第百五十四話 御旗
鳥羽伏見の戦いの後半、薩賊 クソ大和田たちが、錦の御旗を掲げて 調子をこきます。実際、旧幕府方では、同士討ちが始まり…。でも、常に 大儀である 新選組 副長、俺 土方歳三には、錦の御旗なぞ どうでもよく、来た道を引き返し、薩賊 狩りを始めます。俺にとっての本当の自分の名前、今の俺の名前、近況、思い、手に入れようとしている 概念も、描かれています。今は その為の、我慢と苦労と辛抱の時間です。では!
良くも悪くも、徳川幕府の大政奉還により 幕末と呼ばれる時代は終わった。元 中大兄皇子、元 聖徳太子で、この時代には 新選組 副長、土方歳三としての生きている 俺には、皇位継承権がある。その上で、俺が 任命した天皇が、新しい世が来るから、明けて 治めるで、明治天皇と名付けた。明治天皇は、即位し 元号は、明治 と、改められた。一方、鳥羽伏見において、新政府軍とヌカす 薩賊達と、政治の未来を担う 長州藩士たち 対 旧幕府方との戦いが 始まっており、少数精鋭ながら 俺も含めた新選組も、参戦している。旧幕府軍の本陣では、一番隊 隊長 斎藤一と 会津地方 担当の若殿 滝沢秀明が 采配を振るい、今のところ 旧幕府軍の戦死者は、0人だ。また 生きる気力を失った、一番隊 隊員 沖田総司が、大八車に横たわっており、そんな 沖田を、八番隊の安藤優子さん が見守ってくれている。
新選組 副長、俺 土方歳三と、一番隊 隊員の安藤 ジュンヤと リュウスケ、四番隊 隊長 近藤勇と 野口君、銃火砲部門の内田 ジュンと、僅か 6人の侍達で、新政府軍と ヌカす、敵の陣の真横から 一直線に、敵を倒していった。奇兵隊を解散させ、長州藩士と 戦さの終わらせ方の話がついたところで、鳥羽伏見の戦い 後半が始まろうとしていた。
「見事、全員 無事で、敵陣の真横から 遂行した、奇襲作戦は 成功した。まあ、横から 攻めれたのも、良かった。次の作戦は、もっと難儀なモノだ。来た道を戻る。もはや 奇襲ではなく、俺たち 6人の人数も、戦力も ばれている。やるか?」と俺。
「もっと、難しい作戦!やりたいです!」と、安藤 ジュンヤ。
「うしっ、良く 言った。あとは 薩賊、クソ大和田の出方次第だ。あの糞野郎は、必ず 不幸をばら撒いてから、撤収するからな。さあ 不幸の王様が、やって来たぞ」と俺。
戦さ場から 逃げだした、薩賊 クソ大久保 スグルが、薩賊 クソ大和田と、旗を掲げて 姿を見せた。
「天子様より 頂いた、錦の御旗だぞ!ひれ伏せ!旧幕府軍!これで お前らは、賊軍、歯向かえば、朝敵だぞ」と、意気揚々と クソ大和田が、ほざいた。
クソ大和田に、育てられたという、クソ大久保 スグルも、錦の御旗とやらを掲げている。
俺が 任命した、明治天皇が、クソ大和田たちに、錦の御旗なぞ 与える訳もなく、仲介に入った 公家の者の仕業だろう。ただし、たかが 錦の御旗とやらで、一枚岩で 大攻勢を仕掛けていた旧幕府方には、動揺が走っている。旧幕府軍の大砲の砲撃が止み、銃による 攻撃も、なくなった。そして、「朝敵の汚名を着せられる」と、旧幕府方の諸藩の者たちが、同士討ちを始める 始末だ。ここは、本陣に居る 斎藤一と滝沢秀明の頑張りに、任せるしかない。俺は、俺の仕事をするのみだ。
「じゃあ、ジュンヤ。錦の御旗なんぞ、怖くも 何ともない。俺は、元 中大兄皇子で 元 聖徳太子だからね。明治天皇も、俺が 任命した天皇だ。よって、現状 2つ掲げてある 錦の御旗を、俺とジュンヤで、どちらが先にへし折れるか?勝負しよう。長州藩士 達とは、話がついてるから、いざ 調子をこき出した 薩賊 退治と、いこう」と俺。
「はい!トシさん、負けませんからね。僕は、1番強い 一番隊の隊員ですからね」と、安藤 ジュンヤ。
俺たち 一向は、薩賊 目掛けて、敵にバレてるのも構わず、来た道を戻り始める。当然、敵は 待ち構えており、戦いとなる。
薩賊からは、「お前らは、賊軍だ」とか、「朝敵になるぞ」とか、たかだか 旗ひとつで、罵詈雑言を浴びせられるが、俺たちは「新選組でーす。錦の御旗を、へし折りに来ました」と、薩賊たちを倒し続けていく。
俺たちに押し込まれている 薩賊たちは、錦の御旗とやらにすがって、ひとかたまりになった。
すると、「俺の出番だな。射撃は、得意中の得意だ。錦の御旗ごと、雑魚は撃ち殺してやる」と、銃火砲部門の内田 ジュンが、薩賊に 物の見事に、弾丸を命中させていく。
「内田さん、敵を倒すのは 良いですけど、錦の御旗は、僕が へし折るんですからね」と、安藤 ジュンヤが、凡そ 命のやり取りをしている 戦さ場なのに、不満げに言う。
どんどん 錦の御旗を所持している クソ大和田と クソ大久保 スグルを守る、薩賊たちが、撃ち殺されていく中、「人の壁!ちゃんと、大和田を守れ!」と、余裕がなくなってきた クソ大和田が、叫ぶ。
「土方歳三殿!将来名、瑛太です!この無駄に、薩摩藩の者たちが消されていく事は、どうやったら 止めることが出来ますか?これでは、いくら 薩摩の芋 侍といっても、無駄死にも 程があります」と、大久保利通。
「ああ。まず 薩摩のイモ侍と言えば、小便垂れ 西郷隆盛が、戦さ場に来ず、遠眼鏡で 戦況を覗いているんだ。だから、歴史の教科書は ともかく、誰が どう見ても 旧幕府方の大攻勢で、決着をつけたい。次に、俺と 一番隊の安藤 ジュンヤで、どちらが先に お前らが持ち出した 錦の御旗とやらを、へし折れるか 勝負をしているんだ。現状、二本ある 錦の御旗を叩き斬って へし折るまでは、薩賊たちは、何の儀もないまま 無駄死にしていくな。錦の御旗も、どうせ 汚い手口で 手に入れ、持って来たんだろうしな。二本ある 錦の御旗をへし折って、不死身のクソ大和田と、逃げ足だけは早い クソ大久保 スグルが、撤退したら 薩賊狩りも、終えてやるよ」と俺。
「かしこまりました。おいっ!薩摩藩士たち!その場を直ぐに、立ち去れ。大和田なんかと、オレの名字を真似た 大久保 スグルを守っても、何の意味も 意義もない。仮に 薩摩藩に、錦の御旗を授けられたとしても、新選組 副長、土方歳三 殿の大義の前では、何の効力もない。急いで、逃げろ!」と、大久保利通。
大久保利通の、その言葉を聞いて、薩賊たちは 我先にと、散り散りに 逃げて行った。
「土方歳三殿!これで 何とか、逃げて行った薩摩藩の者たちの命だけは、見逃してやって下さい」と、大久保利通。
「ああ、この戦さ ではな。ただし、新選組は 最後まで、徳川幕府と会津地方に味方するから、この先 薩長土肥同盟の者らと、北上しながら 敵味方で、戦う事になる。次は、見逃さないからな」と俺。
「はい…。これからの薩摩藩としての戦さは、高みの見物をしている 西郷に、任せます。オレは、もう 実務しかしません。新選組の本物の侍達から、薩賊と 一緒くたに蔑まされるのも、イヤです。薩摩藩のイモ侍の命を見逃して頂き、どうもありがとうございました」と言い、大久保利通は 足早に立ち去る。
「さあ ジュンヤ、薩賊 クソ大和田と、大和田に 育てられた クソ大久保 スグルが、2人だけになった。勿論、殺してもいい。とりあえず、錦の御旗とやらを奪って、俺たちが 掲げてみるかい?」と俺。
「トシさん!旗なんて、へし折るんですよ!」と、安藤 ジュンヤ。
2人残った 文句を言い、「こっちは、錦の御旗を手入れているんだぞ。西郷は、どうした!?」と 動揺をしている クソ大和田と、クソ大久保 スグルたちの処分しないといけない 命の灯火を、俺たち 新選組で 消そうとしていた。 続
《はーっ…。2018/10/15今現在、俺にとっての本当の自分 大天使長 ドン・リュシフェルに至る前の最後の最後の人生を送る 俺は、ただただ 耐え凌ぐのみだ。最低最悪の人生になると覚悟した、やりたくもなかった 2回目の東 清二としての人生。でも、想定外のことが起き、人生が軌道から外れて、挫折と敗北を味わい、こんなにも 小さくて 脆くて 弱い自分を、痛感している。何でもかんでも、念能力が大事だと決めた事が、結果としては失敗で、未だ 俺は、念能力者ではない。今年で、37歳になった俺は、いつ 念能力が復活するのか?まるで 分からないから、あと12年間と10ヶ月を切った 寿命が尽きる事を、心待ちにしている。転落と、流転につぐ 流転の果てに、クソ大和田や 敵の手の内からは、出れた。オーライ、もう 最期だ。奪われたモノも、欲しいモノも、【永遠】と【絶対】という概念も、全て 手に入れてやる。そう 希望的観測かもしれないけど、そう遠くない 未来にね》
こうして 鳥羽伏見の戦いの後半、薩賊たちは、錦の御旗とやらを掲げた。旧幕府方は、同士討ちが始まり 混乱をきたしたが、常に 大義がある 俺と新選組には、通用しない。そもそも、俺が 明治天皇を任命しているしね。次回の話は、錦の御旗をへし折りまくる話と、混乱している旧幕府方 本陣にて、撤収の準備です。果たして?以上。
読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!