第百六十二話 離京
新選組 副長、俺 土方歳三は、一番隊 四番隊 八番隊と共に、日本国内での内戦の収縮と収拾の為に、京の都を離れます。死と負け戦 続きを覚悟しているので、俺の宝物 哀姫は、京に残る 北野一家に預けて行きます。哀姫も 勿論のこと、京の都の人々から、大声援で 見送られ…。今の俺の名前、状態、思い、俺にとっての本当の自分の存在と その名前、不幸の王様 クソ大和田たちを完全に消す為に、1度手放したモノ、それ故に 手に入るモノも、描かれています。では!
幕末期が終わり、日本は 転換期を迎えていた。幕末期に、侍に成る事を志し、侍に成れた 新選組 副長、俺 土方歳三の新たに生まれた使命が、もはや 刀の時代でも 武士の世でも ない中、日本をターゲットにしている 欧米列強に、つけ込まれないように 気を配りながら、日本国内での内戦の収縮と収拾を、計る事だった。その為に、斎藤一が、下準備をする為に 先発しており、俺 一番隊 四番隊 八番隊も、後発として 京の都を離れる時が、きていた。
俺と、一番隊の安藤 ジュンヤとリュウスケ、四番隊 隊長の近藤勇 四番隊 副隊長の野口君、後方支援が目的の八番隊 安藤優子さん、銃火砲部門の内田 ジュン、そして 生きる気力を失って 大八車に横たわっている 沖田総司達とで、旅支度を整え 戦さの準備も終えて、とうとう 京の都を離れる時が、きた。心残りなのが、俺の全ての人生通しての宝物 ピノコ・ナディア・哀姫を、新選組 内 北野一家に任せて、置いて行かざるを得ない事だった。
哀姫は、「京の都の為に、命を懸けて 戦い続けた お侍さん達の出発ヤイから、皆んな で、盛大に お見送りするヤイよ!」と、目に涙を溜めながら 健気に言う。
そう言われてみると、かつてあった 新選組の顔見せ行進の時よりも、多くの京の都の人々が、知らせてもいないのにお見送りに、来ていた。
「トシ坊、薩賊 クソ大和田は、薩摩藩邸で 両足が折れてる中、蟄居の身だ。ケジメとして、薩摩藩より 有り金を全部、貰っておいた。トシ坊の舎弟で、ちびっ子ギャング団の用心棒 森田剛に渡しといたから、何かの足しにしてくれ。この先 トシ坊に、死に場所があるのかもしれないけど、そう簡単には 死なないでくれ。それじゃあ 京の都に残る、新選組 局長としての おいらが、哀姫に合わせる顔がなくなる。死ぬ事だけが、武士道ではないからな」と、珍しく 真面目な顔をして、新選組 馬鹿局長、北野 武に言われる。
「うん、薩賊 クソ大和田の事は、【円】を使えば 大体 解るので、京を離れたら クソ大和田は、京に立ち入り禁止。江戸も 同じく入って出たら、立ち入り禁止にするよ。死ぬ事だけが、武士道じゃないかぁ。でも、俺は 侍なんだけどね。死に場所ぐらいは、自分で決めて、生き残っても 勿論、例え 死んだとしても、哀姫を迎えに、京へと行くよ。ただし この人生では、6歳女子 哀姫を除くと、女は できなかったのが、残念だ。馬鹿局長は、散々 女遊びを、繰り広げていたのにね」と俺。
「おうっ、哀姫と母ちゃんが 居るところで、おいらの女遊びの話は、やめてくれ。トシ坊が その気になれば、女なんて すぐに作れそうだけどな。今だって、京娘たちと 遊女たちが、エラい べっぴんさん揃いで、見送りに顔を出しているしな」と、北野 武 局長。
「うん、俺の場合、源氏の頭領と平将門をしていた時までが、運命で 女性とも、巡り会えてた。でも その分、寿命で死んだら それまでで、俺の過去として 天国に残すことが、できなかった。それなら いっそ、女を絶って 俺の過去たちを、天国に残す事にした。だから、哀姫と 上手くやっていける女性で、哀姫の紹介がないと、なかなか 俺には、正式な女は できない。モテる モテない問わずね。いつの時代も、生き急いで 女を作ってる、時間がないのも あるけどね。じゃあ、哀姫とも お別れだけど、新選組 内 北野一家とも お別れだから、くれぐれも 哀姫の安心安全を、よろしく頼む」と、この人生 始まって以来 初めて、深々と頭を下げて、俺は 頼んだ。
「おうっ、トシ坊が 深々とお辞儀をするのなんて、初めて 見たぞ。それだけ、哀姫が、大切で大事な存在という事か。トシ坊、哀姫の事は、心配いらない。おいら達で、しっかり 預かるよ。トシ坊は、飛ぶ鳥跡を濁さずで ここまで やってきているから、後顧の憂いがないように、しないといけないからな。あとは、薩賊 クソ大和田 対策と、明治天皇の引越しが、おいらの使命だな。トシ坊、身体に気をつけて、元気でな」と、北野 武 局長。
「じゃあ、ちびっ子ギャング団 用心棒。新選組 以外での参戦だから、哀姫と符合を決めといてくれ。哀姫の暮らしている家は、哀姫 以外の女が、何故か?暮らしているからな」と俺。
「兄貴、符号って 何ですか?」と、森田剛。
「うん、合言葉だよ。俺を応援する事が目的の、ちびっ子ギャング団 団長の哀姫と、森田剛しか知らない 合言葉。例えば、山と言えば 川と答える とかのね。舎弟も、報告 連絡 相談は、大事だから できる範囲で、連絡要員を務めてくれ」と俺。
「兄貴、分かりました。それを符号と言うのですね。団長!合言葉、何にしますか?」と、森田剛。
「うにうに、馬鹿トチーヤイと お別れなのに、合言葉を決めるヤイか!合言葉なんて、何でも いいヤイ。カナパンマン は、なるべく早く 馬鹿トチーヤイに、逢いたいヤイ」と、哀姫。
「うん、舎弟。符号は、山と言えば、川で いい。哀姫は、相変わらず 俺のことを、愛し抜いている。歴史上だと、俺は 死ぬんだけどね。どうしたものか…。哀姫、連れて行けず ごめんな。必ず 迎えに来るから、女子供の味方のトップ サキちゃんの言う事を聞いて、待っててくれ。うーん、俺の愛馬 松風が 居てくれたら、哀姫も 連れて行けるんだけど。サキちゃん も、哀姫は 放っておくと、餓死してたりするから、よくよく見ててくれ」と俺。
「分かりました。私の命に代えても、カナちゃんを 責任もって、お預かりします」と、北野 サキさん。
俺は、最後に 哀姫を抱きしめる。
「馬鹿トチーヤイ、なるべく早く 迎えに来て、くださいヤイ…。」と、哀姫の悲痛な声がした。
この痛みが、日本の為とはいえ、侍たる者、乗り越えないと いけないのだろうか?
「よっしゃっ!新選組の本物の侍達、大儀の為 痛みを乗り越え、まずは 源爺との合流を果たすべく、北上するぞ。日本国内での内戦を、鎮圧しながらな。出発!」と俺。
「うおおーっ!」と、新選組の参戦する 面々。
京の都の人々から、大声援を受けながら、俺たち 新選組の参戦する者たちは、大手を振るって、出発した。
ただし、哀姫の「フレーフレー、馬鹿トチーヤイ!頑張れ、頑張れ!馬鹿トチーヤイ!フォォ!」という応援が、最後に 俺の耳にこだまして、俺は 身が引き裂かれる思いで、泣かないよう 堪えるのが、精一杯だった。 続
《はーっ…、哀姫かぁ。2018/12/05今現在、やりたくもなかった 2回目の東 清二として、最後の最後の人生の最期を迎えようとしている 俺の周りには、哀姫も 勿論のこと、俺の側の人間たちも、居ない。その代わり、おおよそ 一千年振りに、俺の周りには、クソ大和田も 糞野郎と糞女から成る 大和田の側の人間たちも、存在しない。この2回目の東 清二としての、俺にとっては 本当の自分 大天使長 ドン・リュシフェルに至る 前の、最後の最後の人生は、その事を 知っており 俺を消す為に、全てを懸けていた クソ大和田と 大和田の側の人間たちの邪魔があり、皇太子として生まれてきて、プロ野球選手に成ろうとしていた俺は、福岡の極道編が鬼門となり、超人的な【絶】の達人として、転落と流転の果てに、敵の手の内から 出ることで、やっとだった。もう 俺も、37歳と ちょっとになり、寿命まで おおよそ、12年間と8ヶ月を切っている。寿命を迎えるか?念能力が復活すれば、俺の過去たち 同様、土方歳三も、人が試され続ける場所、地球へと来れるようになる。図らずも、全ての事柄のキーパーソンとなった 俺のキーが、大失敗だったけど、念能力としてしまった。再び 念能力者に成れれば、クソ大和田たちを完全に消す為に 手放したモノ、【無限】【自由】【愛】才能 人脈 金 念能力 女 喜びという感情を、もう一度 手に入れ、もう 手放さない。そして、不死身のクソ大和田も 完全に消せる、死神の鎌【改】で 復讐を終える。そして、【永遠】と【絶対】という概念も、手に入れ 本当の自分 大天使長 ドン・リュシフェルで、俺の本来の称号 幸福の王子として、不幸の王様 クソ大和田たちの所為で、不幸に塗れた世界を、幸せで 埋めるんだ。消去法で、俺に残されたのが 未来。ねえ、もう 未来って、来てやしないかい?念能力だけ、返って来い。そうすりゃ、纏めて 解決だ》
こうして 新選組の参戦する者たちは、京の都の人々の大声援で見送られながら、京より 出発した。そして この時の俺は、この先 俺の全ての人生通しての宝物 ピノコ・ナディア・哀姫に訪れる悲劇を、知る由もなかった。俺自身が、死を覚悟して 京の都を、あとにしていたからね。さて 次回の話は、新選組 馬鹿局長 北野 武が、京に残るので、分派した 北上を開始する 俺たちの指揮系統の整頓の為に、新局長を立てます。果たして?以上。
読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!