第六十二話 挨拶
壬生での準備と、会津藩の若殿とやらに挨拶に行くところです。
俺の名は、土方歳三。豚たちと 愉快な仲間を連れて、壬生と呼ばれる場所に引っ越すところだ。それでは、愉快な仲間達を紹介しよう。まずは、俺の唯一無二の親友 斎藤一。おそらく 斎藤さんは、武器を使ってでの戦闘では、日本一どころじゃなく 世界一だろう。そして、大体 俺 斎藤さんと揃うと付いてくるのが、天才中の天才 沖田総司だ。沖田は 俺と同い年で、俺と斎藤さんと共に 侍を目指している。そんな沖田を温かく見守り、沖田の保護者でもあるのが、井上源三郎だ。俺は 省略して、源爺と呼んでいるが、源爺は 前世での反省を生かし、この人生では長生きに努めている。他に、『天然理心流』の師範 近藤勇、その近藤さんの用心棒 野口君、それと新しく 侍を目指す 仲間に加わったのが、安藤 ジュンヤとリュウスケだ。
壬生へ到着した。壬生への引越しは、斎藤さんと 仏教の高僧 久米さんが、相談して決めた。それだけあって、開けた土地で 近くに小さな川が流れ、裏には竹林があるし井戸もある。ここなら大人数の住める 屯所も作れるし、道場も作れる。俺は、薩摩藩で 作り暮らしていた家の、反省を踏まえ しっかり準備し考え、ちゃんとした住処にしようと決めた。川の流れを利用した 便所、ため池 竹林の罠などを企む。幸い、既に 雨風しのげる建物もある。当面は、これで大丈夫だろう。
「斎藤さん!壬生は、なかなか良い所だ。屯所も道場も、俺が自由に創っていいかい?」と俺。
「はい!建築では、俺はトシさんに敵わないので。ここ壬生が、トシさんに気に入ってもらえて良かったです」と斎藤さん。
「うん。大人数の住める 広めの屯所。広い道場に、下水道のある厠。竹を利用した罠まで作れる。プール代わりのため池も作ろう。あとは俺が、京都所司代の会津藩の若殿とやらに、挨拶に行く 日取りが決まったら、教えてくれ」と俺。
「かしこまりました。建築資材や、お金 米 酒類は、俺の方で用意しときます。では、早速 行ってきます」と斎藤さん。足早に立ち去る。うん、持つべきものは親友だね。
「よっしゃああ!作るぞ、建てるぞ!」と俺。何故だか、頭が冴えわたっている気がする。この現象は、俺が 居るべき場所に居ると起きる。
「じゃあ 沖田と源爺は、前の豚小屋を参考に、もっと大きな頑丈な小屋を創ってくれ。ここ壬生では、豚たち だけじゃなく 牛も飼育するぞ」と俺。
「ウキッ」と沖田。何やら 楽しげだ。
「牛も飼育する!それは、良いですね。早速、設計から取りかかりましょう」と源爺。そして、テキパキと動き出す 沖田と源爺。
「近藤さんは、ここに新しく 理想の道場を創ろう。無論、『天然理心流』の道場をね。これからは 侍として、斬るか斬られるかの闘いが待ってる。その時、実戦でこそ威力を発揮する『天然理心流』の教えが、活きてくると思うんだ」と俺。
「よしっ、史上最強の最高の道場を、創ります!」と、気合いの入った近藤さん。傍らで、相変わらず無言の野口君が、見守っている。
「トシさーん!僕とリュウスケは、何をしてればいいですか?」と安藤君。
「うん、安藤君とリュウスケは、連れて来た 豚たちを見ててくれ。豚たちが、京の都を逃げ回ったら厄介だからね」と俺。
「はーい!」と安藤君。リュウスケと一緒に、豚たちの様子を見ている。
一斉に 建築資材や、米 酒が届き この早さ、さすが斎藤さんだ と思っていたら、京都所司代の会津藩の若殿との、対面の準備が整ったとの連絡が入る。俺以外 みんな仕事中で、なおかつ こういう時は 自分1人で行った方が良いので、みんなにその旨伝えて 俺1人で行く事にした。あとは、会津藩の若殿に会うのに、このオンボロ刀に この格好で、大丈夫だろうか?と率直に思った。
使いの者について行き、京の都にある 会津藩の京の藩邸へと通される。そしたら奥座敷から、従者をたくさん引き連れた 斎藤さんが、「トシさん!もう来てくれたのですか」と言って出てきた。
「ああ。仕事の差支配はしたし、俺だけ 手が空いてたからな。で、斎藤さん、京都所司代の会津藩の若殿とやらは?」と俺。
「トシさん、もう居ますよ」と斎藤さん。
「て事は、斎藤さんの引き連れている 従者の中に居るのか。多分、そこの1人だけ 髪型の違う、長い髪の毛の 巻き髪の男だろう。俺の名は、土方歳三だ。そちらも、本物でも偽者でもいいから、名を名乗れ!」と俺。
「はいっ!綾野と申します。自分が本当に、会津藩の若殿かは、正直 僕にも分かりません!ただ もっと良い若殿が、会津地方に居ます。僕の名など 覚えてもらわなくていいので、噂に違わぬ 本物中の本物 土方歳三様、当面 よろしくお願いします」と、綾野と名乗る男が、深々と頭を下げる。
「トシさん、当面は この綾野が、京都所司代です」と斎藤さん。
「了解。何で 京都所司代が、斎藤さんの従者をしているんだ。役者をするものとしての格の違いか。斎藤さん、会津藩の若殿で 京都所司代になった男への挨拶は、これで終わりでいいかい?」と俺。
「はい。トシさん、忙しいところ わざわざ、ありがとうございました!」と、斎藤さんが頭を下げる。それを見て、驚いた様子の従者たち。綾野を含め、全員 平身低頭 、俺に向かって頭を下げる。
「じゃあな!」と俺。俺は頭を下げず、その場を立ち去る。
〈斎藤一、本名 オダギリ ジョー。この挨拶の場においても、その存在の凄さをまざまざと見せつけられた。会津藩の若殿で、京都所司代の男が 斎藤さんに付き従っていた。俺の唯一無二の親友にして、史上最強スリートップの一角。オダギリ ジョーと菅原文太は、俺の方から自分の人脈にしたいと申し出た。それを、2人とも 快く受け入れてくれた。オダギリは親友として、文太は子分としてね。そして それに、俺を含めて3人で 天上人となった。2016/12/15今現在は 3人バラバラだけど、利害が一致しているし 進んで行く方向も同じで、天上人の住む 天上界が、俺たち3人を待っている。天上界、汚れも穢れも知らないところで、プライバシーだけじゃなく 安心安全が保障されている場所。早く行かなくちゃ!〉
《2016/12/15の30年前から 今現在まで、日本だけじゃなく 世界も、全宇宙の支配者 大和田の支配する 大和田の世だ。誰かが言っていた、吐き気を催す時代。日本まで、災害大国になってしまった。そんな全宇宙の支配者 クソ大和田と俺 東 清二は、それぞれの存在を懸けた 消すか消されるかの戦いを、およそ数千年前から繰り広げており、その戦いも最終局面に入った。もう こちらの勝利は、決定している。あとは、それがいつになるかだ。クソ大和田が、禁止した 俺の念能力。それが、いつ復活するかだ。詐欺師 高倉健は、やっと死に 大和田の側の人間になった。俺から 全てを奪った福岡も、もはや遠い昔だ。だから 俺の宝物 ピノコ・ナディア・哀姫!頼むから 会いに来てくれ。君の存在が、希望だ。もう俺は、限界なんか とっくに超えてしまってるから…。》
こうして 壬生での 新しい暮らしと、斎藤さんの存在もあり、会津藩の若殿で京都所司代の男への挨拶を、無事 終えた。これで会津藩とは、深い繋がりで結ばれていき 侍としての忠義が、試される事となる。誰に仕えるかね。次回の話は、壬生での 建築と建設の話の予定です。さて、どうなることやら。以上。
読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!