第百六十五話 合流
北上していく 戦線よりも早く、北上している 新選組の参戦する者らは、江戸の西部 多摩地方に入ります。そこには、元気になって 健康になった 八番隊 副隊長 井上源三郎がおり、生きる気力を失っていた 沖田総司が、やっと復活します。ただ 懸念していた通り、炊いていた 米の量が足りず…。今の源爺や 沖田の居る場所、今の俺の名前、状態、思い、年齢、寿命、本当の自分の存在、これからのビジョンも、描かれています。では!
幕末と呼ばれる時代は、終わった。元号も、俺が 名付けた 明治に、改まっている。そして 徳川幕府の元 国を閉じていた 日本は、明治天皇の元 国を開き 新しい時代、日本の夜明けを迎えようとしていた。一方、侍としての最後の役目が、日本国内での内戦を最小人数の人的犠牲者で、終わらせようとしている 新選組 副長、俺 土方歳三は、会津地方の為に 参戦している 新選組の者らと、江戸の西部 多摩地方を目指して、行軍していた。新選組の良心で、沖田総司の保護者 井上源三郎と、久し振りに再会して、合流する為に。
「トシさーん!トシさん が居て、斎藤さん まで居ます。僕たち、最強じゃないですか?」と、新選組 新局長の安藤 ジュンヤが、はしゃいで言う。
「うん、史上最強 スリートップのウチの2人、俺と斎藤さん が揃っているから、ジュンヤの言う事も、あながち間違いではない。史上最強 スリートップの最後の一角は、松風という名の 俺の愛馬なんだけど、これは そう揃わない。今は、健康になった 源爺と再会して、天才中の天才 沖田総司が、生きる気力を取り戻してほしい。あとは、源爺と合流する事が 解っていながら、大して炊いてない 米の量が、足りるか だね」と俺。
「副長、もうすぐ 源さん が居る、多摩へ到着です。なるべく早く、沖田に会わせたいので、外で待つように伝えてあります」と、斎藤さん。
「それは、有り難い。戦さや 戦争での、沖田の使える度は、半端ないしね。もうすぐ、少し過ごして事がある 多摩地方に返り咲きか」と俺。
俺たち一行は、江戸の西部 多摩地方に入り、斎藤さん の案内で、昔懐かし 天然理心流の道場があった場所に、到着した。そして そこには、朱槍を構えた 井上源三郎と、50人ぐらいの男たちが居た。
「源さーん!お久し振りです。ちゃんと、元気になりましたか?」と、安藤 ジュンヤ。
「はい。この槍さばきを、見てください」と言い、源爺は 見事な 槍さばきを、披露する。
「うん、源爺。健康になったどころか、昔より 強くなってるじゃねえか。念の為、改めて 質問するけど、最大級の呪いや 祟りの一種 沖田風邪を、ちゃんと克服したんだよな?」と俺。
「はい。その為に 鍛錬を重ねて、昔より 確かに強くなりました」と、井上源三郎。
「よしっ、それなら 想像以上に、良い。新選組の人事が変わったり、積もる話は たくさんあるけど、生きる気力を失っている 沖田を、元気付けるのが 先だ」と、俺は伝える。
俺は、大八車の上で 寝込んでいる 沖田のところへ行き、沖田の目線からでも、源爺が捉えられる角度に、大八車を動かす。
そして 沖田に、「沖田、源爺が 元気に健康になったぞ。君も、元気になりなさい」と、俺は伝える。
沖田は、恐る恐る 首だけ動かして、源爺の方を向いた。
「沖田君!この槍さばきを、見てください。健康になったどころか、トシ君からは、昔より強くなったと、お墨付きを頂きました!」と言い、源爺は 槍を振るう。
「ウキーッ!」と、沖田は言い、一目散に 大八車より跳ね起き、源爺に抱きついた。
「沖田君、私が体調を崩したのは、決して 沖田君の所為では、ありません。私が、弱かった。ただ、それだけです。けれど、その甲斐あって 昔よりも、強くなれました。沖田君も、こんなに痩せこけて…。ちゃんと、食べれるうちに 食べなきゃ駄目ですよ」と、源爺は、優しく 諭す。
沖田は 号泣しながら、何度も 頷いている。
「まったく、沖田は…。源爺の女、安藤優子さん より、先に抱きつく奴が、いるか?じゃあ 沖田は、もしゃもしゃ食べて、もしゃもしゃ出しなさい。これから、戦さ続きだ。機能していなかった分、もりもり 働いてもらうぞ」と俺。
「ウキーッ!」と、言い 元気になった 沖田は、まずは 握り飯を、頬張り始めた。
「源さん…!元気になって、健康になって…。お久し振りです」と、感動した様子の安藤優子さん。
「ウキーッ」と、それを引き裂き 炊いてあった米を食べ始める 沖田総司。炊いてあった米は、すぐになくなった。
「ほら見ろ、安藤 ジュンヤ 新局長。炊いた米の量が、足りねえじゃねえか。生きる気力を失っていた 沖田が、元気になった 源爺に会える事が、解っていて 何で、沖田が復活する事を、予測できないんだよ。米 炊き直すのには、最低でも 30分は、かかるぞ。これくらいでは、ミスの内には 入らないけど、新局長として 判断する事、決めていく事を、しっかり やってくれ」と俺。
「すいませんでした!八番隊 隊長、安藤優子さん!僕の判断ミスで、元気になった沖田さん用の米が、足りませんでした。すぐ、炊いてください」と、安藤 ジュンヤ 新局長。
「だから、ジュンヤ。費用対効果も そうだけど、時間対効果も 考えないといけないんだ。この場合の正解は、飯屋に行くだ。金がないなら ともかく、俺たちには がっつり退職金が、勘定方筆頭より 支給されてるしね。源爺、この辺で 飯屋は、あるかい?できたら、祝い酒も 飲みたい。沖田が 復活しただけじゃなく、天然理心流の師範 近藤勇さん も、新選組 四番隊 隊長として、晴れて 故郷に錦を飾れたからね」と俺。
「かしこまりました。酒も飲める、食べ物屋さんに行きましょう。トシ君、私が貰った 退職金、ちゃんと増やしておきましたよ。なので、私が ご馳走します」と、源爺。
「馬鹿か、貰った退職金を使わずに、増やして どうする。まあ 新選組の良心で、コツコツ努力ができる さすが 源爺と、いったところか。それと、ちょうど 50人居る 使えそうな若者たちは、これから 戦さや、死地に向かうのだけど、付いてくるつもりなのか?」と俺。
「はいっ!」と、男 50人の若者たち。
「皆んな 刀を差して、勢揃いだけと 源爺、ちゃんと鍛えたかい?もう 刀の時代は、終わったぞ」と俺。
「トシ君!ちゃんと、鍛えてあります。天然理心流や、近藤勇君や、トシ君たち 新選組に、憧れを抱いて 集まった若者たちです。死は、覚悟の上です。何とか、トシ君たちと 一緒に、戦えませんでしょうか?」と、源爺。
「死は、覚悟しているのか…。新選組に、入ることは できない。少数精鋭で、いきたいしな。でも、侍に成る事は、できる。俺は、常に 大儀でな。少なくても、俺より 後に、死ななきゃ駄目だぞ。死に場所は、源爺とも 相談して、自分たちで 決めるように。斎藤さん は、撤収して 生き残るから、斎藤さん と共に、生きる道を選んでも いいからね」と俺。
「良かった!トシ君に、受け入れて もらえた。気の良い 若者たちなので、トシ君が 思う存分、使ってあげてください」と、源爺。
「じゃあ、飯 風呂 宴会」と俺。
ホッとした様子の源爺が 、鍛え上げた 若者たちが加わり、ここ多摩地方での良い合流となった。 続
《源爺と沖田は、2018/12/25今現在、天国にある 渋川剛気が 創り出した異次元にて、ジャイアント馬場と共に、出番を忸怩たる 思いで、待っているところだ。俺の過去たち と共に、土方歳三もね。兎にも角にも、2018/12/25 を生きる やりたくもなかった 2回目の東 清二としての やっとの最後の最後の人生において、俺が 俺のキーとしてしまった 念能力を使えるようになるか?最悪、あと12年間と8ヶ月もある 俺の寿命が尽きる事を、待つしかない。天皇に成らなかったのは、日本が 自然災害大国になってしまった事 以外は、どうでもいいけど、この最後の最後の人生の為に、取っておいた 憧れの職業、プロ野球選手にすら 成れなかった。もう 俺も、37歳と ちょっとになったから、引退する年頃か。まあ プロ野球選手に成るのは、死んで 、俺にとっては本当の自分 ちょっと出世した 大天使長 ドン・リュシフェルに成ってから、俺の側の人間で、三大長老の1人 渡邊恒雄の手柄になるよう、務めれば良いか。今の俺は、アマチュア以下だけど、プロフェッショナルの定義に、年 億 稼いでいるか?も、あるしね。さあ 念能力者に成って、俺の側の人間たちと合流して、復讐をし、死んで、本当の自分にたどり着いて、不幸をばら撒く 不幸の王様 クソ大和田たちを、完全に消さなきゃ。そんで、幸福の王子でも また 始めますかね。心が折れてようが、明日は 何事もなく、やってくるんだよなぁ》
こうして 江戸の西部 多摩地方にて、無事 井上源三郎と合流でき、やっと 沖田総司が、復活し 生きる気力を取り戻してくれた。炊いておいた 米の量は、足りなかったけど。次回の話は、江戸城 無血開城の筋道を、斎藤さん が作ったり、故郷に錦を飾った 近藤勇さん が歓迎されたり、人の量が増えたので、質が落ちないように融和を図ります。果たして?以上。
読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!良いお年を!