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「副長、土方」  作者: 東 清二
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第百二十四話 下士

将来、歌手と役者になる男の中身となり、土佐藩とさはんの下士 坂本さかもととして、上士相手に暴れます。坂本さかもと君は、褌を締めておらず…。今の俺の近況報告と想い、孤独な晩年を過ごさざる得ない俺の、将来 一緒に生きていく 女子たちの名も、描かれています。では!

時代は幕末、徳川幕府が 何の大義名分もないまま、長州藩ちょうしゅうはんに 第二次征討令を出し、そのことが 自らの首を絞め 滅ぼうとしていた。新選組しんせんぐみ 副長、俺 土方歳三ひじかたとしぞうは、将来 歌手と役者になる男、将来名 福山雅治ふくやままさはるの許可を得て、中身と成り 坂本さかもとという名字で、土佐藩とさはんへと降り立つ。ただし、元 全宇宙の支配者 クソ大和田おおわだにより、逆恨みで勝手に、時間が巻き戻されていた。今、いつだ?


俺が解っている事は、ここは土佐藩とさはんで この時代この身体での名字は、坂本さかもとだという事。あとは、視力が悪く 褌も締めていないという事。貧乏な身なりとはいえ 刀を差しているから、あとは自分で 環境に適応しろという話だ。幸い この身体でも、えんの範囲内にあるモノは、全て 手に取るようにわかるという念能力を保持したままなので、別に問題はなさそうだ。


とりあえず時間を調べると、黒船の来航の前と 徳川幕府が、まだ 第一次征討令も 出していないところまで、時間が巻き戻されていた。とりあえず 土佐藩とさはんの城にでも、向かう事にした。城へ向けて 道なりに歩いていると、裕福そうな身なりの2人の武士が、偉そうに歩いている。

土方ひじかた殿!土佐藩とさはんの上士、板垣退助いたがきたいすけ様に、後藤象二郎ごとうしょうじろう様です!早く道を譲って、平伏してください!〉と、坂本さかもと君の心の声が聞こえ、感知出来た。


どうでもいいので、俺は そのまま城へ向けて歩く。すると、太った方が「下士の分際の貧乏侍!オレたちを、誰だと思ってる!道の端で、頭を下げてろ!」と言われる。

「断る!下士って、お菓子か何かか?太っちょの方は、お菓子の食い過ぎか?」と、俺は答える。

坂本さかもと君 曰く、太っちょの後藤象二郎ごとうしょうじろうとやらが、怒り 抜刀する。

「斬ろうとするなら、斬られる覚悟もしろよ。アゲカツと言って、貧乏な方が喧嘩に勝つと、裕福な者の金を奪っても、罪にはならないからな」と、俺は伝える。


新選組しんせんぐみにて、毎日 斬った斬られたの命のやり取りをしていた 俺にとって、こんな喧嘩 余裕なので、刀をかわし 刀を踏みつけ、太っちょの方をぶっ飛ばす。

「ホイ、太っちょの方、いっちょあがり。痩せてる方は、どうする?闘うか?闘わないか?」と俺。

「貴様、只の下士ではないな。名は?」と、痩せてる方。

「この身体だと、坂本さかもと」と俺。

「この身体だと…。という事は、中身が違う。分かりました。誰か 判別つくまでは、闘いません。象二郎しょうじろうは、命までは 見逃してやって下さい」と痩せてる方。

「うん、じゃあ 新しい褌 代だけ、貰っておくよ。この身体の持ち主は、褌を締めていなかったからな」と俺。

地面に横たわっている 後藤象二郎ごとうしょうじろうとやらの小袋から、褌分の小金を貰っておく。

「痩せてる方、時間が巻き戻されているから、情報収集と その取捨選択をきちんとするんだな。そうすりゃ、一端の政治家ぐらいには、成れるだろう。じゃあな」と俺。城へと向かう。


道中、〈下士が、上士をぶっ飛ばした。何のお沙汰もなければ、革命だ!〉と坂本さかもと君が、話しかけてくる。

城下町を歩くが、誰も 話しかけてこない。貧乏な身なりもあって、どうやら土佐藩とさはんの身分制度の下士は、坂本さかもと君の言っていた通り、案外 下の方の身分のようだ。えんを使ってみるが、俺の持っている 小金で買える褌は、中古品ばかりだ。誰かが履いた褌など、着ける気にならず こんな事なら、もっと ぶっ飛ばした、太っちょ上士から アゲカツしとけば良かったと、後悔した。まあ、城まで行けば 新しい褌が、大量にある事も 分かったけどね。


城の前まで着き、当たり前だけど 木製の槍を持った門番が居る。そして、〈下士は、城内 立ち入り禁止ですよ〉と、坂本さかもと君の声がした。

「頼もう!土佐藩とさはん 藩主に、取り次いでくれ。至急、新しい褌が必要だ」と俺。

門番は呆気にとられ、名を聞かれる。

坂本さかもとだ。名前は、まだ 知らん」と俺。

坂本さかもと…。その身なり、下士だな。下士を城内に、通す訳には いかない」と門番。

「じゃあ、通す 言い訳を作ってやるよ」と俺。手と膝で、2人の門番の槍を真っ二つにする。

「これで、問題なかろう」と俺。てくてく、城内を進む。


途中、勿論 咎められ、名と身分を聞かれる。

「名字は、坂本さかもとで 名前は知らねえ。身分も、知らねえ。新しい褌を、手に入れに来た」と俺。

城内に、俺の周りに 人だかりが出来始めた。ただし、戦えば勝てる事も、俺は知っている。

刀を抜いた 上士とやらを、ぶっ飛ばしていると「何の騒ぎだ。ただでさえ、過去に土佐藩とさはんが、飛ばされているんだ」と、時間が巻き戻された事を解っている者が来た。

「家老!下士ごときが、新しい褌が必要だと、城内で暴れているのです」と、城内の者。

「褌…。ハハハッ笑!新しい褌なんて、幾らでも くれてやれ。見たところ、只者ではない。土佐藩とさはんの家老を勤めております。名は、何と?」と、家老。

「この身体だと、名字は坂本さかもとだ。どうやら君は、時間が巻き戻されたのを体感しているみたいだから、新しい褌を用意してくれれば、褌 分の これから起きる事の情報を、くれてやるよ」と俺。


「やっぱり、時間が巻き戻されているじゃないか。城内の上士は、誰も 気付かなかったのに。刀を収めろ!真新しい 褌を用意せよ」と家老。

抜刀していた者は、刀を収め キレイな褌が、手配された。

「3枚もあれば、褌は充分だ。中古品でも、ないみたいだからね。じゃあ、時間が巻き戻されているのを体感した家老、何が知りたい?大概の質問の答えなら、持っているぞ」と俺。俺は やっと、褌を身に付ける。

「これから、土佐藩とさはんや 日の本で起きる歴史を!歴史は、変わるのですか?」と家老。

「うん、歴史は変わらないよ。黒船が来て、徳川幕府は外圧に屈して、第二次征討令を長州藩ちょうしゅうはんに出せば、何崩し的に 徳川幕府は滅ぶよ」と俺。

「徳川幕府が、滅ぶ…。時間が巻き戻される後のことまで、解っている!土佐藩とさはんの行く末は?」と家老。

「勝ち馬に、乗るんだな。長州藩ちょうしゅうはんが、どの藩と同盟を結ぶか見極め、それに加わる。今は 幕末と言って、江戸時代が終わり 日本國が開国する 時代の転換期だから、色んな人間が この時代、何をすべきか?模索している。俺は、褌が3枚 手に入ったから、家へ帰るけどね。ちなみに、家が どこにあるかも知らないけどね」と俺。


坂本さかもと君、上士に成りませんか?下士だと、城内 立ち入り禁止で、まつりごとにも 参加できません。もっと、君の考えや 意見を聞きたい」と家老。

土佐藩とさはんの藩主に会えるなら、身分なんて どうでもいい。大体、上士と下士って、どこで線引きが、されているんだい?」と俺。

長宗我部ちょうそかべ一族と、その家臣たちが下士。他の者が、上士です」と家老。

長宗我部元親ちょうそかべもとちかの敗北の産物か…。負けると、ロクでもない事になるからなぁ。じゃあ 俺の身分は、上士と下士の間をとって、中ぐらいの中士にするよ。この先、第二次征討令が出されるまでの歴史は体感しているから、俺の意見が聞きたかったら、いつでも会いに来てくれ。じゃあな」と俺。

「フフッ笑。中士!かしこまりました。次に会うまでに、藩の意見をまとめておきます」と家老。

俺は、新しい褌を身につけ、予備も手に入れ、生きて城内から出れた。


城外へと出ると、貧乏な身なりの下士たちが居て、生きて城内から帰って来た!と、驚いている。

「チッ、死ななかったか。お前が、親父と 消すか?消されるか?の戦いをしている、噂のきよじ か。オレは、噂の武市半平太たけちはんぺいただ。いずれ、天下を取る 男だ。お前も、土佐藩とさはんの下士だから、せいぜい オレの下で、オレのために頑張るんだな」と、偽善者が言う。

「色々と間違えている、この前蹴りだけで倒せる 糞野郎が、下士の長なのか?」と俺。

「はい。今のところは…。」と、下士たち。

「じゃあ 俺が、この偽善者の糞野郎を倒すので、土佐藩とさはんの下士は、0トップでいこう。城内で聞いたところ、このクソ大和田おおわだの自慢の息子以外は、下っ端に ずっと甘んじなくてもいい。コイツは、いずれ切腹だろうしな。よしっ、クソ大和田おおわだの息子、喧嘩だ」と俺。

「勝てると思っているのか?やれ!」と、偽善者。

誰も、動かない。俺は、前蹴りで 武市半平太たけちはんぺいたとやらを倒し、蹴りだけで 城の堀に、放り込む。下士たちは、手を叩いて 喜ぶ。


「クソ大和田おおわだの息子、相変わらず 弱え。自慢の息子だと、ちょっとは歯ごたえがあると、思ったんだけどな。じゃあ 誰か、俺の家を知ってる者、俺の家の前まで 案内してくれ」と俺。

坂本さかもとと表札がある 貧乏そうな家まで、案内される。

「じゃっ、1人にしてくれ。案内、ご苦労さん。案内料だ」と俺。

褌を買う為の小金の半分を渡す。土佐藩とさはんの下士は、どんだけ貧乏なのか?喜び勇んで、案内をしてくれた者は、帰って行った。さあ、坂本さかもと君の家族は、どんなだろう? 続


《2018/03/31今現在、2回目のひがし 清二きよじとして、正真正銘 やっと最後の最後の人生の、先と終わりが見えた俺は、人生 上手くいかないと実感している。ただし、寿命まで 長くても 13年間と半年を切った。最期の覚悟だけは、とっくにしている。待っててくれ。哀姫かなひめ、ニケ姫、ミケ姫、恋人枠の浜崎あゆみ、プリンセス オードリー・ヘップバーン、プリンセス オブ プリンセス ダイアナ。準女枠の女性と、俺が関わった 売れてる女優さん。俺の過去たちに、俺のがわの人間たち。念能力が手に入り次第、全てを良くすることが出来るから》


こうして 土佐藩とさはんの下士 坂本さかもととして、戦い 家まで、たどり着いた。あとは家族に、どう認めてもらえるか?と、元 全宇宙の支配者 クソ大和田おおわだが、時間を巻き戻した分、時間の早送りにも 備えないといけない。次回の話は、龍馬りょうまという なかなかいい名前を、知ることと 時間の早送りに対応しながら、長州藩ちょうしゅうはんの同盟を結ぶ 藩探しです。さて、どうなることやら。以上。



読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!

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