第百六十九話 影腹
武士の魂と云われた 刀の時代も終わり、戊辰戦争へと突き進む 新選組の参戦する者の中から、近藤勇と 野口君は、離脱します。新選組 副長、俺 土方歳三は、近藤勇が遠隔操作されていた 針を抜き、自由にします。近藤さん と野口君は、偽名を名乗り 投降して…。今の俺の名前、年齢、思い、俺にとっては 本当の自分の存在、失ったモノ、それ故に 手に入るモノも、描かれています。では!
幕末と呼ばれる時代から、混沌の後、明治維新に向かう 過渡期を日本国は迎えていた。その混沌を、旧幕府方の人的犠牲者を、どう 最小限に抑えて 乗り切るか?を、新選組 副長、俺 土方歳三は、最後の使命としていた。そして、北上していく戦線より早く、北上している 新選組の参戦する者ら の中で、四番隊 隊長 近藤勇と 四番隊 副隊長、野口君が、刀の時代も終わり、負け戦が この先 見込まれる中、離脱しようとしていた。
「トシさん!近藤さん と、野口君の新選組からの離脱は、避けられないのですか?」と、悲しい声で 、安藤 ジュンヤ 新局長が、言う。
「うん、避けられないね。その代わり 薩賊 クソ大和田が、江戸城無血開城が成ったので、江戸を素通りしてくれたから、江戸に暮らす者たちの被害が出なかったので、それで 良しとしよう。明治天皇が、江戸城に引越したら、江戸は改名して 日本の首都にするしね」と俺。
「トシさん!薩賊の事も、江戸での事も、どうでもいいです。もう、僕たち 新選組が味方する、会津地方まで 目と鼻の先です。せめて、会津地方に着くまででも、近藤さん と 野口君を、一緒に連れて行けませんか?」と、安藤 ジュンヤ 新局長。
「うん、まず もうすぐ終わるけど、近藤さん は、操作系の念能力で、遠隔操作され 調子のいい日と、調子の悪い日がある。戦さ場では、それは 命取りともなる。その上、近藤さん だけは、新選組の侍たちの中で、唯一 写真を撮られている。よって、顔と名前が 売れてるから、戦場には 連れて行けない。2人が述べていた通り、ここらが 潮時だろう。俺は、来るもの拒んで 去る者追わずだから、説得はしないよ。俺でも、説得できないだろうし。俺の言う事を利かないのは、3つの大罪のうちの1つだし、それを近藤さん に、犯してほしくないしね。だから、2人の説得なら 新局長が、してみてくれ。そして、結果だけ 教えてくれ」と俺。
「そうか…。3つの大罪に、引っかかってしまうのか…。じゃあ、僕が 新局長として、説得してきます」と言い、安藤 ジュンヤは、2人の元へ向かった。
そして、泣き腫らした顔の安藤 ジュンヤ 新局長と、調子が悪い状態の近藤さん、野口君が姿を見せた。
「トシさん…、説得 失敗しました」と、悔しそうな 安藤 ジュンヤ。
「うん、だろうね。近藤さんの操作されてる 状態が、今までで 1番悪いからね。でっ?近藤さん と 野口君は、新選組を離脱して、どうする事に したんだい?」と俺。
「大和 守之助という偽名で、敵に 投降致します。新選組の名前は、伏せます。生きるも八卦、死ぬのも八卦です」と、近藤勇。
「はーっ…。そう決めたのなら、とやかくは言わない。ただし 今の近藤さん の状態は、操作系の念能力で、遠隔操作をされている状態なので、それだけ 解いとくぞ。もう 俺が待っていた一点は、とうに超えているので、これで 近藤さん が、操作系の念能力で 操作される事は、なくなる。直していいか?」と俺。
「よろしくお願いします」と、野口君。
「また 野口君の声が聞けた!そんじゃ、直すぞ」と俺。
俺は、近藤さん のこめかみに、両手の曲げた中指で、ぐりぐり 指圧をする。序でに、近藤さんの頭に刺さっていた、操作系の念能力者が使う 針を具現化して、抜く。
「どうだい?近藤さん。久し振りの自由の身は?もう 操作もされず、新選組からも、除隊だ」と俺。
「土方殿!頭が、すっきり しました」と、近藤勇。
「そんなもんじゃ、ないけどな。じゃあ 俺たち 新選組は、越後国に向かうよ。近藤さん と 野口君は、晴れて 自由の身だ。生きるも良し、死ぬもよし、好きにしてくれ」と俺。
最後に 安藤 ジュンヤ 新局長が、「死ぬ事だけが、武士道では ありませんよ」と伝え、近藤勇と野口君は、敵に 投降しに向かった。
越後国に向かう 旅支度をしていると、偽名が通用せずに、近藤さん と 野口君が、捕縛された事が、【円】を使い 判明した。それは、ジュンヤも 同様で、がっくり肩を落としている。
「じゃあ 新選組と、源爺 部隊 50名、出発!」と俺。
行軍する中、安藤 ジュンヤ 新局長が、源爺に、近藤勇と野口君を助けられないか?相談している。
「ジュンヤ君、君の立場は 仮にも、新局長です。武さん が、こういう時 どうしてたか?を、思い出してください」と、優しく 諭す 井上源三郎。
「トシさんに、頼む」と、安藤 ジュンヤ。
「そうです。ジュンヤ君の身分なら、トシ君に お願いしてみてください。それで 駄目なら、誰が どうしても駄目です」と、源爺。
「トシさん、時間が ない事は、分かっています。でも、近藤さん を、助けたいです。お願いします!」と、安藤 ジュンヤ。
「野口君もか?」と俺。
「はい。野口君も、助けたいです」と、安藤 ジュンヤ。
「源爺が、仮にも と言っていた通り、ジュンヤは 組織の長、新局長なんだ。新局長としての判断か?」と俺。
「はい!どうしても です」と、安藤 ジュンヤ 新局長。
「了解。時間がないから、早歩きになるぞ。近藤さん と 野口君の処刑が、敵たちの中で 決まっている。ジュンヤは、皆んな が、俺の後をついて歩くように、指示してくれ。進路変更!」と俺。
「進路変更!皆んな、トシさんの後を、早歩きで ついて行ってください」と、安藤 ジュンヤ 新局長。
俺は、【円】を使いながら、捕縛され 詰め腹を切らされようとしている、近藤さん と 野口君の居る場所へ、急いで向かう。
到着すると、当たり前だが、門番が 2人 立っていた。
俺は、「新選組 副長、土方歳三だ。まかり通る!」と告げ、木造の門を 前蹴りで、ぶっ壊す。
庭にて、今まさに 近藤勇と 野口君が、短刀で 腹を切ろうとしている ところだった。
「切腹中止、影腹で 済ます」と言い、俺は 庭に入る。
すぐに、一番隊 八番隊、銃火砲部門の内田 ジュン らが、庭に侵入して あっという間に、敵拠点を占拠した。
「近藤勇君、野口君も、ここで 偽名で、一旦 死んだ事にしよう。影腹と言って、地位も名誉も身分も、何もかも捨てるなら、生き残れる方法がある。新選組 四番隊の地位、侍としての身分、捨てれるかい?」と俺。
「近藤さん!生きてこそです!」と、安藤 ジュンヤ 新局長が、懇願している。
「ガハハハッ笑!地位も名誉も身分も、全部 捨てます」と、近藤勇。
「よっしゃあ、影腹に移行する」と俺。
「近藤勇、潔し」と、捕縛した 敵の責任者が、言った。
《さてと、2019/01/23今現在、2回目の東 清二として、体験した事のない 歴史も知らない 未来を生きている 俺は、37歳と ちょっとになり、社会人は 社会人だが、社会の最底辺で 燻り中だ。俺にとっては、待ち焦がれた 本当の自分 大天使長 ドン・リュシフェルに成れる前の、やっとの最後の最後の人生。でも、元 幸福の王子の俺 VS 不幸の王様 クソ大和田との、お互いの存在を完全に消すか?消されるか?の戦いに、決着をつける為に、1度 不利益を被って、クソ大和田と 大和田の側の人間たち 糞・黒人の9割以上を消す為の条件を、満たさないといけなかった。結果、それが 仇となり、この最後の最後の人生は、最低最悪の人生になってしまったけどね。俺が、1度手放したモノ 才能 念能力 人脈 金 女【無限】【自由】【愛】。これらは、俺が あと12年間と7ヶ月を切った 俺の寿命が尽きるか?俺に 俺の念能力が返ってくれば、容易く 手に入るし、勿論 もう手放さない。そして、余りにも 不利益を被ったので、【永遠】と【絶対】という概念も、手に入れる 事が出来る。俺は、憎しみは、永遠に絶対に 忘れないから、北方領土から 独島 竹島を含む 日本全国に存在する、糞野郎と糞女から 成る、大和田の側の人間たちを、全員 消そう。そして、俺は 死に、本当の自分に成って、やっと 不死身のクソ大和田も 消せる、死神の鎌【改】で、復讐を完遂する。そうすれば、活動休止中の 俺の本来の称号、人々を幸せにする 幸福の王子でも、しますかね。それには、俺に 俺の念能力を、返せ!心なら、とっくに折れているから》
こうして 近藤勇と野口君は、新選組を離脱したが、新局長 立っての願いもあり、切腹は 免れた。影腹というのは、武士や侍が、一般人になる時に用いられる、死を免れられる行為だからね。さて、次回の話は、侍を辞めた 近藤勇さん と 野口君が、俺のお勧めもあり、ヤクザになります。果たして?以上。
読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!