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五一話 勇者召喚計画

 アルレとユミナと共に俺の部屋にいる。


 会話が無いまま時間が過ぎていく。


 原因を探す。……そうか。俺は二人を知っているが、二人はお互いを知らないんだ。

 知らない奴にいきなり話かけるのは難しい。


「さて、改めて自己紹介をしようか。僕はリュウこの家の息子で人間です」

「私はユミナというものです。リュウ様の専属メイドです」

「私はアルレ。リュウ君の専属護衛で見ての通り魔族だよ」


 さて、これで何か会話をするようになるか?


「……」


 俺の淡い期待を一切無視して何も喋っていない。

 窓から外を見る。


「もう。夜なんだ」


 この部屋に来た時は少し太陽が出ていたはずなのに完全に沈み切ったみたいだ。


「リュウ様。もう睡眠をとられた方が」

「そうだね。僕はもう寝る事にするよ」


 柔らかいベットのに身を預ける。


 会話すらない状況をずっと味わうよりはさっさと寝たほうがいい。


「ユミナさん。あなたは何処で寝るんですか?」

「私はいつも与えられた部屋で寝てますけど。どうかしましたか?」

「じゃあ。私はここで寝るので」

「!?。あなた! まさか」


 俺の布団の中に何か入って来た。


「護衛任務を果たすためには仕方がない事ですから、ユミナさんはご心配なく寝てどうぞ」


 不思議だな。

 美少女と思う子に添い寝をされているのに全然、()()()()()()()


「分かりました。アルレさんくれぐれも余計な事はしないで下さいね」

「分かってますよー」


 ユミナが部屋から出ていく。


「やっと()()()が居なくなったね」

「なんのことですか?」


 アルレに包み込むように抱きつかれた。


「君さー。五番隊について何か知っているでしょ」

「――ああ。勿論」


 今の俺は五番隊の軍服を貰い採寸を合わせて着ている。

 気づかれていた要因は分かっている。


「やっぱりね。君から感じるオーラ? がラマ隊長の隣にいた謎の子供に似ているよ」

「そうですかね?」


 オーラは何かは分からないが、雰囲気的な何かだろう。


「君があの子だと確信して言うけど、そうじゃなかったら、これは一人の魔族の独り言として聞いてね」

「分かりました」


 別に正体を知られても困る事はない。


「私は孤児。君みたいに親が居なかったんだ。物心がついたころには孤児院にいてね。……」


 三十分の間アルレの人生を語られた。


 孤児院で育ったアルレは異常に強いせいで集団に()()()と言われいじめられていたそうだ。

 そこを通りかかったラマに拾われたて、五番隊に入隊したらしい。


 大体こんな感じだ。


「先日、竜人が魔王城を襲撃したんだ。あそこの警備はエリートだけしか居なくて、お偉いさんがかなり怒って報復活動をしようとしたんだよ。でも、圧倒的な力の差から、ラマ隊長を捨てゴマとして使った」


 だんだん眠くなってきた。

 話がつまらないのではなく。純粋な睡眠欲求だ。


 重い瞼を頑張って開けていると。収集ネズミ(スパイモルモット)が三体ほど帰って来た。

 仕事が早いな。


 目を瞑り、ゴーレムから見た情報をリンクする。


 一匹目が見た情報は軍事機密書だ。


 拍子に赤丸で機密と書いてある。

 何処にいつ侵略するかが記載してあった。


 アーツ王国の欄には『剣聖を刺激しない様に攻める』とある。

 帝国はゴブリンの件では白だな。


 二匹目の情報を見る。


 太った男が嫌がる女性をベットに投げつけて。


「やめておこう」


 目を開ける。

 別に他国の奴が誰に何をしようとどうでもいい。


 すでに俺は勇者ではない。


 目を再び閉じ、三匹目の情報を感じる。


 表紙が超最上級機密。しかも、特定の物を持っていない状態で開いた人間に殺す呪いが掛かっている。

 残念ながら、ゴーレム相手にはその呪いは効いていないみたいだ。


 これは面白い事が書いてある。

 ――勇者召喚。


 魔法陣の模写や必要素材が表示されていた。

 別にそこまではどうでも良かった。しかし、次のページを見た瞬間、怒りを覚えた。


 ()()()()()()()()()()


「ふざけるな!」

「!?」


 ベットを立ち上がり、叫ぶ。


 この世界に奴隷制度があるのは全然いい。世界が違うからだ。

 しかし、平和な世界から連れて来て、すぐに奴隷にするのは許せない。


「ありがとう」


 アルレが俺に礼を言ってくる。

 もしかして、会話が繋がってしまったか?


「私、死ぬなんてもう考えないよ」

「……」


 ゆっくり、ベットに寝っ転がる。

 どうしよう。つい興奮して、何がどうなっているか分からない。


 寝るか。


 明日の自分に丸投げた。


 ――――――


 朝の日差しで目が覚める。

 何故か、小鳥のさえずりが聞こえる。


 健全な朝チュンって言った所か。


 『クウ。起きているか?』

 『はい』

 『とりあえず、竜人の里の家まで頼む』


 隣に寝ているアルレの事を完全に無視して、竜人の里へ向かった。


 空き家のドアを開けるとドクが待っていた。


「おはよう。ドク」

「一瞬でこれる精霊。便利だね」

「そうだろ」


 ドクの手を掴む。


 瞬き一回で到着。オリジナルグラウンド。


「師匠。今日は何をするんですか?」

「そうだな。軽く五周走って、体伸ばしたら終了だ」


 このトラックは一周四百メートル。五周で二キロになる。


 準備体操をしてから、走り始めた。


「五分二十秒。まずまずだな」


 中学生時代の朝練を思い出す。

 あの頃は平和だったな。


「しかし、運動した気分にならないな」

「リュウはレベルが。はあはあ。違うから」


 息を切らしながら俺に伝えてきた。

 そうか。俺のレベルは五十二。身体能力が違った。


「鉄棒行くか」

「うん」


 ただ伸ばすだけを繰り返す。

 一件単純に見えるが、身長を伸ばすのに効果のあるストレッチだと()()()()()


「よし、帰るか」

「うん」


 ドクを竜人の里に送る。


「また。明日!」

「ああ」


 レイ(賢者)が住んでいる小屋に移動し、ノックをする。


「リュウ。おはようなのじゃ」

「おはよう。レベルワンくれないか?」


 この賢者は俺の性格をよく知っている。

 質問を答えるのが面倒臭い事ぐらいすぐに察する。


「ほい。それだけなの?」


 急に口調を変えて、かわいい子アピールをしてきた。

 どうした。流石にロリババ――心の中でも思ってはいけないな。


「これだけだ」

「分かったのじゃ」


 レイが顔を下げた後に俺に抱きついてきた。


 最近抱きしめられてばっかりだな。

 七歳児の体は手頃なのだろうか? 正直、抱きしめられるより抱きしめる方が好きだ。


 とりあえず、抱き枕が欲しいな。


「はあ。これで後百年は生きられそうじゃ」

「そ、そうなのか」


 年寄りの言っている事は少し理解に苦しむ。


 クウに頼み、部屋のベッドに転移した。



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