第百四十二話 始病
かつて 斎藤一を、瀕死の病人まで 追い込んだ、沖田総司に利益を与えた者が患う、不幸の王様 クソ大和田が、術者を総動員して作った 呪いや祟りの一種、沖田風邪が、新選組の良心 井上源三郎の身体を、蝕み始めます。心配する 同じ八番隊の安藤優子さん ですが、俺でも 治せない…。土方歳三以後の、今の俺の名前、近況、思いも、描かれています。では!
時代は幕末、争いや 戦いをし続けて、火力と技術力だけはある 欧米列強。戦国時代での反省と、女 子供の願った 戦のない世、平和な世を鎖国政策のもと 国を閉じ、武士の世を続けてきた徳川幕府と 我が日本。ただし、争いや戦いには 人の命が懸かっており、それをし続けてきた欧米列強には、人を大量に殺す為の武器の性能の高さと、世界最新の技術力があり、世界の中心を示す 龍玉の有る国、清国も 支配下に置かれた。そして、欧米列強の新しいターゲットは、日本となり 学べば済むだけの火力や技術力の差で、徳川幕府は 外圧に屈した。そして、それを良しとしない若者たちが、倒幕へと動き出している。そんな中、外圧には屈した 徳川幕府も、長州藩には 第二次征討令を出し、自らの首を絞める 悪手を断行してしまった。
一方 この時代、侍に成る事を志し、侍に成れた 新選組 副長、俺 土方歳三は、坂本君の中身として 薩長土肥同盟を成立させた後、今度は 日本国内での内戦の犠牲者を、最小限にする事と、欧米列強は 勿論、朝鮮にも 付け込まれないように、一分の隙もない状態を目指し、動いていた。ただし、新選組 自体が、最後まで 徳川幕府と会津地方に味方する事が 決まっていて、敗北する以上 かつて新選組に起きていた 負の連鎖が、沖田風邪という形で、沖田の保護者を自認する 八番隊の井上源三郎の身体を、蝕んでいっていた。
新選組を分派していった者らは、斎藤さん と一番隊とで、見逃すなり 処分するなりした。四番隊 隊長 近藤勇は、操作系の念能力で 遠隔操作されてる状態だが、四番隊 副隊長 野口君が、常に帯同し なんだかんだ、俺の言う事は聞くので、何とかなれてる。だが、俺でも 治せない 沖田風邪という、不幸の王様 クソ大和田が創り出した 病魔が、新選組の良心 八番隊 井上源三郎の身体で、始病した。沖田風邪の病原は、呪いや 祟りなので、取引により 自分の怪我や病気は治せないけど、他の者の病気や怪我は治せるようになった 俺でも、治せない…。
治すことができない事が、解っている俺に、八番隊の井上源三郎が、交際している 八番隊の安藤優子さんに 付き添われ、会いに来た。
「トシ君、身体の調子が あまり良くありません。どんどん 動けなくなっていきます。治せますでしょうか?」と、源爺。
「うん、源爺が患っている病は、沖田風邪といって、不幸の王様 クソ大和田の逆恨みによって、術者を大量に動員して創られた、呪いや 祟りの一種なんだ。沖田総司に、利益をもたらした者に、降りかかるね。せっかく 源爺と、取引をして 人の怪我や病気が治せるようになったのに、呪いや祟りだと 治せない。ただし、沖田風邪にかかるのは、3人までだ。1人目は、斎藤さんが患った。沖田と 一定期間、距離を置く事で 完治した。2人目が、源爺なら、3人目は 俺だろう。俺は 俺で、何とかするから、源爺の沖田風邪を完治させるには、沖田から なるべく遠くに、一定期間 距離を置くしかない。俺や 沖田は、やっと年齢は 十代後半だけど、源爺だって 三十代だろう。健康にも 気を使っているし、まだ 寿命ではない。源爺の故郷が、何処だか知らないけど、江戸の外れの多摩地方に、居住する準備も、しててくれ。その場合、文も 書くようにね。治せなくて、すまん」と俺。
「トシ君でも、治せない…。」と、気落ちする 安藤優子。
「なーにっ、沖田風邪だかなんだか 知りませんが、ただの呪いと祟りじゃないですか!病は気からです。久し振りに、槍の鍛練をして 病なんか、吹き飛ばしてやりましょう」と、源爺。
「まぁ 病は気からは、半分は本当だから 吹き飛ばせるなら、それに越した事はない。ただし 安藤優子さんは、源爺が 京の都を離れて、徳川幕府を見渡せる 江戸の外れの多摩地方で療養する準備を、始めててくれ。沖田風邪は、斎藤さん でも、動けないぐらいの瀕死の病人になったから、準備だけは しててくれ。確かな事は、沖田から 距離を置けば、治る」と俺。
「かしこまりました。最上案は、病は気からで 治す。下の案は、沖田君から 距離を置くですね」と、安藤優子さん。
2人は「運動と、精のつくものを食べましょう」と、話し合いながら 屯所の方へ、戻って行った。
斎藤さんと、一番隊が姿を見せ、それに 森田 剛も、皆んな 楽しそうに、屯所へと帰陣した。
「斎藤さん だけ、話しがある。ジュンヤ、馬鹿局長を呼んで 来てくれ」と俺。
「トシさん、僕も リュウスケも、除け者ですか?僕たちだって、新選組 一番隊の隊員ですよ」と、安藤 ジュンヤ。
「ああ。ジュンヤも リュウスケも、俺が 死ぬまで一緒だ。状況が悪化したら、改めて 伝えるよ。馬鹿局長を、呼んで来てくれ」と俺。
「はい。まったく、もう 子供では ないんですからね」と、ブーたれながら 安藤 ジュンヤは、北野 武 馬鹿局長を、呼びに行った。
北野 武 局長が、急いで やって来て、俺と斎藤さんと 森田 剛の4人が集まった。
「まだ 万が一、治るかもしれないから 沖田には、情報は伏せておくけど、後方支援を目的とする 新選組 八番隊の井上源三郎に、通称 沖田風邪が発病した。斎藤さんは、患った事があるから解るかもしれないが、沖田風邪は 呪いや祟りの一種だ。クソ大和田が、術者を騙して 総動員して作られたモノだ。人の怪我や病気が、治せるようになった俺でも、悔しいけど 残念ながら治せない。当の源爺は「病は気から」と言い、安藤優子さんの看病も あるから、大丈夫と思いたいけど、確実に治すには、源爺が 沖田から離れて、距離を置くしかない。遠ければ遠い方が良いから、江戸の外れの多摩地方ぐらいまでね。斎藤さんは、連絡手段の確立。馬鹿局長は、北野 勝 勘定方筆頭に 事情を話して、源爺の分の退職金の準備。森田 剛は、文太への報告の準備と、撤収の準備をしててくれ」と俺。
「ここにきて、源さん に、沖田風邪か…。副長ですら 治せない、最終的には 瀕死の病人になる 呪いと祟り。確かに、多摩地方なら 土地勘がありますし、江戸の状態も 知れるので、距離を置くには 良い場所ですね。準備だけは、しておきます」と、斎藤さん。
「トシ坊、通称 沖田風邪というのは、どういう仕組みで、なるんだい?呪いや祟りの一種なら、お祓いでも して貰えば、良くなるんじゃないかい?」と、北野 武 局長。
「うん、死後の念と言って 呪いや祟りを打ち消せる術者が、呪いながら クソ大和田によって 消されていった。だから、呪いや祟りのレベルが最大級なんだ。沖田に利益をもたらした者に、沖田風邪が発病する。1人目が、斎藤さん だった。斎藤さん でも、瀕死の病人になった。2人目が、源爺だ。だと、3人目は 俺だろう。ただし、沖田風邪に患うのは3人までなので、源爺さえ 克服してくれれば、3人目の俺は 半日で、克服してみせるよ。どちらにしろ 馬鹿局長は、俺たちが居なくなってもいいように、準備をしてくれ」と俺。
「おうっ、了解した。とりあえず 物は試しで、お祓いの準備も しておくよ。死後の念だか知らないが、沖田君に 利益をもたらした者が、呪われたり祟られたりして、いい訳がないからな」と、北野 武 局長。
各自 うつむき、それぞれの準備に、取り掛かった。 続
《はーっ…。で、2018/07/28今現在、やりたくもなかった 無駄に2回目の東 清二として、正真正銘 最後の最後の人生を送っている 俺は、心なんて とっくに折れ、想定していた以上に、最低最悪の人生になったなぁ と、思い知らされている。天皇にも プロ野球選手にも、なる筈だった俺が、社会の最底辺で 生き地獄をのたうち回っている為、大災害を神道の儀式で 防ぐことが唯一の役目なのに、糞・偽者の天皇と皇太子には、それすら出来ない。せめて、俺が 東京に住んでいる事で、科学的に 起こる起こると言われている、関東大震災だけは 防いでいる。念能力も禁止され、才能も奪われ、金も 無ければ、今までは何とか あった 取っ掛かりすらない。これで、俺の側の人間たちとも 会えないと、1番大事にしていた 最後の最後の人生も、福岡行きが鬼門となり、破綻と破滅を迎えた。俺のキーの念能力が、いつ復活するのかが、さっぱり解らん。最低最悪を想定すると、寿命まで あと13年間と1カ月ちょい、このままだ…。哀姫に 巡り逢い、もう ずっと一緒に居る事。大災害を防ぐ事と、復讐の為、とっとと俺の念能力を、俺に寄こせ!》
こうして 不幸をばら撒く、不幸の王様 クソ大和田の逆恨みによって 創り出された 沖田風邪が、沖田総司の保護者 井上源三郎の身体で、始病した。源爺は、新選組の良心なのにね。次回の話は、北野 武 馬鹿局長がお祓いを試しても、どうやっても 源爺を蝕む 沖田風邪は進行して、落ち込む 沖田総司らの話です。さて、どうなることやら。以上。
読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!