表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/135

五九話 本気の戦い

 魔剣をロイの目の前に置いた。


「二本? 両方ともお前のか?」

「二本とも僕の物です」


 召喚したのは渾沌魔剣ボールトだが秩序魔剣ポネストも俺の大切な剣だ。


「スキル発動【魔剣召喚】。これが俺の魔剣だ」


 何もない空間から剣が出てきた。

 燃えるような赤色の刀身だ。


 俺の魔剣とは違って西洋風の直剣の形をしている。


「戦ってみたくないか?」

「ええ、勿論」


 他人の魔剣と打ち合える事は滅多にないだろう。

 そもそも、剣聖しか召喚できない時点で今知っている奴で戦えるのはロイだけだ。


「外に出るぞ」

「はい」


 こっそりレベルワンを腕に巻いておく。

 レベル二百オーバーだと手加減をしないといけなくなるからな。


 庭に着くと何人かの使用人とシュウとシーが見物に来ていた。

 いや、シュウの目は見るだけではなく戦いたい気持ちがひしひしと伝わってくる。


「レベルワンを巻けば対等だな」

「そうですね」


 ロイもレベルワンを着けた。


 俺は腕をクロスさせ二本を抜き構える。

 お互い剣を持った。


「行くぞ!」

「はい」


 開始を宣言してくれる審判がいないため声を掛け合ってから始めた。

 

 ロイが俺に向かって走ってくる。

 別に今回は()()()戦う気はない。 


 魔剣同士で打ち合ってどんなことが起きるか実験する事と他の魔剣の強さを確認する事が今回の目的だ。


 左から剣が振るわれるのを見て、渾沌魔剣ボールトで防ぐ。

 当たる瞬間。ロイの顔が変わった。


「燃えろ。能力発動!」

「何ですか? それ」


 かっこいい言葉? 痛い言葉を発したのにも関わらず何も起きない。

 ボールトの能力。衝撃波が発動し金属音と共にロイが吹っ飛んでいく。


 空中で一回転をして地面に着地した。


「……何をした?」

「さあ? なんでしょうね」


 問い詰められたが、答える気はない。

 【嫉妬ジェラシー】の力で燃える何かを封じた。


 こうしてみると俺の魔剣は本当にぶっ壊れ性能だな。


 この後、何回か打ち合いそのたびにロイが何かを言っていたが、何も起こらなかった。


「無効系の能力か」

「ご名答です」


 やっと正解にたどり着いたみたいだ。


「なら。スキルを使って攻めれば」


 残念。秩序魔剣ポネストの能力を使い俺のすべてのスキルを封じ、ロイのスキルも封じた。


「スキル発動【高速移動】!」


 スキルの宣言をしたが、何も起こらない。

 現在俺のスキルは十六個ある。それ以上の数のスキルを持っていれば一部のスキルを使える。


「スキルまでも無効化するか」

「今度はこっちから行きます」


 優しくボールトを振る。

 ここからなら大体、六メートルで足りるな。


 ロイは何かを感じ取ったみたいだな。

 俺の攻撃を魔剣で防御するも森の方に飛んでいく。


 斬撃を飛ばした。

 【龍纏ドラゴンオーラ】を使わないで放ったお陰で大した威力にはなっていない。


 しかし、威力を見誤っていた。

 家の近くにあった木が倒れ、切り株になっている。


『やり過ぎた』

『大丈夫。大丈夫。創造すればすぐ戻るよ』

『もし……失敗しても……消滅がある……よ』

『逃げる時は頼って下さい』


 心の中で喋り気味に考えたら、回答が返って来た。

 そうだな。今日は楽観視してもいいだろう。


 見学者の驚きの表情を見ながら、ロイを戻ってくるのを待った。

 ?。森に火柱が立った。


 火は雲を突き抜けるほど大きくなった。

 まさか、あれが魔剣の能力か?


 構えた瞬間。火の柱が消えた。いや、圧縮されている。

 集まった先には髪を逆立たせ剣を投げるフォームのロイの姿があった。


 魔剣が途轍もない速さで放たれた。

 剣の近くにあった岩が溶けている。なんつう温度だ。


 ポネストを鞘に納めスキルの封印を解き、ボールトを地面に刺す。

 そして、大剣化を使い、剣の腹に背中を当て踏ん張る。


 衝撃と熱が俺の体を責める。

 とにかく耐える。諦めると後ろにいる見物人や家に被害がいく。


 燃えた先から【超再生】で治る。

 徐々に熱が下がった。


 立ち上がりボールトを鞘に戻す。

 森の方を見ると溶けた土や岩が悲惨さを物語っていた。


 《土操作》を使い整地をしながら、倒れているロイの元へ歩いた。

 服は勿論、二つになったレベルワンまで溶けている。


 炎の柱を出したあの攻撃の前には外れていたみたいだな。

 俺はレベルが一の状態で現剣聖の制限なしの本気の一撃を耐えたことになる。


 流石に無傷に抑えられなかったが、既に圧倒的な()()()があることが分かった。


 【アイテムボックス】から布を取り出し被せる。


『クウ。ロイの部屋まで転移を頼む』

『わかりました』


 ロイをベットに寝かせ、庭に戻った。


「兄さん! 大丈夫?」

「リュウにい。怪我は無いですか?」


 シュウとシーが駆け寄って来た。

 耐えている時、火だるまになってたのに無傷。俺もぶっ壊れ性能になってきたな。


「大丈夫だ」

「「良かった(です)」」


 いい感じに被ったな。

 それにしても今世はいい弟と妹を持ったな。


 前世は妹がいたが、あいつはやけに俺の部屋に入っていたずらをする変な奴だった。

 一定の距離も兄妹には大切だと思う。


「お父様は何処に?」

「部屋で寝ているよ。最後の攻撃で疲れたみたいでさ」


 大まかに伝えた。


「凄かったですよね。かなり離れていても熱かったです」

「そうだな。スキルが無いと危なかった」

「兄さんいつスキルを宣言したの?」

「勝手に発動する特殊なタイプだ。シュウもその時になったら分かる」


 特殊も何も普通は宣言なんて必要ないんだがな。

 ダンジョンコアから入手した物以外は。


「知ってます。【剣術】とかのスキルですよね」

「シーは賢いな」


 銀色の頭を撫でる。

 さらさらしていて触っていて気持ちがいい。


「ありがとうございます」

「俺も疲れたから寝てくる。そろそろ、日が暮れるから二人も早く寝ろよ」

「分かりました」


 歩いて家の中に入ろうとした瞬間。シュウの声が聞こえてきた。


「絶対に兄さんに勝つぞー!」


 男の叫びだな。


『我を超えて見せろ』


 今の俺は神を除けば世界最強と言ってもいいだろう。

 しかし、目標にされない最強はただ強いだけでつまらない。


 目標にされたからにはもっと高い次元になって超えた時に達成感を与えられるようにしてやる。


『痛いねー。まるで魔王みたいになってるよ』

『その……あの……かっこいい……よ』

『……』


 少しかっこいい言葉を心の中で言ったら、突っ込まれた。

 もし、黒歴史にならない隠れ中二病になっても、傷を残してしまうのか?


 追い出したくても相手が相手だ。俺じゃあ手も足も出ない。


 ――――――


 長い廊下を歩いている時にある事に気付いた。


 体が燃えたにも関わらず服が灰になっていない。

 しかも、血の汚れが無くなり逆に新品みたいだ。


 あの時に特に魔法を使った記憶はない。


『私が服を燃えた先から創ったよ』

『リュウの……血を食べ……いや……消滅させた……ダメ……だった?』


 創造と消滅。あの一瞬で想像を絶することが起きていたらしい。

 少し、納得いかないことがある。


『俺にも創造の力や消滅の力って使えるのか?』


 これ以上二人にやらせてしまうと俺の力ではなくただの()()()になる。

 他者の力を使って努力をしている人を無視して強くなる。それは()()ではない。


 もし、習得できないなら、二人には悪いが今後能力を一切使わないで欲しい。


『リュウなら使えるよ。そもそも、私たちがやっているのはリュウの元々持つ力を誘導しているだけ』

『使い方が……分かるとリュウにも……扱える……よ』


 俺の元々持っている力? 

 肉体の才能ならチートではないが、神から与えられし力なら使う気になれない。


『その元からある力って誰から貰えるんだ?』


 二人に回答を求めた。


『誰からって言われると困るなー。ただ、一つ言えることがあればその力はリュウ個人の能力だよ』

『役に立てなくて……ごめんなさい』

『いや、十分助かった』


 よく分からないが、とりあえず俺の力だと認識してもいいな。

 話しながら歩いているとすぐに部屋に着いた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ