第百三十七話 回帰
坂本龍馬の中身として、薩長土肥同盟 成立という、坂本君の分の使命も果たした俺は、幕末の この時代の自分 新選組 副長、土方歳三としての人生に、回帰します。俺の帰還を喜ぶ 新選組の侍たちは、得意の宴会を繰り広げ…。土方歳三としての人生の後も、生まれ変わり続けた 今の俺の名前、近況、復讐の対象の者の名前、思いも、描かれています。では!
時代は幕末、徳川幕府による 鎖国令により 日本は、武士の世 平和な世が二百年以上続いた。しかし その間、欧米列強は 戦いばかりを繰り広げてきた。人の命が懸かっている分、鉄砲 大砲 などの火力や、軍艦などの技術力に、少なくても 二百年分の差が出てしまった。たかだか 学べば済む、火力や技術力の高さを背景に、欧米列強のターゲットが日本となった。そして、徳川幕府は 外圧に屈し、良い点は 火力と技術力が上がる。悪い点は、日本にも 戦争の火種が燻る事になる、開国へと進んでいった。
そんな中、坂本龍馬の中身となり、徳川幕府に取って代わる 薩長土肥同盟を成立させた俺は、坂本君の中身を辞め、この時代の俺 新選組 副長、土方歳三としての身体と 人生に、戻った。後に、幕末の志士と呼ばれる者たちや、未来の担い手の若者たちが、倒幕へと動いている中、俺は 久し振りの新選組の屯所で、宴会でもしようと企んでいた。新選組 自体が、最後の侍として、最後まで 徳川幕府と会津地方に味方することが決まっている。なので、立場上 坂本君の中身として、薩長土肥同盟を成立させるのは、心苦しい面も あった。そりゃ 侍を志し、侍と成れた 土方歳三に戻れたら、宴会でもしようと思うに、決まってないかい?
俺の全ての人生 通しての宝物、ピノコ・ナディア・哀姫が、俺の右足に しがみ付いて、はしゃいでいる中、「アイ、バーク!」と宣言して、俺は 新選組の屯所へと行く。
「トシさーん!動けるように、なったのですね」と、一番隊 隊員の安藤 ジュンヤが言い、同じく 一番隊 隊員 リュウスケも、珍しく 嬉しそうな顔をしている。
「トシ坊!やっと、戻ってきてくれたのか。良かった…。おいらじゃ、役者不足で とても世界を睨みながら、日本国内の内戦を処理するなんて出来ない」と、北野 武 新選組 馬鹿局長。
「うん、身体を残して 土佐藩士 坂本龍馬として、中央集権政治は変わらないけど、薩長土肥同盟という 新しい仕組みを作った。積もる話は、多々あるけど 何はともあれ 久し振りの再会だ。宴会としよう」と俺。
「ウーキーッ!」と、嬉しそうな 沖田総司。
「副長、お久し振りです。宴会は歓迎しますが、薩長土肥同盟が結ばれば、徳川幕府はなくなります。その為、それなのに最後まで 徳川幕府に味方する、我らが 新選組から、離反する者も 出てきます。斬りますか?」と、一番隊 隊長 斎藤一。
「うん、まず 斎藤さんが斬りたい者は、いつでも斬っていい。その上で、判断に迷う場合は、俺に聞くか?時と場合による。新選組は、来る者拒んで 去る者追わずで いこう。滅びゆく 徳川幕府と、糞詐欺師 クソ高倉健が、会津藩 筆頭家老に返り咲き、沈みゆく 会津地方に味方するんじゃ、新選組を辞めたくなっても 無理はない。仕置きは、斎藤さんに 任せるから、今日のところは、俺の回帰を祝って 宴会にしよう」と俺。
「仕置きは、俺の自由。かしこまりました」と斎藤さん。
「トシ君!戻ってきて くれたのですね。その上、早速 酒盛りを始めている。これは、めでたいので すぐに、私の特製 牛肉料理を、お持ちします」と、嬉しそうな 八番隊 副隊長、井上源三郎。
「トシさん!良かった、目覚めてくれて…。やっぱり 副長殿が居ないと、新選組は 傾いてしまいます」と、八番隊 隊長 安藤優子さん。
「おう!安藤 ジュンヤに、安藤優子のダブル安藤!あと、馬鹿局長も、知っておいてくれ。薩摩 長州 土佐 肥後から成る、薩長土肥同盟が結ばれた。B案だけどね。本当は、A案の長州藩と会津藩が同盟を結ぶのが最上策だったけど、糞詐欺師 クソ高倉健の所為で、駄目だった。ただし、長州藩は 良いところで、勝ち残る。前に 新選組に居た、毎日 命懸けが嫌になって、新選組を辞めて 長州藩に帰った、伊藤君を覚えているかい?」と俺。
「おうっ、トシ坊。伊藤君なら、おいらは 覚えているぞ。このままじゃ、命が いくつあっても足りないと、新選組から 逃げ出した男だ」と、北野 武 局長。
「その伊藤君でも、長州藩では 顔役で、俺が 伊藤博文と、名付けといた。このままいくと、伊藤博文が 馬鹿局長が成りたくても まだ 成れない、初代内閣総理大臣だよ。安藤優子さんも、日本一の女性 ニュースキャスターに成るのだから、覚えておきなさい」と俺。
「あの伊藤さんが、トシ君に名付けられて、初代内閣総理大臣 伊藤博文…。」と、新選組では 落ちこぼれでも、時流に乗れば 総理大臣にも成れると、絶句する 安藤優子さん。
「おうっ、確かに 伊藤博文って、おいらの知ってる 歴史では、初代内閣総理大臣だな。正直、羨ましい。おいらが、内閣総理大臣に成れたら、母ちゃんの自慢の息子に、成れるからな」と、北野 武 局長。
「ところで 馬鹿局長、四番隊 隊長 近藤勇さんの調子は、どうだい?俺の解っている範囲だと、まだ 操作系の念能力によって 、操作されているようだけど。あと新選組の侍の中で、心配なのは 近藤さん だけなんだけどな」と俺。
「うん、トシ坊。近藤さんは、100パーセント 操作されている訳ではないけど、調子の良い日と悪い日があるな。ただ 24時間365日、四番隊 副隊長 野口君を警護も兼ねて 付けているから、近藤さんが間違えるなら、野口君に止めて貰えるようにしている」と、北野 武 局長。
「うん、念能力で 1番厄介なのが、操作系の念能力で 操作される事なんだけど、近藤さんは、ある一点 新選組に終わりが見えたら、操作 解除となる。その後は、どうやっても 二度と操作される事も、なくなる。近藤勇さんは、侍として 才能も実力もある、有能な人材だから、操作 解除の一点を待つよ。近藤さんの遠い将来は、陸・海・空 武士団の統合武士 団長に、なってもらう つもりだしね。噂をすれば…」と俺。
牛肉料理をたくさん用意した 源爺と、野口君に付き添われた 四番隊 隊長、近藤勇が「土方殿!お久し振りです。お帰りなさい。ガハハハハッ笑!」と、笑顔で 現れた。
〈うん、間違いなく 今日の近藤さんは、調子の良い日で 、いつも剣呑な顔をしている 野口君も、笑顔になった。天才中の天才 沖田が、酒を飲みながら「ウキウキ」言いながら はしゃぎ、俺の唯一無二の親友 斎藤さんも、つられて笑顔だ。「馬鹿トチーヤイ!馬鹿トチーヤイ!」と、俺の全ての人生通しての宝物 ピノコ・ナディア・哀姫が、俺にまとわりつきながら はしゃいでいて、坂本龍馬の中身を終え、土方歳三としての人生がリスタートだが、少なくても この日は良い日で、この場所は、良いところだと思った〉 続
《さてと、2018/06/28今現在の俺が、どこで 何をしているか?というと、無駄に 2回目の東 清二という名前と身体で、挫折と敗北を初めて 経験し、狭くて暗い部屋で、生き地獄をのたうち回っている。この1番大事な 最後の最後の人生の為に、一千年かけて 積み上げてきたモノが、福岡の片田舎に 居過ぎた所為で、崩壊した。ジャイアンとジャイ子が結婚していて、澤野 ジャイアン ジャイ子 近親相姦夫妻になってたり、クソ大和田の御用聞き 占い師 クソ渡辺真理が、裏稼業のトップ集団 極道の東京進出を邪魔したり、不幸の使者 糞詐欺師 クソ高倉健が、最後の最後まで 詐欺を働き続けたり、元 全宇宙の支配者で 不幸の王様 クソ大和田が、福岡にやって来て、極道であるはずの澤野 ジャイアンは、クソ大和田の稚拙な 操作系の念能力で、クソ大和田の犬に成り果て、ネコにも成り果てる始末だ。そして、糞詐欺師 クソ高倉健の跡継ぎとなった 糞詐欺師 澤野 ジャイアンに、この最後の最後の人生を担当する 俺の唯一無二の子分 菅原文太も 騙されて、担当なのに 何の役にも立たなくなった。挙げ句の果て、澤野 ジャイ子に、俺も 哀姫も、東京も 日本も、世界の未来まで、しかも タダで クソ大和田へと、手にも入れてないのに売られた。そこからは まさに、大和田の世だった。だけど、敵の手の内から 出れた今の俺は、確かに存在する 俺の寿命が、尽きる事を心待ちにしている。俺の念能力の復活も、ぶち切れながら 待っている。そう そう遠くない未来、俺は死に、待ち焦がれた 本当の自分 ドン・リュシフェルに成り、復讐を終えたら、 幸福の王子としての活動を再開するんだ。世界中を幸せにするプランを、俺は 持っている》
こうして 新選組 副長、土方歳三としての人生に、回帰した。そして、それを祝って 新選組 お得意の宴会となった。2018/06/28今現在は、存在しなくても 新選組も、今の俺が 念能力者に成れたら、復活となるしね。次回の話は、巻き戻された分の時間が経ち、徳川幕府が滅亡へと向かう、長州藩への第二次征討令が、出されようとします。さて、どうなることやら。以上。
読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!