第四十九話 天上
全宇宙の支配者 大和田のせいで、滅多に揃わない 天上人 3人揃い踏みでの、話です。
俺の名は、土方歳三。でも 最近では その名も、忘れ去られ、記憶の片隅にあるだけだ。そして、今 俺が呼ばれてる名が 清水の次郎長。そこで、極道達の世話役をしていた。そしたら 喧嘩を売られはしたけど、俺に 菅原文太と言う、子分が出来た。なので、極道の世話役をしているのも 、悪くはないなと思い始めた頃の話。
俺の子分となり、極道の一番下っ端からスタートした 文太だったが、極道の二大派閥 澤野一派 小久保一派をも 飲み込む勢いで、出世していく。もう既に 文太は、澤野にも小久保にも、俺の代わりに 極道を治める代貸として 認められるようになった。そんな折 極道の館に、客人が訪ねて来た。1人は 俺が会いに来るのを待っていた、斎藤一。本名、オダギリ ジョー。もう1人は 俺がとっとと死んで消えて無くなってくれと 心から願っている、全宇宙の支配者 クソ大和田だ。
「久し振りだなぁ。俺の唯一無二の親友、現在名 斎藤一。本名、オダギリ!」と俺。時代も時空も超えた再会に、俺も 思わず笑顔が溢れる。
「トシさん!トシさんですよね。ここに、いたんですね」と斎藤さん。
「何か 話したいことと話さなきゃいけないことが、山ほどある。とりあえず そこのクソ全宇宙の支配者を、極道の館には 入らせたくないので、どっか外で話そう。文太、俺の親友とクソ大和田だ。親友の方は、今は 斎藤一と名乗っている。斎藤さんの方だけ、挨拶しといて」と俺。
すると文太は、これぞ裏稼業という凄みを滲ませながら「菅原文太と申します。斎藤一さんの方だけ、よろしくお願いします。クソ大和田の方は、生かしちゃおけんからのお」と言う。
斎藤さんは、大和田の首根っこを掴み、大和田をぶん殴りながら 移動してる。そして 人通りの少ない、少し開けた場所に着いた。
「とりあえず、大和田をぶん殴ってぶん投げる!」と俺。大和田が、俺の足元で もんどりうつ。そのまま 俺は、足で 大和田の首を絞め、失神させておく。
大和田に 意識がないのを確認してから、俺は「天上人3人、揃い踏みだなぁ。ここに 大和田が居なければ、最高だったのに。斎藤さんは、どうやってこの時代この場所に 来れたんだい?」と訊く。
「クソ大和田を捕まえて、トシさんの所へ案内しないと 殴り続けるぞと 脅し、散々 大和田をぶん殴ったら、トシさんの所まで たどり着けました」と斎藤さん。
「じゃあ、俺 斎藤さん 文太の 天上人の資格を有する3人で、自己紹介 意見交換 現状把握、そして これからのことについて話し合おう。じゃ、まずは俺から。この時代に飛ばされて来るまでの名前が、土方歳三。今は 極道の世話役をしていて、清水の次郎長と呼ばれている。そんでもって、つい最近 文太を子分にした。ちなみに文太は、ヤクザ マフィア ギャング 極道 を含む、裏稼業のトップにするつもりだ。その準備も、整いつつある。あとは俺が、清水の次郎長としての人生を終え、もともとの土方歳三としての人生に戻らなきゃね。俺としては、そんなところだ」
「トシさんの親友の、斎藤一と言います。斎藤一は自分で考えた名前で、本名はオダギリ ジョーです。この人生では、トシさんと一緒に 侍を目指していたのですが、その途中で 大和田が現れた。クソ大和田をトシさんが、脳天唐竹割にしてぶっ殺したら 大和田の死体が消えてなくなり、その後 トシさんまで、消えてしまった。なので、頑張って ここまで来ました」と斎藤さん。
「あっしの名は、菅原文太と申します。清水の次郎長親分に、喧嘩で敗れたのに 子分にしてもらいました。今は 極道の、中堅どころをしています。あっしの人生は始まったばかりですが、親分が先程 言っていたとうり、裏稼業のトップになれるように 精進致しやす。よろしくお願いします」と文太。
「うん、俺もそうだし 斎藤さんにしろ 文太にしろ、三者三様の色々な 人生の始まり方があったんだと思う。でも 確かなことは、もう既に始まってしまっている。だから少なくても、ちゃんと生きなきゃいけないと思うんだ。そして 俺はともかく、斎藤さんも 文太も、それが出来ると思うんだ。そうすれば、全宇宙広しと言え 全宇宙に たったの3人しかいない、俺と斎藤さんと文太だけしか持っていない、天上人の資格を誇らしく 掲げられる。そして 俺は無理でも、斎藤さんと文太は 家族を持ってくれ」と俺。
「家族…」と斎藤さん。
「あっしに 、家族…」と文太。
「斎藤さんも 文太も、結婚して 親になる事を最低限、叶えてくれ。俺の場合は、子種がないから 結婚も親になる事も、無理だけどね。ただ 俺の宝物【哀姫】やニケ姫 ミケ姫と、ずっと一緒に居れて ずっと一緒に生きていけることを、俺は願っている。そして 遠い将来、それを必ず 叶えてみせる」と俺。
「はい!」と斎藤さん。「へい。かしこまりました」と文太。
「じゃあ クソ大和田が、意識を取り戻したら、俺が清水の次郎長としての人生と使命を終え 土方歳三としての人生に戻り、侍を目指す人生の続きを出来るように交渉しよう」と俺。
斎藤さんが、大和田に何発か蹴りを入れると、大和田が意識を取り戻して逃げ惑う。
「大和田っ!俺は、土方歳三としての人生に戻るからな!」と俺。
「いやよお、俺は お前対極道達の潰し合いを、楽しみに 見に来たからよお。勝ち残った方を、俺の側の人間にしてやるからよお」と大和田。相変わらず 大和田は、何も分かっちゃない。いつものことだけど。
「大和田っ!今の俺は、清水の次郎長として、極道達の世話役をしている。別に 沖田総司と源爺を、この時代この場所に連れて来れるなら、ここで 清水の次郎長として、斎藤さんとも 文太とも、一緒にやっていく事も 出来るんだぞっ!」と俺。
「きよみずのじろうちょう…。おきたそうじ!それは、駄目だ。何で いつもお前だけが、名を上げ 這い上がるんだ!極道と潰し合いをさせるために、ここに送り込んだのに。分かった!ひじかたとしぞうの人生に、戻らせてやる。極道まで、お前の側の人間になったら 困るからよお…」と大和田。
「じゃっ、斎藤さん。清水の次郎長一家の館で、再会を祝って 宴会でもしよう。極道達も、待たせてるし」と俺。
《やっぱり どうしたって、全宇宙の支配者 クソ大和田を 完全に完璧に 永遠に絶対に、ぶっ消さなきゃならない。じゃないと 天上人の資格を持つ、俺 斎藤さん 文太の人生を、大和田が難癖をつけて邪魔ばかりする。だから この頃よりだいぶ以後、これからは組織として 大和田をぶっ消す戦いをしようと、俺は決意したんだ。俺が選んだ 組織が、武装戦線。もともとは 不良少年の集まりで、大和田の暴挙を見かねて 反 大和田の旗を掲げた。ただ 初代武装戦線で 生き残ったのは、たった2人だけだった。大和田や 大和田の側の人間たちに、家族を人質に取られたり いつもの汚い手口で、初代武装戦線の残りのメンバー10数人は、家族ごと 完全に消された。二代目武装戦線には、1人しかいない。誰も 消されるからと、メンバーに成ろうとはしなかった。そして俺が、三代目武装戦線・頭に成った。副ヘッドに、オダギリ ジョー。メンバーに、沖田総司とデビット伊東がいる。そして 三代目武装戦線 四代目武装戦線の後見人が、菅原文太だ。ちなみに相談役は、江頭2時50分だったりする。武装戦線は、今は活動休止中だが 俺が念能力を手に入れれば、活動再開のめどがたつ。きっと、もうすぐ そこだ!》
こうして 俺 斎藤さん 文太の、天上人 有資格者の3人揃い踏みとなった。そして 斎藤さんが、大和田をとっ捕まえた事により、元々の侍を目指す 土方歳三としての人生に戻れる、筋道が見えた。もう きっと、文太を子分にして 極道をさせれば、清水の次郎長としての、俺のなすべき事はないだろうからね。次回の話は、極道達との別れと、幕末の動乱期に舞い戻ります。さて、どうなることやら。以上。
楽しんで、いただけましたでしょうか?よろしければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!