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二九話 弱くなってく魔物

 明るい日差しで目が覚めた。昨日の夜にダンジョンに行ったが俺は戦っていないので疲れていない。


 寝室から出て、リビングに向かった。屋敷とは違って部屋との間が短いのですぐに移動が終わる。元庶民な人としてはこのぐらいの家が丁度いい


「おはようございます」

「おはよう」


 テーブルの皿には白米と焼き魚と野菜が朝ごはんとして並べられていた。


 ここに味噌汁が入れば元の世界の食事とほとんど同じになる。コーヒーは朝に飲む物ではないと思っているので要らない。


「「いただきます」」


 魚の骨が少し邪魔だったが味は良かった。


 朝食を食べているときにふと疑問に思ったことがあったので質問をした。


「この辺に海は見えないけど、魚ってどうやって取っているんだ」

「それはですね。……と理由があってこの里では特別なんですよ」


 長かったので俺が要点だけまとめると、青い鱗を持つ竜人は泳ぐのが得意なので、竜になって海まで飛んで行き、魚を取っているらしい。

 人の状態でも竜の特徴をある程度持っているらしい。


「そういえばさ、この里に入るときに使った設定はワイルに伝えたのか?」


 ユミナの弟のワイルは俺が住んでいる屋敷に直接入って来た。俺たちの関係も知っているはずだ。何も伝えていないと森で拾った等という話はすぐに嘘だと言われてしまう。


「はい。一応伝えました。。ワイルが「理解した」と言っていたので大丈夫です」


 これで、竜人の里に居る間は怪しまれないだろう。


「よし、今日もダンジョンに行こうか」

「はい。行きましょう」


 昨日は攻略をやりに行った訳ではないので、一層目から動けていない。


 クウに頼んで[龍の巣]に転移をする。


 ――――――


 何も持っていないリザードマンなんて敵ではないので、次の階層へはスムーズに行けた。


「ここから槍持ちのリザードマンが出るらしいから、油断するなよ」

「はい」


 丁度いいタイミングでユミナの身長と同じ位の長さのある槍を持ったリザードマンが現れた。


 槍を振りかぶったので攻撃が来そうな所を予測して、躱した。扱い方が素人だったので躱すのは楽だ。

 折角、魔物から近づいて来てくれたのでさっさと倒そう。


 相手が槍を使うので魔法で戦うのではなく、こちらも武器を使って倒そう。


 【アイテムボックス】の中から剣を出した。ただの鉄の剣だ。剣を握ることによって少し、否、かなり上がって来た。


 このままの剣では鱗を切る時に刃こぼれを起こしてしまいます。

 しかし、ここに俺の魔力で強化されたら、なんということでしょう。


「ぐぎゃ」


 あっさりと魔物の長い首を切断出来ました。剣を見てみましょう。なんと、刃こぼれ一つありません。

 うん、ちょっと、おふざけが過ぎたかな。

 

 込めた魔力が今の全力の二割にするのはあまり良くなかった。ユミナに油断するなよと言っておきながら俺が相当油断をしてしまっていた。


「すごいですね。固そうな鱗を切断するなんて」

「殴って砕け散らせる方がすごいと思うぞ」


 メリケンサック等の武装をせずに素手で鱗を割っていた奴には言われたくない。


「私は長い期間生きていますのでレベルが高いだけです」

「剣と拳どっちが強いか分かっているかな」


 このまま、話していても久しぶりに大謙遜大会が始まるだけなので、話題を変えよう。


「ドロップ品は……また鱗か」

「でも、二枚落ちていますよ」


 話しているうちに魔物が消えて、鱗が二枚ドロップされていた。


 【アイテムボックス】の中に鱗をしまって次の階層を目指した。


 [嫉妬ジェラシー]と比べるとすぐに階段を見つけることが出来た。大体が【最適ルート】のお陰だ。俺一人だと確実に迷ってしまう。ユミナに感謝だ。


「さっさと次の階層に進もうか」

「そうですね」


 ただ、槍を持った程度の魔物ではそこまで疲れが出ない。正直、何も持っていない方が強い気がする。


 三階層への階段を下った。

 ここから先はブレスを吐いてくるらしい。


 歩いていると槍を持ったリザードマンが現れた。見た目は二層目に居た奴に似ている。

 観察をしていると魔物が上を向いて息を大きく吸った。多分、ブレスを打つ前動作だろう。まあまあ、距離があるので、迂闊に近づくべきではないな。


 いつでも防御系の魔法が発動出来るように待機しておこう。


 魔物が口から火を出して来た。大きさはバレーボールぐらい速さは中学生のピチャーぐらいだ。

 あんなに隙を晒していて、この程度のブレスか……つまらない。《火球ファイヤーボール》。


 頭の中でイメージをして、魔法を使用した。


 魔物の出した火より二回りほど大きい火球が現れ、飛んで行った。

 途中で魔物の火に当たったが、俺の火球は物ともせずに進み敵に着弾した。


 リザードマンは火を全身に纏い。地面に転がっている。この程度の火でドラゴン系の魔物が悶えるなんて、本当に魔物は弱くなっているんだなと実感できる。


 このまま、放置しても死なない可能性が高いので、転がっている間に首を切断をしておいた。二層目の奴より、ほんの少し硬い気がした。


 ドロップは鱗三枚。すぐにスキルを使って収納をした。


 次の階層への階段に着くまでに十体ほど倒したがこの層は二層目より簡単だった。


 四層目に進もうと思ったがお腹が空いたので帰った。



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