第九十三話 池田
京の都にて、池田屋事件が勃発します。都に火を放ち、天皇をさらう計画です。新選組は強すぎるので、俺無しで対応します。果たして 結末は、如何に?
時代は幕末、徳川幕府 江戸時代が終わりへと向かっていた。鎖国をし その分、平和を保っていた日本と、戦争を続け 武器の改良が日進月歩のアメリカ イギリス スペイン フランス オランダと、武器の精度と火力の違い 更に、技術力の高さでは、日本は敵わない。それを知る 徳川幕府は、開国をする道を選んだが、それを知らない若者たちは、倒幕へと傾いていこうとしていた。そんな中、歴史と伝統を重んじ、最後まで徳川幕府と 会津地方の味方をする、史上最強の剣客集団にして、侍達の組織が京の都に存在した。その名も、新選組。士道不覚悟で、即 切腹の厳しいルールが創られ、少数精鋭となった、侍の中の侍達だ。
そんな新選組の局長は、ふざけは 人を笑わせる、未完の大器 北野 武。新選組 副長に、俺 土方歳三。何かと一番の、一番隊 隊長に、強くてお洒落で カッコいい男 斎藤一。一番隊 隊員、速度なら世界一の天才 沖田総司。同じく 一番隊 隊員、新選組の元気印の少年 安藤 ジュンヤ。最後の一番隊 隊員、口の聞けない少年 リュウスケ。四番隊 隊長、気骨のある武骨な豪快な男 近藤勇。四番隊 副隊長、無口な でも、生きて帰って来てくれる野口君。新選組 最後の隊、八番隊 隊長に、新選組の中で 唯一の女性で、才色兼備な 安藤優子さん。八番隊 副隊長に、沖田の保護者で 安心と信頼の男 井上源三郎。お金や数字、勘定を取り仕切るのが、勘定方筆頭 北野 勝君。他に、銃火砲部門で 内田 ジュンという名の男が、刀槍では 太刀打ち出来そうもないモノを研究している。
武家諸法度というルールが出来、新選組は数が絞られた。もう、糞野郎も糞女も居ない。なので、俺から「給料の額が、倍以上になる。その分、他へ 金の無心には、行かないように。それから 最低でも、二人一組で行動し 隊としては、四人で動いてくれ。それと、これからは死に番と呼ばれる、隊の先頭を行く者は、隊で 一番強い者か、腕に覚えがある者にしてくれ。怪我をした隊士は、俺が治すし これからの新選組の者たちは、寿命以外で死ぬことも禁止、岡っ引きに捕まって 刑務所へ行くのも禁止だ。俺は これからの新選組の者たちが、死ぬ事も見たくないし、刑務所に入って不幸になるのも見たかない。取り敢えず 各自、武家諸法度を守れたら 女でもつくりなさい」と伝える。
「おうっ、落ち着いたら 女をつくるか。それも、いいな」北野 武局長。
「お金は、私がつくります!」と北野 勝 勘定方筆頭。
そんな折、新選組に、長州藩の者や脱藩浪士たちが、京の都に火を放ち 、天皇を長州へと連れて行こうとしている という情報が入った。その情報を得たのが、斎藤さんなので、信憑性が高い。最悪、天皇をさらうのは過去にもあった事だが、火を放つの方が気に食わない。
池田屋という場所には、沖田 近藤さん 野口君 北野 武局長が向かい、俺は 哀姫のところ、斎藤さんは 天皇の住む 京都御所へ向かわせることにした。
「馬鹿局長、近藤さん 野口君は、相手が何十人居ようと充分に闘える。馬鹿局長は、背後から 攻撃されない様に注意することと、敵に見所があって、見逃してもいいと思ったら、見逃してもいい。片がついたら、沖田を使って知らせてくれ。俺は、宝物を守りに行ってくる。京都御所は、斎藤さんが居れば、大丈夫だろう。かかれ!」と俺。
各自が、それぞれ動き始める。俺は、俺の宝物 ピノコ・ナディア・哀姫の元へと向かう。
哀姫は、自分の住む 民家の前で、相変わらず 1人で佇んでいた。
俺の姿を確認した、哀姫は「馬鹿トチーヤイ!馬鹿トチーヤイ!会いたかったで、ござんすヤイ。お久しぶりヤイ」と、嬉しそうに言う。
「カナパンマン、全然 逢いに来ないじゃないか。そんなガキンチョは、ほっぺた ぷっぷくですよ」と俺。哀姫のほっぺを、ピノコのアッチョンプリケツの状態にする。
「まったく、馬鹿トチーヤイは カナ ラブなんだから」と哀姫は言い、俺の足にしがみつく。
「哀姫、今日 池田屋事件といって、京の都で 事件が起きるから、念のため 哀姫も、この民家の人も いつでも動ける状態にしといてくれ。序でに、哀姫の保護者にも、会っときたいしね」と俺。
「事件ヤイか。アッチョンプリケツ ヤイね。お母様は、玄関までなら 来れるヤイよ。あと、バカお姉さまも、いるヤイよ。今日は、バカお姉さまは出かけて、帰って来ないヤイけどね。お母様だけ、呼んでくるヤイ」と哀姫。民家へと、入る。
〈今日に限って、出かけて帰って来ない女。クソ大和田絡みの、糞女の可能性があるな〉
と、思っていたら、哀姫に付き添われ、いかにも病弱な そして、美しい女性が現れた。
そして、俺を見るなり「リュシ?」とだけ、美しき女性は問う。
「ああ。今 この身体この顔だと、土方歳三だけどな。哀姫、この女性 オードリー・ヘップバーンが、本当の自分だよ。さすが、カナパンマンの保護者をしてるだけのことはある。日本人に成った場合は、病弱なのは仕方ないか。プリンセス・オードリーも、手伝うから 動ける状態でいてくれ。多分だけど、新選組が 何も起こさせないけどな」と俺。
「ありー、馬鹿トチーヤイ。お母様、オードリーちゃん だったヤイかー?」と哀姫。
「ああ。リュシフェルを省略して、俺のことをリュシと呼ぶ、唯一の女性だよ。プリンセス・オードリー、哀姫が俺の所へ、逢いに来てもいいよな?」と俺。
オードリー・ヘップバーンが、日本人に成ってる 美しき女性は、コクリと縦に頷く。
それを見て、哀姫が「やったヤイ!やったヤイ!馬鹿トチーヤイの所へ、逢いに行く 許可をもらえたヤイ」と喜ぶ。
「あとは、何も起きず 沖田が来るのを、待つだけだ。噂をすれば…。」と俺。
「ウキッ!」と、沖田が姿を見せる。
「沖田、どうせ新選組には、被害が無いだろう?」と俺。
「ウキ」と、コクリと頷く 沖田。
「だろうと思ったよ。今 新選組に居る 侍たちは、死線と修羅場を乗り越えてきた、歴戦の強者たちだからね。そんじゃ沖田の案内で、池田屋とやらに行きますか」と俺。
「カナも行く!カナも行く!」と哀姫。
「うん、カナ吉の保護者の許可が出たら、連れてくよ」と俺。
「リュシ、その少年は どなたですか?」と、カナの保護者。
「名は、沖田総司。俺の側の人間で、哀姫と同じく 天才だ。勿論 信用にも、値する。哀姫、現場へ 連れてってもいいか?」と俺。
「かしこまりました。どうか気を付けて、カナちゃんを無事に帰してください」と、カナの保護者。
「了解。じゃあ 沖田、池田屋 京都御所 新選組の屯所の順に行こう。案内してくれ」と俺。
「ウキッ」と、敬礼する沖田。了解したみたいだ。
「やったヤイ!やったヤイ!馬鹿トチーヤイと、一緒に居られるヤイ」と、喜ぶ 哀姫。
俺と哀姫と沖田で、まずは池田屋へと向かう。
《池田屋事件か。もはや新選組は強過ぎて、俺が池田屋へ向かう必要がなかった。その分、どんな闘いだったかは知らないが。2017/08/28今現在、望んでもいないのに、2回目の東 清二として、やっと最後の最後の人生を送る俺は、無駄に呪われた 最低最悪の人生を、そして無駄な空虚な日々を送っている。寿命まで、あと15年。もうすぐ 誕生日だから、寿命も勿論 短くなる。自殺してもダメ、殺されてもダメで、そんなんだったら とっとと寿命なんか尽きろという話。どうしたって、俺の人生には、ピノコ・ナディア・哀姫の存在が必要で、それ以上に必要なのが、念能力だ。これが さっぱり手に入らず、超一流の俺の念能力が復活しない。日本にとっても 世界にとっても 全宇宙にとっても、キーパーソンは俺一人で、俺の状態や状況が悪過ぎるので、それに呼応するように、今 こんな世の中だ。生まれ変わり続けた 俺の過去達も、地球に居ないだけで 大概、天国に存在している。あと 本当の自分にたどり着いてないのが、この広い宇宙の中、俺の宝物 ピノコ・ナディア・哀姫と俺だけだ。哀姫にとっての本当の自分は、小さな女の子の天使で、誰がどう見ても可愛いと思う存在だ。俺にとっての本当の自分は、大天使長 ドン・リュシフェルで、名誉白人の黒髪が光に当たると 赤髪になる、誰も文句の付けようのない存在だ。哀姫、逢いに来てくれ!俺は、心も身体も ぶっ壊れてしまったから。念能力よ!とっとと復活しろ!寿命まで、あと15年なんて 持てねえからな》
こうして、池田屋事件は起こった。幕末期、刀を使った戦闘なら 新選組に敵う者はいないので、近藤さん 野口君に、沖田も 馬鹿局長も向かわせれば、充分 闘える。俺は、火の手が上がってないか確認しながら 宝物を守り、斎藤さんは ごちゃついてるであろう 京都御所へ行けば、なんとかしてくれる。天皇よりも、斎藤さんの方が、上手だったりするからね。次回の話は、池田屋事件の後始末についてです。さて、どうなることやら。以上。
読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!