少女の周りに青を見たのだ。
「君だって気持ちを見れるから」
少女の瞳から涙が零れた。
酷く悲しい顔と、感情を見る。
「と――」
意識が途絶えた。
いつもの部屋で目を覚ました。
青の景色が忘れられず、周りを見渡すが何の変化もない。
何で今更夢に出てきたんだ。
こんにちは、下野枯葉です。
情勢が酷いですね。
そんな中でも夢はいつもと変わりません。
そう、一切変わらないんです。
だから描きます。
少女の正体、のんびり書いていきます。
では、今回はこの辺で。
最後に、
金髪幼女は最強です。