第八十九話 清二
なかなか表に出て来ない 会津藩 筆頭家老、糞詐欺師 クソ高倉健に、新選組の副長たる俺が、詐欺にあいます。2017/08/08今現在の俺の名前、清二って、呪われた名前だった…。
時代は幕末、200年以上続いた武士の世 平和な時代が、のちに幕末の志士と呼ばれる若者たちの台頭と、時代のうねりによって終わろうとしていた。図体ばかり大きくなった徳川幕府も、それ故に硬直し 身動きが取れないでいた。日本の開国を迫る 諸外国に、徳川幕府は なしくずしに、屈していき その事が倒幕へと繋がる雄藩の志士たちの闘志に、火をつけることとなる。年老いた 徳川幕府には、もうそれほど力はなく、時代の中心は天皇の居る そして志士たちも居る、京の都だ。そんな京の都に、その名を聞いただけで 幕末の志士たちが震えだす、最後まで徳川幕府と会津地方の味方をする 侍の集団がいた。その名も、新選組。
そんな新選組のトップ 局長に、いつもふざけては人を笑わせるけど、時折 その目には狂気が宿っていて、政治力なら新選組 随一の中年の漢 北野 武。新選組 副長に、これから借金でもないのに、糞詐欺師に金を渡しに行かないといけないので、ぶち切れてる俺 土方歳三。一番強い 一番働く、一番隊 隊長に、武器を使う戦闘なら世界一の19歳 斎藤一。一番隊 隊員、速度なら世界一の明るく無邪気な少年 天才、沖田総司。同じく 一番隊 隊員に、憧れていた者に成れた 新選組の元気印 安藤 ジュンヤ。もう1人の一番隊 隊員、いつもジュンヤと一緒に居る 口の聞けない リュウスケ。一番隊は斬り抜けるが、死に番と呼ばれる 死をも覚悟しなくてはいけない四番隊 隊長に、先頭を歩こうが戦闘で 斬り抜けられる豪快な漢 近藤勇。四番隊 副隊長に、そんな近藤さんを陰日向で支える用心棒の野口君。後方支援を主な目的とする 新選組 最後の隊 末広がりの八番隊 隊長に、味噌汁の出汁の取り方は知らないが、実務能力が高いので隊長と成った新選組の唯一の女性 安藤 ユウコさん。八番隊 副隊長に、沖田の保護者 井上源三郎。新選組には、孤児院の機能も持ち合わせていて、子供らに学問を教える先生を、北野 勝君が務めている。他に 来たる日の戦に備え、内田 ジュンが、銃火砲部門にて 研究に励んでいる。
新選組の者ではない、全宇宙の支配者 クソ大和田の息子 クソ近藤 育史が、新選組の名を語り 金をたかった。その相手が会津藩 筆頭家老で 詐欺師のクソ高倉健だった。この詐欺師が、俺の言うことは聞かないくせに、全宇宙の支配者 クソ大和田の言うことは、少し圧力をかけられただけで、聞いてしまう。その上、俺とクソ大和田のお互いの存在を、完全に消すか?消されるか?の戦いにおいて、クソ詐欺師 クソ高倉健は、中立だと主張しながら 自分が大偉業だと言い クソ大和田を全宇宙の支配者にしたのに、失敗ると 俺を頼る。クソ大和田、クソ高倉健と、周期的に俺に会いに来やがる。そして、不幸をばら撒く。そんな糞詐欺師 クソ高倉健に、借金をした訳でもないのに 俺は占めて一千両を、渡しに行こうとしている。
俺一人で、京の都にある 会津藩の藩邸へ出向き、「新選組 副長、土方歳三だ。渡す必要のない金を、渡しに来た」と伝える。
門番には「こんな所、新選組の副長様が、わざわざ来る所でもないですよ」と言われる。
「ああ。クソ高倉健の居る所なんて、来たくもねえ。ただし、借りもつくりたくない。金を渡したら、さっさと帰るよ」と俺。
門番は悲しい顔をして、奥座敷へと案内してくれた。そんで いつもの事だが、クソ高倉健は大物気取りで、必ず 人を待たせる。大物は、遅れて登場するらしい。だらだらと時間だけが過ぎ、取り次ぎの者の会津藩 筆頭家老を急かす声だけが、聴こえる。そして やっと、クソ高倉健が、仏頂面で姿を見せた。
クソ高倉健は、相変わらず 俺の上座に座り「たかだか新選組の若者に、五百両など用意出来ないでしょう。言い訳なら、短くしてもらいましょうか」とほざく。
「クソ会津藩 筆頭家老殿、占めて一千両だ。これで、新選組として 借りはねえからな。じゃあな」と俺。
俺が立ち去ろうとすると「待ってください!額が多過ぎます!そもそも、新選組の副長様に、お金を払ってもらう道理がありません!」と、会津藩の取り次ぎの者が言う。
「こんなに早く、一千両を工面出来るとは。ぬんっ!」と、糞詐欺師 クソ高倉健は言い、凝を使う。
そして、俺を凝視し「何だ、きよじ君じゃないですか。高倉の健さんの前では、ちゃんと本名を名乗らないとダメですよ」と、詐欺師がほざく。
「今のこの身体 この顔では、土方歳三が本名なんだけどな。清二は、本名でも何でもねえ。過去の名で、出来れば 未来には、清二なんて呼ばれたくもねえ。じゃあな」と俺。
「せっかく 、きよじ君が工面してくれたお金です。ここは、有り難く 貰っておきましょう」と、クソ高倉健。
「筆頭家老!お金を出すのは、こちらの会津藩の方です。これでは、筋も道理も通りません!」と、会津藩の者が、詐欺を止めようとする。
「ああ、相手は 糞詐欺師 クソ高倉健だからな。借りなんて、作りたくもねえ。じゃあな」と俺。
「ほらぁ、相変わらず きよじ君は、思っていることと反対のことを言う。高倉帝が、糞詐欺師の訳がないじゃないですか」と、クソ高倉健。
「クソ高倉健、俺は思っていることと、反対のことは言わねえからな。帰る」と俺。
俺は立ち上がり、藩邸の玄関へ向かう。取り次ぎの者が「これでは、立派な詐欺です!お金を、持ち帰ってください!」と、必死に制止するが、俺は玄関から出る。
そのまま無言で 俺は、仲間たちの待つ 新選組の屯所へと帰った。
新選組の玄関には、心配そうな顔をした 北野 武局長と斎藤さんが居た。糞詐欺師 クソ高倉健に、文字通り 詐欺に遭ったばかりの俺は、2人の顔を見て 少しは気が楽になった。
「馬鹿局長に斎藤さん、俺は侍のくせに会津藩 筆頭家老 クソ高倉健によって、詐欺に遭ったよ。2人とも、糞詐欺師 クソ高倉健は、常に全宇宙の支配者 クソ大和田と繋がりを持つ 糞野郎だから、クソ高倉健は、詐欺師で もう終わった男だからな。騙されないように」と俺。
「おうっ、了解した。高倉は先輩だから、厄介なんだよな。高倉が現れると、必ず 大和田の野郎が、姿を見せるんだよな」と、北野 武局長。
「副長、斬りますか?」と斎藤さん。
「うん、それが一番良いんだけど、糞詐欺師 クソ高倉健に、クソ大和田にとって利用価値がある間は、しばらく経つと また ひょっこりと姿を現す。クソ高倉健が寿命を迎えるまで、待つしかないな」と俺。
「じゃあ 馬鹿局長、北野 勝君を呼んで来てくれ。糞詐欺師に一千両渡して来たけど、まだ二千両ある。4人で山分けだ」と俺。俺は、馬鹿局長と斎藤さんに、五百両づつ渡し 馬鹿局長は、弟を呼びに行った。
「斎藤さん、もう こんな事にならないように、武家諸法度を創ろう。士道不覚悟で、即 切腹のね。雛形を、馬鹿局長と相談して 詰めといてくれ」と俺。
「かしこまりました。よくよく、話し合います」と斎藤さん。
眼鏡をかけた北野 勝君が、馬鹿局長と一緒にやって来た。
「ホイッ、北野 勝君にも、五百両」と俺。金を渡す。
「何の意味のお金ですか?」と北野 勝君。
「今までの分の給料と、北野 勝君の教えている学問が、机上の空論ではないと証明するためのお金だ。五百両を元手に、どこまで増やせるか 頑張ってくれ。君が、相場とか為替をつくるんだよ」と俺。
「よしっ、ありがとうございます。ちょうど為替相場で、自分の実力で どこまで稼げるのか、試したかったのです。元手が五百両もあれば、充分です」と北野 勝君。
「勝に相場師なんて、出来るのか」と馬鹿局長。
「馬鹿局長は、斎藤さんと、武家諸法度を創るんだよ。弟の心配をしている場合じゃない」と俺。
「おっ、トシ坊!おいら、武家諸法度って 聞いた事あるぞ」と北野 武局長。
「ああ、新しい歴史だ。馬鹿局長は、それに携わるんだよ。あと馬鹿局長、俺と斎藤さんと沖田は、馬鹿局長から見て 侍かい?」と俺。
「おうっ、三人とも 確かに侍だな」と北野 武局長。
「うしっ、この人生の目標 達成!あとは哀姫と遊ぶことと、内戦の処理だけだな。じゃあ、各自 仕事に取り掛かってくれ」と俺。
みんな、それぞれの仕事へと散った。
《はー、清二という名か。土方歳三という人生の前に、1回目の東 清二として、日本一のビジネスマンをしていた人生があった。そして、最後の最後の人生にあたって、名字は自分で決めた。ただし、清二という名前は回避しようとした。陽一という名前を選んだ。ただし、俺が住んでた 東宮御所で、小和田 ブタ子とクソ高倉健の謀略で、次男でもないのに清二に、決まってしまった。クソ高倉健は、俺のことを全ての人生を通して、きよじ君と呼びやがる。そんな糞詐欺師 クソ高倉健も、やっと死に やっとクソ大和田の側の人間になった。2017/08/04今現在の俺は、2回目の東 清二として、生き地獄をのたうち回っている。最後の最後の人生、その分 最低最悪の人生だ。あとは、念能力だけなんだけどな。念能力さえ復活すれば、不死身の全宇宙の支配者 クソ大和田も、大和田の側の人間たちも消せるし、そうすれば幸福の王子として、世界中を幸せに出来る気がする。この広い全宇宙の中で、本当の自分ではないのは、俺と俺の宝物 ピノコ・ナディア・哀姫だけなんだ。早く ドン・リュシフェルという名の本当の自分に、たどり着きたい》
こうして 毎度のことだが、糞詐欺師 クソ高倉健が、俺の人生に被害を及ぼす。数千年前から続く、俺 対 クソ大和田のお互いの存在を、消すか消されるかの戦いにおいて、クソ高倉健は中立を装う。ただし、クソ大和田もクソ高倉健も、必ず 失敗し必ず間違うので、よくは分からないが、そのツケが俺にまわってくる。田中裕子さんの、手によってね。ただ もう高倉健は、俺の元へとやって来ない。寿命を迎えた。次は、俺が寿命を迎える番だ。さて、次回の話は 北野 勝君が、為替相場で勝負します。勝てたら、新選組は潤います。どうなることやら。以上。
読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!