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「副長、土方」  作者: 東 清二
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第五話 城内

江戸城にたどり着いたところです。

第五話 城内

                   リュシフェル

 因縁をつけてきた二人の侍を撒いて、とうとう江戸城までたどり着いた。

「トシ、やっとたどり着いたぞ。あれが江戸城だ。長かったなここまで来るまで」

「はい。唐沢師範はここで働いてたのですか?」

「ああ。ただ、江戸城で剣術師範をしながら近くの寺子屋でも無料で教えていたがな」

「俺も習いたかったなー」

「トシっトシはもう十分強いぞ」

「でへへ。」

「さあ、行こう。江戸城内へ」

「はい」


 江戸城の正門に着く。唐沢師範の顔パスで城内へ入れた。すげー。すぐにご家老がやってきた。なにやら唐沢師範と話しをしている。

「唐沢君、この子が正統なる将軍の資格者か」

「はい。強いし、やさしい。賢くておもしろい。清水の舞台にいるところを捕まえました」

「そうか、ご苦労だった。さあ、少し休んでいなさい」

 どうやら、俺のことを話してたらしい。本当に俺に将軍の資格などあるのだろうか。まだ、三歳だし。まあ、いい。なるようになるさ。


「トシ、何を考えてた」

「かわいい女のことを。でへへ」

「本当は何を考えていたんだい?」

「もしも、もしもですよ。俺が将軍になれるのならば、何をしようかなと思って」

「大丈夫。私の推薦がある」

「だいじょうぶ?」

「多分」

「多分じゃねえかー」

「ははは、トシ。大船に乗ったつもりで」

「しかし、泥で作られて大船であると」

 すると、さっき唐沢師範と話していたご家老に呼ばれる。とりあえず城内を案内してくれるらしい。将軍不在の城内は静まり返っていた。「大奥」へとつながる扉まで来た。ご家老に、この先は何があっても入らないようにと念を押される。でも、そう言われると入ってみたくなるよね?


 ご家老に将軍の玉座を見せてもらう。とりあえず座ってみた。唐沢師範があわててやめさせようとするが、なんとご家老はそのままで良いと言う。やっと本物が座ってくれたと一人、感動している。しかし、一人また一人と、ほかの家老や大老、老中までもが集まって来た。みんな一様に俺の顔といる場所を見て驚いている。が、まだ誰も動けないでいた。玉座に座る俺のとなりには、殺気を放つ唐沢師範がいた。そして、ご家老が口を開いた。


「この玉座に座っているお方は正統なる将軍の継承者である。このお方を次期将軍にするか私が切腹するか、おのおの方決められよ」

 抜刀する唐沢師範。のんきに、ピーチクパーチクうるさい老人たちを眺める俺。何も決まらない。みんな一様にただただ驚いている。しょうがないから俺が決めよう。

「この抜刀しているお兄さんに斬られるか、俺の話を聞くかどちらが良い?」

「ここをどこだと思っている」とひとりの大老。

「俺を誰だと思っている。爺ばっかじゃねえか。老害という言葉をしってるかい?」と俺。影で唐沢師範が笑っている。たくっ。


 とりあえず現将軍がいる場で話し合うことになった。これだけでも大きな前進だ。切腹を賭けたご家老も、抜刀した唐沢師範もとりあえず安堵していた。たくっ命がけかよ。以上。

よろしければ続きも楽しみにしてください。

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