第百四十六話 先発
源爺との取引で、人の怪我や 病を治せる、新選組 副長、俺 土方歳三でも治せない、最大級の呪いや祟りの一種、沖田風邪。それを完治させる為、沖田総司の保護者を自認する 井上源三郎は、江戸の西へと旅立ちます。が、沖田が 責任を感じ、付いて行こうとして…。北野 勝 勘定方筆頭の用意した 退職金の額も、半端なく…。今の俺の名前、近況、思いも、描かれています。では!
時代は幕末、戦い続けてきた 欧米列強、徳川幕府の元 戦わない道を選んだ 日本国。人の命が懸かっていたら、技術力は 日進月歩で進み、欧米列強と日本国には、戦争の道具や 火力や技術力の差が、生まれていた。学べば済む 人を殺す為の、火力と技術力の高さを背景に、まずは 龍玉と呼ばれる 地球の中心を示す 金剛石がある 清国が、植民地化され 次のターゲットは、日本となっていた。そして、徳川幕府は 外圧に屈して、それを良しとしない若者たちや、この幕末の動乱期に それぞれ使命を持った 将来、日本の芸能界で 活躍する者たちが、それぞれ 自分の使命を全うしようとしていた。そして、新選組 副長、俺 土方歳三の使命は、侍に成る事だったので、使命は果たした。あとは、徳川幕府の悪手、長州藩への第二次征討令の下、烏合の集が 攻め入っており、その敗戦処理と 日本国内の内戦で、他国に 付け入る隙を与えないように、気を配っていた。
俺は、新選組を離れる 後方支援を目的とする 八番隊の井上源三郎と、決闘をした。理由は、かつて 源爺が、「槍なら、トシ君と闘える」と言ってしまった事と、丁度 沖田風邪を患う 源爺が、仮に死んでも 問題ない タイミングだったからだ。沖田総司の保護者を自認する 源爺が、沖田からも 新選組からも 時代の中心 京の都からも、離れるので 源爺の命の価値は、例え 俺の側の人間とはいえ、どうしても 下がるしね。立会人の斎藤一の審判のジャッジで、決着がつき 新選組の屯所の玄関より、源爺が、江戸の西部 多摩地区へと、出発するところだ。
新選組の侍達が、源爺を見送る為、勢揃いする中、退職金に 米に日本酒が積まれた 大八車に、意気消沈した 沖田が、ちょこんと座っている。
「皆さま方、私なんかの見送りのために、わざわざ 集まってもらい、ありがとうございます。いずれ新選組も、日本国内の内戦の処理の為に、北上するそうなので、私は 先発の者として、先に北上します。沖田君、私が 先に新選組を離れる事は、決して 沖田君の所為ではありません。さあ、顔を上げて。沖田君、私が 居なくなっても、新選組には、頼り甲斐のある 仲間たちが、たくさんいるじゃないですか」と、井上源三郎。
「ウキ」と 沖田は言うが、ちょこんと大八車に座ったままだ
〈これ沖田、このまま 源爺と、行動を共にする つもりだな。でも それじゃ、沖田風邪は 治らないしな〉
「よしっ、沖田と同じ、一番隊の隊員 安藤 ジュンヤと リュウスケ、沖田を大八車から 降ろしてくれ。このまま 沖田が、源爺と行動を共にしたら、最大級の呪いや 祟りの一種 、沖田風邪が治らない。力ずくでも、沖田を大八車から 降ろしてみてくれ」と俺。
「はい!もう 沖田さん、いずれ僕たち 一番隊も、京の都を離れて 北上するのですからね。早いか?遅いか?の違いだけですからね」と、安藤 ジュンヤ。
ジュンヤは、リユウスケと共に、沖田を大八車から 降ろそうとするが、「ウキキ」と沖田は 抵抗する。
「まったく、君は…。こうなりゃ、力ずくだ」と、俺は言い、沖田の首根っこ 取っ捕まえて、大八車より 降ろす。
「源さん、身体に気を付けて、お元気で。必ず、生きて会いましょう」と、源爺と交際している 八番隊の安藤優子さん が、別れの言葉を伝える。
その最中、沖田は 大八車の下に、潜り込んだ。
「なーに、しばしの別れです。新選組の皆さま方も、沖田君のことと、安藤優子さんのことを、よろしくお願いします。では、先発として 出立します」と、井上源三郎。
〈源爺、沖田君のことを、よろしくお願いしますって、その沖田は、源爺が持って行く、大八車の下に潜り込んでいるぞ…。〉
「トシ坊!沖田君のことを 、よろしくお願いします と言われても、肝心の沖田君の姿が、見えないぞ」と、北野 武 新選組 馬鹿局長。
「うん、肝心の沖田総司は、大八車の下に潜り込んでる。もはや、このまま 江戸の西部 多摩地区まで 行けたら、ウケる次第だ。沖田の処理は、斎藤さん に、任せる」と俺。
「かしこまりました。ったく、沖田は…。沖田から、一定期間 距離を置かないと、沖田風邪は、治らないんだよ。一緒に 出発したら、治るモノも 治らねえじゃねえか」と、斎藤さん。
源爺が、新選組の皆んなに、見送られながら 大八車を引いて 出立するが、沖田も 大八車の下に潜り込みながら、移動を始める。
「源さん、ちょっと 止まってて下さい。大八車の下に、モグラか ネズミが、潜り込んでいます」と、斎藤さん。
斎藤さんは、刀の鞘で、大八車の下に居る 沖田を突っつく。その上で 斎藤さんは、沖田を 大八車の下から 引きずり出して「てめえ、沖田!お前が着ている、俺がデザインした 新選組の栄光の隊服が、泥まみれじゃねえか!」と、斎藤さんは、新選組の お洒落番長 ならではの発言で、沖田を 取っ捕まえた。
「フフフッ笑。それでは 沖田君は、斎藤一君と 一緒に見送ってください。沖田君、モグラや ネズミでは、駄目ですよ。沖田君の存在は、世界で輝く 一等星です。私の病について、1ミリも 沖田君に、責任はありません。私が 弱かった。ただ それだけのことです。沖田君の保護者、失格です。次に 会う時は、胸を張って 私は、天才 沖田総司の保護者である と言えるよう、強くなります。だから、どうか お達者で」と言い、新選組の良心 井上源三郎は、出立した。
俺としては、報告 連絡 相談は、どれも大事で 文を書くように、源爺に 念を押してあるので、文さえ届けば 大丈夫だと、判断した。
源爺の姿が 見えなくなると、沖田は 真っ直ぐ下を見つめて、無言で 自分の部屋に、入って行った。
「それにしても 北野 勝 勘定方筆頭、凄え 多額の退職金を用意したな。源爺が引いて行った 大八車に、小判がぱんぱんに積まれているじゃねえか。源爺も、こんなに大金が!?と 開けてみたら、驚くだろうな」と俺。
「井上源三郎 殿は、八番隊で 八は末広がりの吉数でもあるので、きっちり 8,000両 積みました。新選組の退職金として、足りたでしょうか?」と、北野 勝 勘定方筆頭。
「末広がりの八かぁ。さすが、新選組の勘定方筆頭、充分だ。金は、有るところには 有る、という話かぁ。俺をもってしても、数字と数学じゃ、勘定方筆頭には、敵わないな」と俺。
「トシ坊が、敵わないなんて…。おいっ、勝!8,000両も 退職金を出して、新選組の資金は、大丈夫なのか?これから 日本国内での内戦で、トシ坊達にも 金が要りようだろうし」と、北野 武 局長。
「大丈夫ですよ。金なら、幾らでも 作れます。土方歳三 副長 殿には、40,000両、退職金を用意してあります」と、北野 勝 勘定方筆頭。
「うん、俺の退職金なら 4,000両も 有れば、充分だ。金も 米も 酒も 武器も、足りなきゃ 敵から奪うまでだ。じゃあ 新選組に、金が有る事が 分かったところで、馬鹿局長は、意気消沈している 沖田を笑わせられないか?挑戦してみてくれ。もうすぐ、新選組に 巻き起こっていた、負の連鎖が底を打つ。源爺から 手紙が届いたら、俺も 沖田を元気付けられないか?挑戦するよ」と俺。
「おうっ、分かった。おいら も、勝なんかに負けないように、局長らしい事をしないとな」と伝え、北野 武 局長は、沖田を笑わせに向かった。 続
《はーっ…。そして、2018/08/25今現在、2回目の東 清二として、俺にとっての本当の自分 大天使長 ドン・リュシフェルに至る、正真正銘 最後の最後の人生を送る 俺は、疲れ果てた。もうすぐ 37歳になるが、まだ 寿命まで 13年間と少し もある。たった、一欠片、念能力をくれ!あとは、こっちで どうとでもできる。復讐を終え、世界中を幸せにするプランを、俺は もっているから。それと 哀姫、起こらないから 奇跡と呼ばれるんだけど、奇跡って ヤツを起こして、俺に逢いに来てくれ。それで、この生き地獄は 終焉を迎えるから》
こうして、沖田の保護者を自認する 新選組の良心、井上源三郎は、新選組 本体から、先発して 旅立った。別れは 大概、辛いもので 沖田には、酷だったかもしれないが、不幸の王様 クソ大和田を、ぶん殴った回数 世界一の天才 沖田総司を、これ以上 落ち込みさせたくない。本来 沖田風邪は、俺の過去たち 3人を消すために、クソ大和田がつくらせた、最大級の呪いや祟りの一種で、それでも 俺の過去たちは消せず、ターゲットが 沖田に利益を与えた者に、切り替えられたモノだからね。次回の話は、新選組に 巻き起こっていた、負の連鎖が、やっと 底を打ちます。さて、どう 底を打つでしょうか?以上。
読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!