一話 本来存在しない夢
夢を見た。
一般男性である俺。
ぼやけた視界。
きっとこれは夢だろう。
五年前に取り壊された実家に俺はいる。
しかし、違和感がない。
「行ってきます」
どうやら俺は外出をするらしい。
玄関に置いてあった車のカギを手に取り、玄関を開ける。
「あ、私も行きます」
知らない女の子が駆け寄ってきた。
「あぁ、用意は?」
「今してきます!」
「じゃあ先に車温めておくね」
「はいっ」
何故か快く受け入れてしまった。
玄関を開けると、雲一つない空があった。
呆然と空を見つめる。
(あぁ、仕事あったはず? あれ? いや、うん。いいんだ)
曖昧な思考。
俺は案外真面目な方なので仕事をサボったりはしないはずだ。
やはり、何かおかしい。
「準備できました!」
背後からの声を認め、振り返る。
少女の背丈はとても小さく、長い黒髪をゆったりと一つ結びにしている。
顔は……顔…………は。
見えない。
「君は」
日差しが一層強く感じられ、不快感が身を包む中ゆっくり声を出す。
「覚えてる?」
息苦しい。
夢から覚める。
その前に、その前に……。
俺は見なければならない。
……暑い。
……苦しい。
見え……ない。
「ごめんね」
泣きながら少女は笑った。
「と――」
声を出そうとして意識が途絶える。
いつもの部屋で俺は目を覚ました。
寝汗が酷い。
夢なんて久しいな。
こんにちは、
下野枯葉です。
『夢』というありきたりな物語を書こうと思います。
今までは沢山書いて投稿。という形が多かったのですが……。
ちょっと変えていこうかなと思っています。
まぁ、ゆっくり書きますね!
では、今回はこの辺で。
最後に、
金髪幼女は最強です。
↑これはいつもの挨拶なので気にせずに。