第八十八話 天誅
糞詐欺師 クソ高倉健に渡す 金の工面もあって、久米っちの依頼で 侍として、悪党に天誅を行います。
時代は幕末、古びてしまった 尚且つ 外圧に屈した徳川幕府が、良くも悪くも 倒されようとしていた。図体ばかりが大きくて、身動きの取れなくなってしまった徳川幕府より、天皇の住む 京の都が、時代のうねりと共に この時代の中心となっていた。そんな時代の中心 京の都に居ながら、最後まで徳川幕府の味方と 縁のある会津地方の味方をする 侍の集団が存在した。その名も、新選組。
そんな新選組のトップ 局長は、いつも冗談を言っては ふざけてばかりだが、政治力なら新選組で随一の中年の漢 北野 武。新選組 副長に、詐欺師に会い ぶち切れている俺 土方歳三。一番強い 一番隊 隊長に、武器を使ってでの戦闘なら 世界一の斎藤一。一番隊 隊員に、速度なら世界一の天才 沖田総司。同じく一番隊 隊員、どんどん自分の憧れたものになっていく 元気印の安藤 ジュンヤ。もう1人の一番隊 隊員、いつも安藤 ジュンヤと一緒に居る 口の聞けないリュウスケ。死に番と呼ばれ 死をも覚悟しなければいけない四番隊 隊長に、死に番も何のその 鍛え抜かれた『天然理心流』で、豪快に斬り抜ける漢 近藤勇。四番隊 副隊長に、死に番すら買って出る 毎日、死線を潜り抜けている 野口君。新選組 最後の隊、末広がりの八番隊 隊長に、味噌汁の出汁の取り方も知らないけど、実務に優れているので 安藤 ユウコさんが、八番隊 隊長に成った。八番隊 副隊長に、井上源三郎。新選組には、孤児院の顔も持ち合わせているので、子らに教える学問の先生として 北野 勝君が、最新の学問を学ばせている。他に新選組は、刀における戦闘は極めた。なので、来たる日の戦備えに 内田 ジュンが、銃火砲部門にて 研究に励んでいる。
自覚のない詐欺師でもある、会津藩 筆頭家老 クソ高倉健に、全宇宙の支配者 クソ大和田の息子、近藤 育史という名の糞野郎が、新選組の名で 金をたかった。その穴埋めに、俺が 最低でも一千両、用意しなければならなくなった。侍なら、どうお金を工面するか?悪・即・斬で、いこうと決めた。金は、ある所にはある。仏教の高僧 久米さんに、悪人の人相書きと住所を用意してもらってある。あとは、しっかり斬り しっかり生きて帰るだけだ。
新選組の玄関にて、俺と斎藤さんと久米さんがいる。
「じゃ斎藤さん、糞詐欺師に渡す金の為に、ちょっくら悪・即・斬でも してくる」と俺。
「副長、俺も行きます。正直、刀はもう極めたので、久し振りに 副長の戦っているところを見たいです」と斎藤さん。
「私も、行きます!悪人を裁き 斬ってもらうのは、私の依頼ですし」と久米さん。
「まあ、いいけど。大して危険な、仕事でもないし。あと、途中で 哀姫に会ってから、行こう。久米っちにも、俺の宝物を紹介したいしな」と俺。
俺と斎藤さんと久米さんの3人で、新選組の玄関を出る。
哀姫の暮らす民家の前に、相変わらず一人ぼっちで 哀姫は、佇んでいた。
「カナパンマン、1人で過ごしてるなら 新選組にでも、遊びに来ていいと言ってるじゃねえか。久し振り、哀姫!」と俺。
「馬鹿トチーヤイ!馬鹿トチーヤイ!カナチャリングに、会いに来てくれたヤイか?」と哀姫。
「ああ。俺の宝物 ピノコ・ナディア・哀姫に、会いに来た。それ以外に、ここに来る理由はない。哀姫のことだから、俺の居場所が分かり次第、ちょくちょく会いに来ると思ってたんだけどね」と俺。
「カナりんも、馬鹿トチーヤイに会いたいし 、ずいーっとずいーっと一緒に居たいけど、ちんせん組は 人斬りちゅう団ヤイから、近づいちゃダメだと、おうちの人に言われたヤイ」と哀姫。
「人斬り集団か…。確かに今から、人を斬りに行くところだけどね。お家の人を、説得出来ればいいのか。あと哀姫は初対面かもしれないけど、そこの坊主頭の男が、仏教の高僧をしている 久米という男だ。知っといてくれ」と俺。
「馬鹿 くめヤイね。了解しもした。了解しもしたヤイ。カナチャリングヤイ!よろしくお願いし申すヤイ」と哀姫。
「この可愛らしくて活発な女の子が、トシ君が何より大事にしている存在。お会い出来て、光栄です。久米と申します。よろしくお願いします」と、深々と頭を下げる久米さん。
「久米さんも、これで哀姫と知り合いに成れたから、俺の宝物だ。大事に大切に、扱ってくれ。出来る事なら、俺と一緒に、哀姫が新選組へ遊びに来れるように、仏教の高僧としてカナ吉のお家の人を、説得しよう。そんじゃ、悪人でも 叩き斬りに行きますか」と俺。
「カナりんも行く!カナりんも、行き申すヤイ!」と哀姫。お家の人には「おさんぽに行って来るヤイ」と伝え、俺たち一行に付いてくることになった。
久米さんに教えられたとうりの悪人の住所へ行くと、確かに人相の悪い2人の男が建物の入り口の前に立って居た。
「新選組 副長だ。抵抗すると、容赦なく叩き斬るからな」と俺は伝える。
「新選組 一番隊 隊長だ。どうせ斬る」と斎藤さん。
こちらが名乗ると、門番よろしく立って居た 人相の悪い2人の男は、急いで建物の中に入って戸を閉めた。
「じゃあ、カナパンマンと久米さんは、少し離れた所で待っててくれ。すぐ、かたをつける」と俺。
俺が戸を開けると、刀を抜刀する音が聞こえた。そして、人相書きによく似た悪人が「鬼の土方。今日が、お前の命日だ」とほざく。
別に こんな状況、いつもの事なので俺は「この扉、建て付けが悪いな」と言い、戸板を外し 左右に大きく振る。俺が建物に、入ったところで斬るつもりであっただろう門番が、俺が振り回した戸板によって倒れていた。
「命日は命日でも、お前のな。悪党」と俺。斎藤さんが、突きで門番にとどめを刺す中、俺は悪党の両手両足を折る。その上で、悪党を蹴り飛ばしながら、建物の外に出す。
「久米っち、君がどうしても殺したい悪人は、こいつで間違いないか?」と俺は、確認する。
「間違いありません」と久米さん。
確認が出来たので、俺はもう一度 悪党を建物の中へ蹴り入れ、首を斬り落とした。
「斎藤さん、京都守護職と連携して この悪党3人の首を河原に晒し首にしてくれ。そうすればこいつらに、被害にあった者も安心出来るだろう」と俺。
「かしこまりました。立て札は、どうしますか?」と斎藤さん。
「天誅、新選組 副長 と」と俺。
「では、副長はお引取りを」と斎藤さん。
俺は、悪党の巣だった建物を出て、仏教の高僧と月のお姫様のところへと行く。真っ当に生きてきた仏教の高僧と、穢れを知らない月のお姫様は、ただただ俺にとっては、眩いばかりだ。俺は、俺が人を斬るたびにどんどん汚れていく気がして、「馬鹿トチーヤイは、相変わらず ちょっ強えヤイね」という哀姫の言葉だけが、救いだった。
翌日、河原に3人の悪党の首が晒し首にされ、天誅 新選組 副長 という立て札が立てられていた。余程の悪人たちだったのか、京の都の人々から歓声が上がる中、俺は遠まきに眺めている。久米さんが、確認を終え「トシ君!この手柄の報酬は、一千両では足りません。3人も処分したので、三千両お支払いします」とホクホク顔で言う。
「確かに三千両貰うけど、資金力は大丈夫か?」と俺。
「トシ君、私にとっては三千両とはいえ、大した額では御座いません」と久米さん。
「これから悪人や悪党退治は、斎藤さん率いる一番隊に、依頼してくれ。たかだか糞野郎 三人処分しただけで、こんなに感謝されるとはな」と俺。
「かしこまりました。では、お金を」と久米さん。久米さんの付き人に、確かに三千両渡される。
「確かに、ありがとうな。久米っち」と俺。
「御礼を言うのは、こちらの方です。どうもありがとうございました」と久米さん。
これで詐欺師 クソ高倉健に渡す 一千両の工面が出来た。残った金は、斎藤さんや北野 勝君にでも、渡すかなと思った。
《糞詐欺師 クソ高倉健か。この詐欺師は、俺の全ての人生をとうして、幾つかの勘違いをしていた。まずクソ高倉健には、皮肉が通じない。なので、俺が思っている事と反対のことを言うと、信じ込んでいた。必ず失敗する必ず失態を犯す クソ高倉健には、いくら本当の事を言っても、無駄で 山のように動かない。そのくせ、クソ高倉健の働きかけで、全宇宙の支配者に成った クソ大和田の言うことは、クソ高倉健はすぐに聞き動く。その結果、どう交渉すれば こうなるのか?という条件となり、俺と俺の側の人間たちに甚大な被害をもたらす。そして、クソ大和田と その側の人間たちには、多大なる利益をもたらす。もう一つの勘違いは、俺にとっての本当の自分が、2017/07/27今現在の俺 東 清二だと、クソ高倉健は思い込んでいた。俺にとっての本当の自分は、大天使長 ドン・リュシフェルで この2回目の東 清二としての人生は、やっと本当の自分になれる 一つ前の最後の最後の人生でしかない。そして必ず失敗する男 クソ高倉健は、相変わらず不幸の使者で まずは、俺の念能力と友人をクソ大和田に売り、俺が福岡県で極道たちと暮らしていた時も、不幸の使者 高倉健は現れ、意味の分からないことに ゴールド会員になったので、俺の側の人間に成れたと勘違いしていた。クソ大和田の胸先口先で、ゴールド会員になったら、俺の側の人間だと思い込んでいた。そして不幸の使者が現れると、不幸の王様 クソ大和田も現れる。これで この俺の最後の最後の人生で、プロ野球選手に成るという夢も絶たれた。チームに迷惑がかかるからね。そんな詐欺師にして不幸の使者 クソ高倉健も、やっと死にやっと不幸の王様 クソ大和田の側の人間になったとさ。これで、誰も騙されずに済む。高倉健にポイントを打ち、常に居場所の分かるクソ大和田も、俺には会いに来れない。あとは、俺に念能力を!其れが、最期のキーだ》
こうして 侍として、悪人たちに天誅を行い、金の工面と悪党の処分が出来た。もともと、悪人退治は 斎藤屋敷の斎藤さんの仕事だったが、クソ大和田のせいで 斎藤屋敷が解体されてしまった。なので、今回の話のように金の工面には、苦労するようになってしまった。ただ この日を機に、久米さんの依頼で、斎藤さんが天誅を行うようにとなっていった。次回の話は、糞詐欺師 会津藩 筆頭家老 クソ高倉健に、金を渡します。その上で、きよじ君とクソ高倉健が、俺に気付きます。この頃は、土方歳三が俺の本名なのに、1回目の東 清二としての人生を終えた以降、クソ高倉健は、俺のことを きよじ君と呼びやがる。そんでもって、俺が思っていることと反対のことを言うとデマを流し、不幸の使者として不幸をばらまく。不幸の王様も、人々や世界中を不幸にしていく。さて、どうなっていくことやら。以上。
読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!