表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「副長、土方」  作者: 東 清二
142/192

第百四十二話 始病

かつて 斎藤一さいとうはじめを、瀕死の病人まで 追い込んだ、沖田総司おきたそうじに利益を与えた者が患う、不幸の王様 クソ大和田おおわだが、術者を総動員して作った 呪いや祟りの一種、沖田おきた風邪が、新選組しんせんぐみの良心 井上源三郎いのうえげんざぶろうの身体を、蝕み始めます。心配する 同じ八番隊の安藤優子あんどうゆうこさん ですが、俺でも 治せない…。土方歳三ひじかたとしぞう以後の、今の俺の名前、近況、思いも、描かれています。では!

時代は幕末、争いや 戦いをし続けて、火力と技術力だけはある 欧米列強。戦国時代での反省と、女 子供の願った 戦のない世、平和な世を鎖国政策のもと 国を閉じ、武士の世を続けてきた徳川幕府と 我が日本。ただし、争いや戦いには 人の命が懸かっており、それをし続けてきた欧米列強には、人を大量に殺す為の武器の性能の高さと、世界最新の技術力があり、世界の中心を示す 龍玉りゅうぎょくの有る国、清国しんこくも 支配下に置かれた。そして、欧米列強の新しいターゲットは、日本となり 学べば済むだけの火力や技術力の差で、徳川幕府は 外圧に屈した。そして、それを良しとしない若者たちが、倒幕へと動き出している。そんな中、外圧には屈した 徳川幕府も、長州藩ちょうしゅうはんには 第二次征討令を出し、自らの首を絞める 悪手を断行してしまった。


一方 この時代、さむらいに成る事を志し、さむらいに成れた 新選組しんせんぐみ 副長、俺 土方歳三ひじかたとしぞうは、坂本さかもと君の中身として 薩長土肥同盟を成立させた後、今度は 日本国内での内戦の犠牲者を、最小限にする事と、欧米列強は 勿論、朝鮮にも 付け込まれないように、一分の隙もない状態を目指し、動いていた。ただし、新選組しんせんぐみ 自体が、最後まで 徳川幕府と会津地方あいづちほうに味方する事が 決まっていて、敗北する以上 かつて新選組しんせんぐみに起きていた 負の連鎖が、沖田おきた風邪という形で、沖田おきたの保護者を自認する 八番隊の井上源三郎いのうえげんざぶろうの身体を、蝕んでいっていた。


新選組しんせんぐみを分派していった者らは、斎藤さいとうさん と一番隊とで、見逃すなり 処分するなりした。四番隊 隊長 近藤勇こんどういさみは、操作系の念能力で 遠隔操作されてる状態だが、四番隊 副隊長 野口君ぐちくんが、常に帯同し なんだかんだ、俺の言う事は聞くので、何とかなれてる。だが、俺でも 治せない 沖田おきた風邪という、不幸の王様 クソ大和田おおわだが創り出した 病魔が、新選組しんせんぐみの良心 八番隊 井上源三郎いのうえげんざぶろうの身体で、始病しびょうした。沖田おきた風邪の病原は、呪いや 祟りなので、取引により 自分の怪我や病気は治せないけど、他の者の病気や怪我は治せるようになった 俺でも、治せない…。


治すことができない事が、解っている俺に、八番隊の井上源三郎いのうえげんざぶろうが、交際している 八番隊の安藤優子あんどうゆうこさんに 付き添われ、会いに来た。

「トシ君、身体の調子が あまり良くありません。どんどん 動けなくなっていきます。治せますでしょうか?」と、源爺げんじい

「うん、源爺げんじいが患っている病は、沖田おきた風邪といって、不幸の王様 クソ大和田おおわだの逆恨みによって、術者を大量に動員して創られた、呪いや 祟りの一種なんだ。沖田総司おきたそうじに、利益をもたらした者に、降りかかるね。せっかく 源爺げんじいと、取引とりひきをして 人の怪我や病気が治せるようになったのに、呪いや祟りだと 治せない。ただし、沖田おきた風邪にかかるのは、3人までだ。1人目は、斎藤さいとうさんが患った。沖田おきたと 一定期間、距離を置く事で 完治した。2人目が、源爺げんじいなら、3人目は 俺だろう。俺は 俺で、何とかするから、源爺げんじい沖田おきた風邪を完治させるには、沖田おきたから なるべく遠くに、一定期間 距離を置くしかない。俺や 沖田おきたは、やっと年齢は 十代後半だけど、源爺げんじいだって 三十代だろう。健康にも 気を使っているし、まだ 寿命ではない。源爺げんじいの故郷が、何処だか知らないけど、江戸の外れの多摩地方に、居住する準備も、しててくれ。その場合、ふみも 書くようにね。治せなくて、すまん」と俺。

「トシ君でも、治せない…。」と、気落ちする 安藤優子あんどうゆうこ

「なーにっ、沖田おきた風邪だかなんだか 知りませんが、ただの呪いと祟りじゃないですか!病は気からです。久し振りに、槍の鍛練をして 病なんか、吹き飛ばしてやりましょう」と、源爺げんじい

「まぁ 病は気からは、半分は本当だから 吹き飛ばせるなら、それに越した事はない。ただし 安藤優子あんどうゆうこさんは、源爺げんじいが 京の都を離れて、徳川幕府を見渡せる 江戸の外れの多摩地方で療養する準備を、始めててくれ。沖田おきた風邪は、斎藤さいとうさん でも、動けないぐらいの瀕死の病人になったから、準備だけは しててくれ。確かな事は、沖田おきたから 距離を置けば、治る」と俺。

「かしこまりました。最上案は、病は気からで 治す。下の案は、沖田おきた君から 距離を置くですね」と、安藤優子あんどうゆうこさん。

2人は「運動と、精のつくものを食べましょう」と、話し合いながら 屯所の方へ、戻って行った。


斎藤さいとうさんと、一番隊が姿を見せ、それに 森田もりた ごうも、皆んな 楽しそうに、屯所へと帰陣した。

斎藤さいとうさん だけ、話しがある。ジュンヤ、馬鹿局長を呼んで 来てくれ」と俺。

「トシさん、僕も リュウスケも、除け者ですか?僕たちだって、新選組しんせんぐみ 一番隊の隊員ですよ」と、安藤あんどう ジュンヤ。

「ああ。ジュンヤも リュウスケも、俺が 死ぬまで一緒だ。状況が悪化したら、改めて 伝えるよ。馬鹿局長を、呼んで来てくれ」と俺。

「はい。まったく、もう 子供では ないんですからね」と、ブーたれながら 安藤あんどう ジュンヤは、北野きたの たけし 馬鹿局長を、呼びに行った。


北野きたの たけし 局長が、急いで やって来て、俺と斎藤さいとうさんと 森田もりた ごうの4人が集まった。

「まだ 万が一、治るかもしれないから 沖田おきたには、情報は伏せておくけど、後方支援を目的とする 新選組しんせんぐみ 八番隊の井上源三郎いのうえげんざぶろうに、通称 沖田おきた風邪が発病した。斎藤さいとうさんは、患った事があるから解るかもしれないが、沖田おきた風邪は 呪いや祟りの一種だ。クソ大和田おおわだが、術者を騙して 総動員して作られたモノだ。人の怪我や病気が、治せるようになった俺でも、悔しいけど 残念ながら治せない。当の源爺げんじいは「病は気から」と言い、安藤優子あんどうゆうこさんの看病も あるから、大丈夫と思いたいけど、確実に治すには、源爺げんじい沖田おきたから離れて、距離を置くしかない。遠ければ遠い方が良いから、江戸の外れの多摩地方ぐらいまでね。斎藤さいとうさんは、連絡手段の確立。馬鹿局長は、北野きたの まさる 勘定方筆頭かんじょうかたひっとうに 事情を話して、源爺げんじいの分の退職金の準備。森田もりた ごうは、文太ぶんたへの報告の準備と、撤収の準備をしててくれ」と俺。

「ここにきて、げんさん に、沖田おきた風邪か…。副長ですら 治せない、最終的には 瀕死の病人になる 呪いと祟り。確かに、多摩地方なら 土地勘がありますし、江戸の状態も 知れるので、距離を置くには 良い場所ですね。準備だけは、しておきます」と、斎藤さいとうさん。

「トシ坊、通称 沖田おきた風邪というのは、どういう仕組みで、なるんだい?呪いや祟りの一種なら、お祓いでも して貰えば、良くなるんじゃないかい?」と、北野きたの たけし 局長。

「うん、死後の念と言って 呪いや祟りを打ち消せる術者が、呪いながら クソ大和田おおわだによって 消されていった。だから、呪いや祟りのレベルが最大級なんだ。沖田おきたに利益をもたらした者に、沖田おきた風邪が発病する。1人目が、斎藤さいとうさん だった。斎藤さいとうさん でも、瀕死の病人になった。2人目が、源爺げんじいだ。だと、3人目は 俺だろう。ただし、沖田おきた風邪に患うのは3人までなので、源爺げんじいさえ 克服してくれれば、3人目の俺は 半日で、克服してみせるよ。どちらにしろ 馬鹿局長は、俺たちが居なくなってもいいように、準備をしてくれ」と俺。

「おうっ、了解した。とりあえず 物は試しで、お祓いの準備も しておくよ。死後の念だか知らないが、沖田おきた君に 利益をもたらした者が、呪われたり祟られたりして、いい訳がないからな」と、北野きたの たけし 局長。

各自 うつむき、それぞれの準備に、取り掛かった。 続


《はーっ…。で、2018/07/28今現在、やりたくもなかった 無駄に2回目のひがし 清二きよじとして、正真正銘 最後の最後の人生を送っている 俺は、心なんて とっくに折れ、想定していた以上に、最低最悪の人生になったなぁ と、思い知らされている。天皇にも プロ野球選手にも、なる筈だった俺が、社会の最底辺で 生き地獄をのたうち回っている為、大災害を神道の儀式で 防ぐことが唯一の役目なのに、糞・偽者の天皇と皇太子には、それすら出来ない。せめて、俺が 東京に住んでいる事で、科学的に 起こる起こると言われている、関東大震災だけは 防いでいる。念能力も禁止され、才能も奪われ、金も 無ければ、今までは何とか あった 取っ掛かりすらない。これで、俺のがわの人間たちとも 会えないと、1番大事にしていた 最後の最後の人生も、福岡行きが鬼門となり、破綻と破滅を迎えた。俺のキーの念能力が、いつ復活するのかが、さっぱり解らん。最低最悪を想定すると、寿命まで あと13年間と1カ月ちょい、このままだ…。哀姫かなひめに 巡り逢い、もう ずっと一緒に居る事。大災害を防ぐ事と、復讐の為、とっとと俺の念能力を、俺に寄こせ!》


こうして 不幸をばら撒く、不幸の王様 クソ大和田おおわだの逆恨みによって 創り出された 沖田おきた風邪が、沖田総司おきたそうじの保護者 井上源三郎いのうえげんざぶろうの身体で、始病しびょうした。源爺げんじいは、新選組しんせんぐみの良心なのにね。次回の話は、北野きたの たけし 馬鹿局長がお祓いを試しても、どうやっても 源爺げんじいを蝕む 沖田おきた風邪は進行して、落ち込む 沖田総司おきたそうじらの話です。さて、どうなることやら。以上。

読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ