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第二話 第二次宇宙戦争より二年前

~土星・第58人工大陸・第56高速艦隊ドッグ~

 土星に無数に存在する人工大陸は都市部になればなるほど人工大陸の大きさも大きく人口も密集している。そんななかで第58人工大陸は土星本部が設置されている第7人工大陸の半分にも満たない大きさしかなく人口も大陸全土が地球連合航宙軍の基地のため少なかった。しかしそれでも日本列島よりも大きいため端から端まではかなりの距離があった。

 そんな第58人工大陸には第56高速艦隊が置かれていた。全部で120ある土星の人工大陸のうち第50から第69人工大陸の警備を任されていた。

 第56高速艦隊はそのなのとおり高機動を得意とする艦隊である。編成は航宙戦艦3、航宙重巡7航宙軽巡13航宙駆逐艦25からなる中規模艦隊である。

 その艦隊の一つである航宙重巡浅間は第55人工大陸の警備から戻ってきたところである。


「…」


 その指令室では浅間艦長のマグサ・ウエスギ航宙中佐が眉間にシワを寄せて厳しい顔をしていた。見る人が見れば怒っているようにも見えるマグサはこう口を開いた。


「…暇だ」


 言ったことと顔が矛盾しているようにも見えるがクルー達は何時ものことのようでマグサの言葉をスルーして艦隊航行を続けていた。


「…第一次宇宙戦争が終結してから早70年。その間宇宙連合皇国との仲はよくなるどころか悪くなる一方。いつ戦争に発展するかもしれない状態でお前はよくそんなことが言えるな」


 マグサの後ろから呆れたような声が聞こえてきた。

 やがてその人物は座っているマグサの隣まで来る。


「…暇なものは暇なんだ副艦長」


 副艦長と呼ばれた人物はやれやれと肩をすくめながら注意するように反論する。


「一応お前は浅間の艦長なのだからしっかり頼むぜ。お前はやり過ぎなところがあるが優秀なのには変わらないからな」

「その時は主砲の20.5センチビーム砲を嫌というほど食らわせてやるさ」


 マグサは自信をもって答えた。

 副艦長は再び「やれやれ、私はそんな日が来ないことを心から祈っているよ」と言って肩をすくめた。





















宇宙歴226年。5月23日。


運命の第二次宇宙戦争まで2年と5日。


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