第百三十話 詐欺
将来、歌手と役者を志す 坂本龍馬の中身に 俺はなり、土佐藩の大使として、勝ち残る 長州藩の同盟先を会津藩にするべく、向かいます。が、不幸の使者にして 糞詐欺師 クソ高倉健が、会津藩 筆頭家老に返り咲き、現れ…。今のクソ高倉健の状況と状態も、描かれています。では!
時代は幕末、戦争を繰り返してきた分 火力と技術力だけは勝る 欧米列強の圧力により、徳川幕府は外圧に屈し、鎖国から開国へ、 刀と槍から 最新式の鉄砲に大砲と、前例を重んじる 年寄りから 馬力だけはある若者へと、どんどん 切り替わっていっていた。そんな中、新選組 副長、俺 土方歳三は、身体だけは 副長室に残し、将来 歌手と役者を志す 土佐藩士 坂本龍馬の中身となり、土佐藩を飛び出し 時代の舵取りをしようとしていた。
土佐藩の城にて、土佐藩の現 最高責任者の家老と上士の板垣退助、そして 俺が居る。
「病弱姉さんと呼んでいた、坂本君の姉が、天に召された。燻っていた下士たちも、ビジネスを覚え 燻りから脱却した。これで もう、俺が土佐藩に居る 理由がない。そんじゃ 俺、脱藩するよ。会津地方に、行ってくる」と俺。
「坂本殿!脱藩は構わないのですが、国家存亡の折に 土佐藩に何ができるかを、御教授 賜りたい」と、必死な顔の家老。
「うん、だから 勝ち馬に乗りなさいと、言ってるじゃねえか。長州藩に、第二次征討令を徳川幕府は出す。でも、勝ち残るのは 長州藩だ。必然、徳川幕府は滅ぶ。なら、土佐藩は、長州藩に コバンザメのように、付いてればいい。そうすりゃ 勝ち組だ。A案として、長州藩と会津藩が同盟を結び、土佐藩と もう一藩ぐらいが、付いていく。これが、最上策のA案だ。これだと会津地方の越後国まで、同盟が結べる。米と酒には、困らずに済む。ただし、時間が巻き戻された為、現状 A案は難しい。会津藩 筆頭家老が、糞詐欺師 クソ高倉健だからね。とても、同盟を結ぶ相手として、信用できない」と俺。
「京都守護職を引き受けた、会津藩が糞詐欺師のせいで 信用できない…。他の策は?」と家老。
「うん、B案は やりたかねえけど、薩長同盟。長州藩に、武士の数だけは多い 薩摩藩が、同盟を結ぶ。それに土佐藩と、何処か?もう一藩。3という数字は三つ巴になり、1番安定しない数字だからね。もう一つの藩を、板垣退助君が見つけて、説き伏せてくれ。地理的には、薩賊と呼ばれる 京では悪評の薩摩藩を、見張れる藩がいい。ただし 徳川幕府が滅んだら、同盟は解消で 振り上げた拳なんて、とっととしまうに限る。たかだか日本国内の内戦で、同じ民族の日本人を殺しても、手柄ではないからね。やれるか?未来の政治家、板垣退助」と俺。
「出来ます!肥後藩でも、手を組む相手として、いいですか?」と、板垣退助。
「うん、地理的に見ても 大丈夫だ。それだとB案は、薩長土肥同盟と呼ばれるようになる。ただし、振り上げた拳は、とっととしまうように。糞野郎や 糞女を殺す以外に、日本人が日本人を殺しても、手柄にならないどころか 地獄行きだからね。気をつけるように」と俺。
「分かりました。土佐藩は、勝ち馬に ちゃんと乗ります。坂本殿は、土佐藩の全権大使として、A案を進めてください。板垣退助は、B案を 私への報告 連絡 相談を忘れずに、進めておけ」と家老。
「了解。西洋の靴が、ビジネスによって 手に入ったから、てくてく歩いて 会津藩に、談判をしに行ってくるよ」と俺。
「道中、気を付けて。私の方は、肥後藩と交渉して、B案を進めておきます」と、板垣退助。
俺は 靴を履き、坂本家の家宝の刀を持ち、さらに こちらもビジネスによって手に入れた 拳銃を携え、会津藩へ向かう。
新選組が気張っている 京の都を避け、会津藩へ 到着する。城下町を歩き、会津藩の城門にて、俺は「頼もう、頼もう!」と声を掛ける。
当然、門番に「何の用だ?」と止められるが、「凶を引き 京都守護職となった会津藩が、逆賊として 攻め込まれないように、策と案を持ってきた。話のわかる奴を、出してくれ。出来れば、君たち 門番 風情を、ぶっ飛ばしたくはない」と、俺は伝える。名を尋ねられ、「其れも、話のわかる奴になら 伝える」と、俺は答える。
門番の1人が、城内へ入り 上司を連れて来た。その上司は、俺を凝視し 「ふふっ笑。土佐藩から、大吉が降ってきた」と言い、俺は 城内へ通された。
そして、早速 大広間にて、評定を開くとの事。俺は、道中の果て ボロボロになった靴を脱ぎ、「何だったら、拳銃も 預かるかい?」と尋ねるが、俺を城内へ通した者は「貴方様の存在を信用できなければ、何も 信用できません」と答えた。
大広間に、現状 会津藩にて、政を司る 全ての者たちが集まり、用向きを訊かれる。
「この身体だと、土佐藩士 坂本龍馬だ。これから、日本国内で 内戦が始まる。徳川幕府による、長州藩への第二次征討令が、その引き金だ。そして、勝ち残るのが長州藩。徳川幕府は、滅ぶ。ちなみに土佐藩は、長州藩と 徳川幕府が滅ぶまでは、同盟となる。俺が 、土佐藩の全権大使として 持ってきた策が、越後国も含めた 会津地方や 会津藩が、長州藩と同盟を結ぶ案だ。これが最上策の、A案。俺が やりたくないのが、薩長土肥同盟と呼ばれる、薩賊 薩摩藩も 含めた同盟、これがB案だ。どっちにしろ、何の大義名分もないまま長州藩に攻め入る、徳川幕府は滅ぶ。長州藩には、高杉 新作という名で、過去に テコ入れしてあるしね。どの藩も やりたくないからと、京都守護職を引き受けた 会津藩にも、B案だと 薩賊は、攻め入ってくるぞ。A案を、採用してみないか?京都守護職を務める 綾野という名の男は、A案の長州藩と同盟を結ぼうとしているよ」と俺。
議論が交わされ、評議の結果 会津藩は、長州藩と同盟を結ぶ案に、傾いた。
だが、「会津藩 筆頭家老の高倉が、わざわざ 来たのに、出迎えがないとは まずい事になりますよ」と、不幸の使者にして、糞詐欺師 クソ高倉健が、よりにもよって このタイミングで現れた。この不幸の使者にして、糞詐欺師が絡むと、俺の経験上 ロクなことにならない。
「ん!?よそ者が、居ますね。この高倉帝に、貢ぎ物でも 用意しているんでしょうね?」と、糞詐欺師がほざく。
「この会津藩の下僕まで 格下げされた男が、未だに 高倉帝と名乗り、会津藩の筆頭家老に成ったのか?」と俺。
沈黙する 会津藩の者たち。
「下僕。聞き捨てならないですね。高倉が、下僕のままの訳がないでしょう。現に 今は、会津藩 筆頭家老として、返り咲いてるじゃないですか。貢ぎ物も 持たない よそ者は、お帰りください」と、クソ高倉健。
「あーあっ、別に 帰ってもいいけど、後悔する事になるぞ。この詐欺師じゃなくて、会津藩の者たちは、A案とB案 どちらにするか、決めたかい?」と俺。
「会津藩は、長州藩と同盟を結びます!」と、会津藩の者たち。
「同盟…。いけませんね。そういう大事な話は、高倉を通して くれないと。会津地方の越後国が、高倉の言うことを聞かないので、会津地方からは外しました。他にも、高倉の言うことを聞かないと、まずい事になりますよ」と、クソ高倉健。
「会津地方から、越後国を外すだっ!相変わらずの糞詐欺師っぷりだな!クソ高倉健。この詐欺師の言うことを聞き続けると、会津藩がB案で 攻め込まれるけど、それでいいということか?」と俺。
「よくありません!」と、会津藩の者たち。
「B案だか なんだか知りませんが、全部 破棄します。どれ、どこの馬の骨か?【凝】を使って、見てみましょう」と、クソ高倉健。
クソ高倉健は、【凝】を使い 俺を凝視し、福山雅治…、ん!?中身は、きよじ君じゃないですか!イヤだなぁ、それなら そうと言ってくれればいいのに。ささっ、高倉が 会津藩 筆頭家老として、真摯に対応しますよ」と ほざく。
「先に言っとくけど、不幸の使者 クソ高倉健。お前は、必ず 間違う 必ず 失敗する男だからな。A案、B案、説明してやれ。この不幸の使者と一緒に居ると、その場や 人に、不幸が訪れるからな。A案、B案、どちらにしろ 俺はすぐ、こんなところ立ち去るよ」と俺。 続
《2018/05/09今現在、不幸の使者にして 糞詐欺師 クソ高倉健は、とっくに そして、やっと確実に死に、不幸の王様 クソ大和田の側の人間たちの、1番下っ端に 成ったとさ。俺が、幸福の王子の活動を再開するのは、いつになることやら》
こうして、 不幸の使者にして 糞詐欺師の高倉健が失敗ると、会津藩が賊軍扱いで 攻め込まれる、土壌が出来てしまった。あの糞詐欺師さえ、居なければ…。次回の話は、交渉の後 悲しき帰路です。さて、どうなることやら。以上。
読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!