第百四十五話 決闘
新選組の良心、井上源三郎が 沖田風邪を患い、治す為に 沖田総司から、距離を置くことに。そのタイミングで 俺は、源爺の槍VS俺の刀で、決闘をします。さて、槍と刀、どちらが使えるでしょうか?決闘の理由とは?決着後、沖田総司は、泣き叫び…。今の俺の名前、近況、状態、思い、恋人枠の女性の名前も、描かれています。では!
時代は幕末、戦さや 国同士の小競り合い、はたまた争いごとをし続けて、人の命が懸かっている為、火力と技術力だけは進歩した 欧米列強。戦さや 争いごとだらけだった戦国時代での反省を生かし、徳川幕府による 鎖国政策で、国を閉じ 武士の世、その分 平和な世を200年以上続けてきた、我が日本。だが、200年以上の平和のツケを、学べば済む 火力と技術力の高さを背景に、欧米列強の圧力により、払わせされようとしていた。龍玉と呼ばれる、世界の中心を示す 金剛石が有る、清国が、欧米列強により 植民地化された。欧米列強の次のターゲットは、日本国となり 徳川幕府は、外圧に屈した。江戸時代は、将軍はもとより 政を司るのは、大老や 老中と呼ばれる 歳を重ねた者たちで行われてきたが、外圧には屈しない気概を持つ 若者たちに、政のバトンが渡ろうとしていた。そんな中、徳川幕府は 悪手となる、第二次征討令を長州藩に向けて発令し、烏合の集と共に攻め入っている。
一方、この時代、侍に成る事を志し、侍に成れた 新選組 副長、俺 土方歳三は、薩長土肥同盟の存在を知っているので、長州藩が勝ち残ることも知っており、たかだか 日本国内の内戦で、他国に 付け込まれないよう気を配り、内戦の犠牲者を最小限にすべく動いていた。新選組は、最後まで 徳川幕府と 越後国も含めた会津地方に味方することが決まっているので、敗北するモノに味方する 負け方も、考えていた。そして、不幸をばら撒く 不幸の王様 クソ大和田が、作り出した 最大級の呪いや祟りが、新選組 八番隊の井上源三郎に降り注ぎ、完治させるには 沖田総司と、一定期間 距離を置くしかなかった。そんでもって、源爺が 江戸の西部 多摩地区に出立する朝を迎えた。
「斎藤さん、場合によっては 俺と源爺が、刀VS槍で 決闘をするから、どこか草むらで隠れて 沖田と一緒に、見学しててくれ。刀と槍、どちらが強いか?と、審判も兼ねて どちらかが死にそうになったら、そこまで と止めてくれ」と、俺は 斎藤さんに伝える。
「かしこまりました。確かに、源さんの槍は 少なくても一流なので、副長の刀VS槍は、興味があります。ただし 副長は、俺が そこまで と言ったら、手を止めてください。現状、副長に敵う相手は、地球には居ません」と、斎藤さん。
「了解。沖田、源爺は 沖田風邪を患っても、槍持たせりゃ 強いから、斎藤さんと、おとなしく見学してなさい。源爺が、先に一旦、新選組を離れるだけで、死ぬ訳でもないし、日本から 居なくなる訳でもない。だから 沖田、そんな悲しい顔をしないで」と俺。
「ウキ…。」と、意気消沈している 沖田。
斎藤さんと、斎藤さんに 首根っこ掴まれた沖田が、草むらに隠れる。そして、用があると 俺が呼び出しておいた、井上源三郎が、槍を携え やって来た。
「トシ君、呼び出された通り、槍を持って来ましたよ。用とは、いかようですか?」と、源爺。
「うん、槍と刀、どちらが使えるか?知りたくてな。そこで、源爺の槍と、俺の刀で、白黒はっきり 決着をつけようと思ってな。源爺、俺と決闘だ」と俺。
「トシ君…。確かに、刀VS槍 どちらが使えるかは、興味がありますが、何も 私が新選組を離れる日に、行わなくてもいいのじゃないですか?」と、源爺。
「源爺が、一旦 新選組を、離れるタイミングだから、丁度いいんだよ。どうしても、俺や斎藤さんに、沖田や 文太らと離れると、人としての価値も、命の値段も 下がる。何も、殺し合いをしようと言うんじゃない。刀VS槍の決着をつけよう」と俺。
「しかし、トシ君。トシ君や 新選組の皆さんに、私が交際している 同じ八番隊の安藤優子さんを、預ける身です。トシ君と、決闘をしている場合では、ありません」と、源爺。
「その安藤優子さん だったら、ヒーヒー言わせてやったぜ」と俺。
「トシ君!安藤優子さん に、手を出してのですか!?まさか、強姦を?」と、さすがに気色ばむ 井上源三郎。
「さあな。俺と、決闘するか?源爺?」と俺。
「トシ君 怒!覚悟!」と、源爺は 槍を構え、一度 闘ってみたかった槍の名手VS俺で、決闘が始まった。
井上源三郎は、槍の名手だけあって なかなか刀の間合いに、入らせてもらえない。しかも、槍のしなり方も 自在に操り、俺を殺す気はないかもしれないが、少なくても 倒しにきている。俺は、刀を鞘に入れたまま 闘おうとしていたが、相手は とっくに本身だ。
「まさか 刀を抜く事に、なるとはな。さすがだな」と俺は 呟き、刀を抜く。
そして、源爺に向かって、思い切り 鞘を投げつける。源爺に、一瞬の隙が生まれ、俺は 何とか、源爺の槍を足で 踏みつける事に成功し、あとは 俺が大上段に構えた刀を、源爺の頭 目掛けて、振り下ろすだけだ。
俺が、刀を振り下ろす動作に入ったら、「そこまでっ!」と、斎藤さん の気迫がこもった 大声がした。
「ここまでか。強い者を見ると、戦いたくなる。俺の悪い癖だ。悪かったな、源爺」と、俺は謝り 刀を鞘に納め、踏み付けていた 槍からも、離れる。
斎藤さんが、草むらより 姿を見せて、「源さん、冷静になって 考えてみてください。副長は、強姦なんて しませんよ」と諭す。
「斎藤一君が、見学と 立会人を、務めてくれていたのですね。お陰で、斬られずに済みました。そういえば、相手が トシ君だったら、和姦はあっても 強姦はしませんし、ありませんね」と、源爺。
「ああ。何とか 源爺と、刀VS槍で 決闘をする為の、苦肉の策だ」と俺。
「それと、源さん。副長の前で、喧嘩や 槍の自慢をしませんでしたか?源さんは、紛れもなく 副長の側の人間で、そうでもしないと、こんな形で 決闘なんてことに、なる訳がありません」と、斎藤さん。
「そういえば、多摩地方の道場に居た頃、槍を使えば トシ君相手にも 闘えると、言ったことがあります」と、源爺。
「それだ」と俺。
「それです」と、斎藤さん。
「ハハハッ笑!口は 災いの元ですね。以後、気をつけます」と、井上源三郎。
「うん、はるか昔、俺と斎藤さんと沖田が、初めて 3人揃った時に、強くなろう。強くあろう と、決めたんだ。その相手に、槍 自慢をしちゃねえ?それと源爺、沖田も 草むらから 見学をしていたよ。泣いてる みたいだけどね」と俺は、伝える。
すると沖田が、「トシさんっ!おいら が、新選組から 出て行く。おいら の所為で、斎藤さんも 源さんも、重い病を患った!おいら が、出て行く!」と、泣きじゃくりながら 叫ぶ。
「だから 沖田風邪は、100パーセント 沖田の所為ではないと、伝えただろう。不幸の王様 クソ大和田による、逆恨みで 発生した 最大級の呪いや祟りの一種だ。源爺が 今日の昼には、先に 多摩地方へと 新選組を離れるのに、沖田が 泣きじゃくっていたら、保護者として心配するだろ。さあ 沖田、顔と口角を上げて。しっかり、源爺を見送るぞ」と俺。
「ウキ…」と、沖田は 俯いたままだ。
「沖田君、何も 死に別れる訳でもないので、今までも これからも、トシ君の言うことをよく聞いてください。私のことは心配ありません。私が、弱かった。ただ それだけの事です。では、出立の準備がされてる所へ 向かいましょう」と、源爺。
「ああ。ヒーヒー言った事のない 安藤優子さんに、抱擁でも しときなさい。じゃ、退職金と米に日本酒が山積みの大八車まで、行きますか」と俺。
涙が止まらない 沖田を、源爺は 励まし、新選組の屯所の玄関の前に用意された、大八車まで、 俺たちは向かう。 続
《はーっ…。そして、2018/08/17今現在、やりたくもなかった 2回目の東 清二として、最後の最後の人生を送る俺は、何をやってるんだ?俺は?ただのアホなんじゃねえか?と思いながら、早く 寿命が尽きる事を願っている。もう 全宇宙の支配者の座を追われた、不幸の王様 クソ大和田によって、時間が巻き戻される事も、人生 やり直しを食らう事もない。もう、最期だ。俺のキーにしてしまった 念能力さえ手に入れば、復讐と死を終え、俺にとっては 本当の自分 大天使長 ドン・リュシフェルに成れる。浜崎あゆみ と、クソ大和田が選んだのが【今】。消去法で、俺に残されたモノが【未来】。未来なんて、もう来て ないかい?》
こうして 源爺の槍VS俺の刀での、最初で最後の決闘を終えた。井上源三郎は、沖田風邪を患いながらも、さすが 俺の側の人間、強かったー!次回の話は、源爺が 新選組からも京の都からも、離れるので そのお見送りです。さて、どんなお見送りに?以上。
読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!