第百二十八話 病闘
将来、歌手と役者を志す男 坂本龍馬の中身になった俺は、ビジネスを成功させます。しかし、クソ武市半平太が現れ、坂本君の姉を襲おうとします。病弱姉さんのワンライフワンタイムの闘いや、如何に?今の俺の名前、近況、想いも 描かれています。では!
時代は幕末、江戸時代が終わろうとし 徳川幕府が、なくなろうとしていた。日本は開国へと向かい、政の担い手も、家老 老中といった経験値の有るものたちより、家柄も 問わず、若くて馬力のある者たちへ、バトンが渡されていく。自由度だけは、どんどん上がっていく印象だ。そんな中、新選組 副長、俺 土方歳三は、身体だけなら 新選組の副長室に、安置されている。魂はというと、将来 歌手と役者を志す、土佐藩士 坂本龍馬の中身となり、土佐藩にて これから起こる、日本国内での内戦の人的被害を最小限にすべく、土佐藩における 上士 下士 関係なく、足場を作っているところだ。そして、クソ大和田により 時間が巻き戻されたことを知る 家老と、上士たちの了解を得て 下士も出入りできる、事務所を新設した。さあ、時には命も懸かる ビジネスだ。
土佐藩の城下町に、俺がビジネスをする 事務所を開設して以来、上士 下士 町民 商人と、ひっきりなしに人が来て、情報に 金が手に入り、「これだけお金があれば、一生 食べるに困らない」と、特に 貧乏暇なしだった 下士たちは、大喜びしている。
事務所で働く者たちには、俺は「取引先の相手の利益も、考えないと駄目だぞ。また 土佐藩や ウチと、一緒に仕事をしたいと思ってもらわないとね。こっちも勝って、取引先も 勝つようにしないと。ぺんぺん草が生えないぐらい、金やモノを手に入れていいのは、こちらの誠意が踏みにじられた時だけだ」と伝えてある。
また 下士たちの者の中で、戦える者 戦いたい者は、当 事務所のビジネスで 手に入れた、最新式の鉄砲や大砲を携え、まだ 政には参加できなくても、職業軍人として 城への出入りを、許されるようになった。織田二郎三郎信長公を経て、俺があるので 職業軍人は、ちゃんと鍛えて 手練れにしてから、使えるか?試してみと、下士を城へと送り出しているしね。
そんな中、俺の宿敵 クソ大和田の息子 偽善者 クソ武市半平太が、事務所へと姿を見せた。
「こんな所に、居るとはなあ。どうせ オレのしもべの下士たちを、奴隷のように働かさせているんだろう?オレの取り分は、九割で 見逃しといてやるよ。金を寄越すか?もしくは、お前や お前の家族に、危害が及ぶぞ」と、クソ武市半平太。
「まず お前は、この事務所には 立ち入り禁止だ。一歩でも入ったら、素っ首 叩き斬る。次に、この事務所で働く下士たちは、もう既に この時代、一生食べていけるぐらいの資産は、持ってるよ。日本人が今まで やってきたのが、商売。俺が ここでやっているのは、時に 命も懸かるビジネスだ。何で 命懸けで稼いだ金を、お前なんかに渡さないといけないんだよ。クソ武市半平太は、とっととあばら屋に帰れ。クソ武市半平太と一緒に来た 下士供は、ここで働いてみないか?ちょうど、人手が必要だ。クソ武市半平太に、家族が人質に取られているなら、ここで クソ武市半平太を叩き斬るなり、処分すればいいだけじゃねえか。これから、新しい時代がやってくる。固定概念なんか、ぶっ壊せ!」と俺。
「そうか…。家族を人質に取られているといっても、家族の居場所がバレてるだけだ。ここで、武市を斬れば 別段、問題がない。斬るか?」と、クソ武市半平太と 一緒にやって来た下士たちが、相談を始める。
その内 何人かは、腹を決め 抜刀をした。
「うわー、待て!刀を抜くな!分かった。帰る。その代わり、お前らは 下士の裏切り者だからな」と言い、クソ武市半平太は、何処ぞへ帰って行った。
「うしっ、これで 君たちは、貧からも 燻りからも、抜け出せる。クソ武市半平太の家族を人質にした脅しに、屈していた君たちだから 職業軍人よりも、ビジネスの方がいいかい?」と俺。
「どちらでもいいです。落ちこぼれと燻りを、打破したいです」と、下士たち。
「そんじゃあ 一緒に、頑張っていこう」と俺。
「はい!死ぬ気で、頑張ります」と下士たち。
「別に、死ななくても いい。当 事務所の先輩や、既に 城へと出入りしている 下士たちの言う事を聞いて、もりもり働いてくれ」と俺。
新しく 加わった下士たちも、別に能力に劣る訳ではないようなので、すぐに戦力となった。
そして 俺は、坂本君の実家へと向かう。理由は、クソ武市半平太が、実家へと向かっているからだ。俺は 早歩きで向かい、ちょうどクソ武市半平太が、坂本君の実家に着いたところに、追いついた。
乙女姉さんが対応し、クソ武市半平太に「ウチに、何の用?」と問う。
「蝙蝠野郎の坂本の姉だな?これで、オレは いつでもお前らを殺すことが、出来るからな」と、クソ武市半平太。
「聞き捨てならねえな。俺の家族を殺すと言うなら、今 ここで、素っ首 叩き斬るけどな」と俺。
俺の登場と言葉に、クソ武市半平太は、驚き 慄く。
「龍馬!まだ 龍馬の事務所で、仕事の時間じゃないの?」と、乙女姉さん。
「ああ。仕事の時間だけど、仕事は軌道に乗った。もう 俺が居なくても、大丈夫だ。あとは、坂本君の家族の心配だけだ。クソ武市半平太は、家族を人質に取るという汚い手口で、ここまで やってきてるからね。乙女姉さんなら、闘えるんじゃないかい?刀を奪えたら、この闘い こっちのモノだよ」と俺。
「フフッ笑、龍馬。私が男勝りに、強いことを忘れたの?こんな偽善者の雑魚、余裕で 返り討ちに出来るわよ」と、乙女姉さん。
「待て!相手は、女だぞ!刀を持っている オレが、返り討ちにされるって、どういうことだ!?」と、動揺する クソ武市半平太。
と、こんな時にか?こんなところ だからか?美人だが病弱な、病弱姉さんが表へ出て来た。
それを見た クソ武市半平太は、「何だ、ちょうどいい女が居るじゃねえか。見るからに、弱そうだしよ。オレの言う事を聞かないと、強姦するぞ」と、偽善者のクソ野郎っぷりを出す。
「アンタなんかに強姦されるぐらいなら、舌を噛みちぎって自ら 死ぬわ。これから大成する 龍馬の足枷に、死んでも 私はなりたくないから。龍馬、今日を私の寿命 命日とするから、刀を貸して。お願い」と、病弱姉さん。
「別に いいけど、こんな雑魚の糞偽善者は、遅かれ早かれ 切腹だろうし。闘うなら、返り血を浴びないように 気を付けてね。クソ武市半平太には、汚い穢れた血が流れているからね。ホイ、刀」と俺。
俺は、病弱姉さんに 坂本家の家宝の日本刀を、手渡す。
「ありがとう、龍馬。大好きよ」と、病弱姉さんは言い、刀を抜き やたらめったら振り回す。
「待て!帰る!帰るから、刀を振り回すな!」と、クソ武市半平太は言い、背中を見せて、逃げ出した。
「病弱姉さんの勝ちー!良い花にはトゲがあるように、やっぱり 女性でも、闘えないとね。それと病弱姉さん、今日が寿命って 何で分かったんだい?」と俺。
「羊の姿の者が 夢に出て来て、今日を命日としますと、言われました」と、病弱姉さん。
「うん、それなら 確かに寿命だね。羊の執事と言って、ずっと以前に 助けられなくて失ってしまった人間達の命の分だけ、当時の俺が創り出したのが、羊の執事たちだ。俺の解る範囲だと、病弱姉さんは 今夜眠ろうとしたら、羊の執事が、天国へと向かえに来るから、楽しみにしててくれ。それまでは、しこたま酒を飲み交そう」と俺。
「はい」と、病弱姉さん。
「じゃあ、お姉様の好物と龍馬の好物、お酒と急いで用意しなくちゃ。龍馬、私は強いし 闘えるから、自由に生きなさい」と、乙女姉さん。
宴会の準備に、取り掛かる。 続
《死とか、命日と寿命か。2018/04/25今現在、1回目の東 清二としての栄光の人生を華々しく終え、その後 寿命を終える度に、元 全宇宙の支配者 クソ大和田により、人生でのハードルが上げ続けられた。それでも、とんねるず を創ったディレクター東 才三だったり、ダウンタウンを創ったり 裏稼業にも片足突っ込んだ 我妻 涼だったり、人生のハードルは 何とか超えていったけど、2回目の東 清二としての天使になる前の、最後の最後の人生で、ハードルを越えられず 前のめりに ぶっ倒れた。念能力を禁止され、才能も奪われ、1回目の東 清二としての人生では有った、東家 当主の眼もない。序でに、天使の基本装備 真実の眼 本物の眼も、ない。その上、元 全宇宙の支配者 クソ大和田と大和田の側の人間たちは、俺の最後の最後の人生に被害をもたらすべく、全力で邪魔をした。結果、言わずもがな 最低最悪の人生となり、36歳とちょっとになった俺は、寿命が尽きる事を強く望んでいる。福岡へ行き 住んでしまった事が、鬼門となった この挫折と敗北の人生には、もう うんざりだ。か、とっとと 俺の念能力、復活しろ!》
こうして 土佐藩から、燻っていた下士たちは、クソ武市半平太を除くと 居なくなり、気丈に戦った 病弱姉さんも、病には兎も角、対 クソ武市半平太とのワンライフワンタイムの戦いには、勝利した。次回の話は、病弱姉さんが 天寿をまっとうし、俺が土佐藩に居る理由も、土佐藩で なすべき事も、なくなります。さて、どこ行こう?以上。
読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!