第百二十話 臨終
長州藩にて 僅か3日間の寿命を高杉 新作として終え、奇兵隊を伊藤博文に任せます。俺が過去に手に入れた概念と、将来 手に入れたい概念の話と、今の俺の近況報告と想いも、描かれています。では!
時代は幕末、火力と技術力だけには勝る 欧米列強。それに屈した 外圧には弱い徳川幕府が、突出して動いて 外国と戦った長州藩に、第二次征討令を出し何の大義名分もないまま 攻め込んだ。その事が、自らの首を絞める事になると、知ってか知らずか。そんな中、日本国内での内戦をしている場合じゃないので、新選組 副長、俺 土方歳三は、将来 役者を志す 高良健吾という名の若者の身体を借り、中身となって 余命3日のボロボロの身体で、3日目を迎えた。長州藩での名は、高杉 新作とし、奇兵隊を率いて 元 全宇宙の支配者 クソ大和田の側の人間たちから成る、徳川幕府の先兵たちを撃退した。そして、高杉 新作としては、寿命を迎えていた。
「高杉様!次の戦の御下知をください!」と奇兵隊の者。
「うん、俺は もう寿命だ。これからの奇兵隊の指揮は、ここに居る 伊藤君がとるよ。奇兵隊の戦術と戦い方は、君たちに叩き込んだから、たかだか 日本国内の内戦で、無駄死にだけはしないようにね。俺には、新選組 副長、土方歳三としての人生を、やり遂げなければならない。高杉 新作としての人生は、今日で終わりだ。もしかしなくても、奇兵隊と新選組が、戦場で 合間見えることがあるかもしれないけど、その時は容赦しねえからな。じゃあ奇兵隊の兵たち、元気でな!」と俺。
「シンサク様、奇兵隊はこれからなのに…。まだ教わりたい事が、たくさんあります」と奇兵隊の者。
「うん、じゃあ 秘密を教えてあげよう。ここに居る 長州藩士 伊藤君は、元 新選組の隊士なんだ。毎日が命懸けの最後の侍 新選組の隊士を、伊藤君では務まらなかったけどね。伊藤君は、俺に 下の名前をつけて欲しいと、言ってたな?」と俺。
「はい。是非!」と伊藤君。
「じゃあ 今日から、伊藤 博文と名乗りなさい。漢字だと、こう書く」と俺。地面に、伊藤博文と書く。
「総理…。」「内閣総理大臣!」と、奇兵隊の中でも 何故、この時代この場所で、生きているのか?の歴史を知っている者から、感嘆の声がでる。
「僕が、伊藤 博文…。」と、伊藤君。
「俺が名を授けると、そう成る。伊藤君も、この日本国内の内戦の処理の仕方を、誤らないようにね。日本人同士の内戦なんて、俺は望んではいない。長州藩が この第二次征討令から生き延びて、徳川幕府の敗北が決まり 長州藩の勝利が決まったら、振り上げた拳を直ぐに下ろすように。あと写真には、爺いに成ってから撮るように。クソ大和田の逆恨みで、本当に魂を抜かれるからね。ほとぼりが冷めて、安心安全が確認されたら写真を遺すように。出来るね?」と俺。
「はい!分かりました」と、伊藤 博文。
「じゃあ 奇兵隊の皆んなは、元気でな!まずは長州藩の為、次は日本の為に、頑張り過ぎない程度に、頑張ってくれ」と俺。
その言葉を聞いて、奇兵隊の皆がむせび泣く中、俺と伊藤君は、その場を離れる。
今日が寿命の この身体で、気を張っていられたのも ここまでで、奇兵隊の姿が見えなくなる所まで来たら、俺は 喀血して倒れ込んだ。
「ここは、林か?森か…。こんな場所で くたばったら、遺体が獣に食われるかもしれねえな。伊藤君、肩を貸してくれ。何とか、人通りのある道まで」と俺。
「もうっ!高良健吾の奴!だから、たばこと酒は 程々にしろと忠告したのに!トシさんと呼ばせて頂きます。何とか城まで、長州藩の まだ落ちてはいない、お城まで 行きましょう。トシさんは、長州藩の大恩人です。肩なら、いくらでも お貸ししますので!」と、切羽詰まった口調で 伊藤博文が言う。
「うん、この感じじゃ とてもじゃないけど、城まで歩けない。せめて、道まで…。」と、半ば意識が遠のきながら、俺は伝える。
「分かりました!トシさん、道まで ですね!それなら、もうちょっとです」と、伊藤 博文。
何とか、伊藤君の肩を借り、道までたどり着き、俺は前のめりに倒れ込んだ。
「倒れるなら、前のめりかぁ。もう ここでいい。ここが、高杉 新作としての臨終の場所、臨終の道だ…。」と俺。
「こんな所が、トシさんの死を迎える場所…。そうだ!長州藩一のべっぴんの女性に、看取ってもらう筈だったんだ。今からで、間に合うか!?」と、動揺している伊藤君の声が、遠のく意識の中 聞こえた。
すると、「お侍様、どうかなさったのですか?」と、女性の声がした。
女性の声がした方を見やると、はだけた格好をした 一見 遊女と思われる、女性が居た。
「この女性が、長州藩一のべっぴん さんかぁ。伊藤博文ともなれば、仕事が早いなぁ」と、俺が冗談を口にするが、悲壮感しかない伊藤君は、クスリとも笑わない。
「こっちは、長州藩一のべっぴん さんに、トシさんの最期を看取ってもらう筈なんだ。時間がないから、お前でもいいけど まさか遊び女じゃないだろうな?」と伊藤君。
「見て分からない?遊女よ」と、後の総理大臣相手に、さばさばと遊女が負けじと言う。
「もう 俺は、今日どころか 今が寿命なんだ。料金は、そこに居る 伊藤君が払うから、最後に膝枕をしてもらっていいかい?遊女とはいえ、女性の膝枕で死ねるなんて、悪い死に方ではない」と俺。
「ええ、イイわよ。料金は、いらないわ。こんなに素敵なお侍様が、私の膝枕で最期を迎える。なかなか、ないことよ」と、遊女。
早速、遊女が道端で 正座をしたので、俺は膝枕をしてもらう。
「何で長州藩にとって、大恩人のトシさんが、こんな道端で しかも遊女なんかの膝枕で、死なないといけないんだっ!?」と、伊藤君。
「雑魚が、うるせえな。伊藤君は城に戻って、奇兵隊を率いて 戦の準備でも、してきなさい。じゃあな、未来の総理大臣。俺、ここで死ぬよ」と俺。
その言葉を聞いて、伊藤博文は、ただ 下だけを見つめて 城の方向へと、向かって行った。
「最後に、格好の良い ざんばら頭の素敵なお侍様、名前を教えてもらっていい?遊女なんかが、相手ですけど」
「ああ。この身体だと、高杉 新作だ。高い杉の木があって、新しいモノを作ろうとしていたからね」と俺。
「お侍様!高杉様って、徳川幕府を打ち負かした 奇兵隊の創設者じゃないですか!?そんな偉い お侍様が、こんな道端で 遊女の膝枕なんかで、最期を迎えるのですか!?」と、諸々 気付いた遊女。
「ああ。ありがとな」と俺は 言い残し、姿形ごと長州藩から 消えて、居なくなった。
《臨終か。高杉 新作は、高良健吾の僅か 3日間の中身だったから、何処にも存在しないけど、土方歳三なら 俺の過去に認定されているから、天国にて 25歳で年齢が固定され、確かに存在している。そして、2018/03/06今現在の俺は、2回目の東 清二として、転落と流転の人生を送り もう寿命が尽きることを、待ち望んでいる状態だ。俺にとっての本当の自分 大天使長 ドン・リュシフェルに成る前の、やっと最後の最後の人生。思っていた通り、最低最悪の人生となってしまったけど、この人生 振り返れば、今より苦しかった時期なんて、ザラにある。少なくても、やっと 元 全宇宙の支配者 クソ大和田と大和田の側の人間たちが、流転の結果 俺の人生から、姿を見せなくなった。それどころか、俺の周りには 糞野郎も糞女も、見当たらない。この我慢と苦労と辛抱の人生も、残り14年間を切った。寿命まで待つか?俺のSランクの念能力が、復活することを、狭くて暗い部屋で待っている。そうすれば、出番待ちの俺の過去たちも、地球へと姿を現わすだろう。いつも哀しんでるから、哀姫と名付けた、俺の全ての人生通しての宝物 6歳年齢固定の天使となる、そして 哀姫もまた、本当の自分にたどり着き もう悲しませたりなんかはしない。俺の1番近くに居て、俺の宝物 ピノコ・ナディア・哀姫として、俺の過去達や 俺の側の人間たちに囲まれて、幸せになんて簡単になれるだろう。カナの頭の上には、双子の妹の子猫 ニケ姫が居て、俺の頭の上には、双子の姉の子猫 ミケ姫が居て、恋人枠の浜崎あゆみ、ミケ姫の飼い主 プリンセス オードリー・ヘップバーン、イギリスで1つ屋根の下で暮らして 上手くやっていける事が証明されている、プリンセス オブ プリンセス ダイアナと、皆んなで 天国の関所も兼ねてる リュシフェルズ・カンパニーの奥、天上界で一緒に永代 暮らしていける。その他、俺に良い意味で関わった、女優さんが多い 準女枠の女性たちともね。それには、念能力者に成って 死んで本当の自分に成って、元 全宇宙の支配者 クソ大和田と大和田の側の人間たちと 糞・ニグロも ぶっ消して、俺は【無限】【自由】【愛】を手に入れているので、最後に【永遠】と【絶対】を手に入れてみせる。2018/03/07から、14年以内にね》
こうして 長州藩での、奇兵隊を創り 戦った 高杉 新作としての三日間が、終わった。遊女相手とはいえ、最期が女性の膝枕で 終えられたので、悪い死に方では決してない。次回の話は、三日間 留守にした分、土方歳三としての人生に戻っても、新選組には、八番隊 副隊長 井上源三郎に、沖田風邪と俺は呼ぶ、クソ大和田の作り出した病魔が、襲い掛かります。さて、どうなることやら。以上。
読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!