第4話
朝夷が俺の家に来てから数分。俺たち二人は俺の部屋でお菓子を食べながら駄弁っていた。
「おい、お前らって友人の家に来たときはいつもこんなことしてんのか。」
「こんなことって?」
「特になにもせずおしゃべりしてんのか?」
「うん、そうだよ。だってそれ以外やることある?」
「いや、それだったら学校でもできるだろ。何でわざわざ他人の家に行ってまで話すんだよ。」
「だって学校だと言えないこととかあるじゃん。まあ内容は察してよ。」
……そんな話は聞きたくなかった。だがしかし、意外な話も聞けた。結局奴らもそんな話をするのか。
「まあその話は置いといて。あんた、本当に行きたいところ無いの?行ける所ならどこでも着いていくよ。」
困ったな。多分朝夷は俺が行きたい所を言わないと満足しない。俺がしばらく考えていると彼女が聞いてきた。
「普段は、つまり一人のときはどこに行ってるの?」
「ああ、一人のときは本屋か図書館に行ってるな。静かで誰も話しかけてこないし。」
「……とことん卑屈だね。まあいいや、それじゃあ今度一緒に本屋に行こうよ。私もよく行くよ、ラノベとか漫画を買いにね。」
「おい、話聞いていたか。一人だから良いんだよ。」
「どうせ店の中では喋らないでしょ。それにあんただってどうせ用事があるんでしょ。」
……まあいずれ行かなきゃいけないならここで無意味に反抗する必要はないな。それにただ普段通り静かに本屋にいるだけならこれほど楽なことはないな。
「分かったよ。じゃあいつか誘ってくれ。」
「いつかと言わず今から行こうよ。どうせ暇でしょ。」
「どうせとか言うなよ。まあ本当のことではあるが。分かったよ、行けばいいんだろ。丁度俺も買いたい本があったし。」
「よし、じゃあ行こう!」
こうして俺は朝夷の口車に乗ってやることにした。なかなか俺も柔らかくなったものだ……。
最近中途半端に終わりすぎですね。
次回はもう少し長くしたいです(2回目)。