三三話 劣等なる毒 後編
遅れてすいません。
「魔物が消えてる。折角倒したのに」
ドクが落胆した。表情が昨日の様に変わっている。とりあえず、機嫌は直ったと考えていいだろう。しかし、このままのんびりは出来ない。
毒の発生源が無くなったとは言え、俺の体を毒が蝕んでいる。
流石に毒による倦怠感のせいで、立つのが厳しくなって来た。さっさと座りたい気分だ。
ここで、毒を抜く魔法を使ってもいいが、ちょっと試したいことが出来た。
「ドク。僕の体に入っている毒どうにか出来ないかな? そろそろ、厳しい状況なんだけど」
「あ、ごめん。ちょっと待ってね」
俺の手を掴んで来た。
「うーん。……よし。見つけた」
体中にある怠さがドクと触れ合っている場所に移動して、楽になっていった。
完全に怠さが無くなった所でドクが手を離した。
「どうやったの? 楽になったけど」
「毒を私の所に行く様に誘導して、食べた」
「食べた?」
仕組みは全く持って分からないが、毒を食べたらしい。
「うん。食べたよ。そんなに驚くことかな」
「ああ、勿論、驚くさ。とても、いい能力じゃないか」
解毒の方法は何種類か方法がある。
解毒薬を使う方法。毒の種類によって効果がなかったり、荷物になったりするので、この世界で俺は一回も見ていない。
次に魔法によって毒を体から出す方法もある。しかし、この方法にもデメリットがある。とても、難易度が高いこと、他人に使いにくい等がある。
他にも方法はあるが、どちらにせよ弱点が多い。
しかし、ドクを食べるとなると、かなり便利だ。
「戦場ではいないと困る存在になれるよ」
「せ、戦場? 話が読めないけれど」
「あ、ごめん。話が飛躍しすぎたね。解毒っていうのはね……」
便利さを教えてあげた。所々、首を傾げちゃっているので、理解はしきれていない。七歳児に対して、する話ではないな、と話しながら、分かった。
「分かったかな」
「ほとんど、分からなったけど。大まかには分かったよ。それにしても、リュウはなんで、戦場について、詳しいの? 最近は目立った戦争はどこの国もやっていないらしいけど」
逆に質問をされた。ちょっと興奮して、喋りすぎた。
「俺、元は勇者だったんだ」と言っても信じられない。……ことは無いな。既に勇者でも説明できる程の力を見せてしまっている
「いざ、というときに調べているんだ。ほら、魔王が誕生するとか、噂が流れているよね。そのためなんだ」
「そうなんだ。なら、リュウも異界の勇者様と魔王を倒しに行きたいんだね」
話が逸れたので良かった。しかし、リュウもの所が気になった。
「もしかして、ドクは異界の勇者と戦いたいのか?」
「当たり前でしょう。ほとんどの竜人の夢だよ。私は五百年前みたいに最強で賢くてしかも面白い。そんな、勇者様と旅をしたいな」
「命の危険があるのに行きたいのか?」
「勇者様と行けるならね」
こんな少女が自ら望んで死地へ飛び込みたいなんて、理解しずらいが、種族と世界の違いがあるのだろう。否定はしてはいけない。
それより、聞きたいことを聞けそうなので、聞いてみよう。
「あんな、状態になったのは、レベルを上げれないことから出た、焦りによるものだったのかな」
「多分、そうだね。あれは本当にごめん」
「いや、そのことはもういいんだ。なんで、多分なんだい」
「それはスキルのせいだね」
スキル? 人の理性を壊すスキルは【狂化】ぐらいしか知らない。
それにあのスキルはダメージが原因でよって発動するはずだ。
一体。何のスキルだろうか?
「【憤怒】っていうスキルなんだけど。効果は感情的になるほど、力が増すって効果だったかな」
「そのスキルは元からあるの?」
「うん。六歳の時に貰ったステータスカードに書いてあったよ」
この世界のスキルは五百年間でかなり変わったみたいだ。
【憤怒】は七大罪の一つだ。
俺は大罪の名前が付いたダンジョンに入ったことがある。そのダンジョンの名前は[嫉妬]だ。
こっからは予想になるが、大罪と同じ名前がついているダンジョンはある。例えば[憤怒]はある気がする。あくまで予想だが。
この予想が正しければ、一つ疑問が出る。
—―何故、ダンジョンを攻略していない。ドクにスキルがあるのだろうか?
俺の頭の中で考えても全く分からない。いつか絶対に知ってやる。
「おーい。また。考え事かな? 流石にあんな凄そうなやつはもう撃たないでね」
「なんでもないよ。ごめん。後、あんなのは滅多に打たないよ」
毛虫を倒すために使った魔法は暴発や範囲の調節をミスしたら、森がひどいことになる。かなり、危険な魔法だ。
「この辺の魔物倒してから、帰ろうよ。折角、ダンジョンに入れたんだから」
「そうだな、僕には帰り道も分からないし、歩いてみよう」
クウに頼めば一瞬で家に着けるが、ドクのレベル上げに付き合ってあげよう。




