第百十七話 長州
円を使って 将来、役者を目指す男の中身に成り、長州藩へと赴きます。与えられた時間は、3日間。早くも、奇兵隊を立ち上げます。今の俺の近況と想いも、描かれています。では!
時代は幕末、火力と技術力だけには勝る 欧米列強の圧力により、武士の世 平和だった世が終わりを告げ、新しい時代を迎えようとしていた。外圧には弱い 徳川幕府も、突出して動いた 長州藩には、徳川幕府 自らが圧力をかけ、一度失敗しているのに 何の大義名分もないまま、第二次征討令を発令した。その征討令により、新選組 副長、俺 土方歳三もまた、別の形で 長州藩へ赴く事にした。
普段から寝起きしている、新選組の屯所の副長室にて、円を使い 長州藩へ行ける 方法を見つけた。偶に使うことがある方法だが、外見はそのまま中身だけ 俺になるという方式だ。元 新選組の隊士 伊藤君の近くに、将来 役者になる男が居た。このまま俺が睡眠をとり、本人の許可を取れれば 中身だけ俺になれる。俺は 円を使いながら、明晰夢にと入った。
異次元にて、伊藤君と 将来、役者になる男が居る。伊藤君はともかく、将来 役者になる男は、なかなかの面構えをしていた。
「新選組 副長、土方歳三だ。とうとう徳川幕府が、長州藩に 第二次征討令を発令した。故に、将来 役者に成れる男の体を借りたい。俺については、伊藤君に聞け」と俺。
「とうとう徳川幕府の2回目の征討令が出された…。高良!とっとと トシさんの言う通りにしろ!じゃないと、長州藩は潰される」と伊藤君。
「高良健吾と申します。確かに、役者を目指してはいます。体を貸すのも、長州藩の為になるなら、喜んでお貸しします。ただし 僕は、病を患い 医者からは、余命3日を宣告されています。なので、僕ではない誰かをお探しください」と、高良健吾。
「見たところ、労咳か結核だろう。3日もあれば、充分だ。長州藩で、3日間 徳川幕府と戦える下準備が、出来れば良い。外圧に屈した徳川幕府が、長州藩に 征討令を出し攻め入ることに、大義名分はないからね」と俺。
「そういう事なら、喜んで 僕の体をお使いください。余命3日のぼろぼろの体ですが」と高良健吾。
「了解。体を使うといっても、俺が何をしているか?君自身、感知できるからね。あと役者を目指しているなら、NHKの大河ドラマに抜擢される事もあるからね。生まれ変わりが存在すると、何がなんでもNHKの大河ドラマは、生まれ変わりを使うからね」と俺。
「僕が、大河ドラマに出演…。分かりました!僕の体で良ければ、直ぐにでも お使いください」と高良健吾。
「ホイよ。フュージョン」と俺。役者を目指す 高良健吾という名の男の中身と成る。
「おおーっ!2人が、1人になった。さすが、トシさんだ」と、伊藤君。
「じゃあ 伊藤君、俺の存在は伏せて トシさんと呼んでくれ。3日間しかないから、サクサク戦える準備に、取り掛かるぞ。長州藩を案内してくれ」と俺。
「かしこまりました」と、伊藤君。
俺と伊藤君が、目覚め 異次元を抜けた先が、長州藩だった。
「トシさん、まず 何から始めますか?」と伊藤君。
「既に 徳川幕府の征討令の元、寄せ集めの各藩が進軍して来ているから、戦える者の数を増やそう。俺の分かっている範囲だと、銃や火力で 決して長州藩は、劣っていない。銃を使える者の数を増やそう」と俺。
「では まず、我が藩の武器庫へ 案内します」と、伊藤君。
伊藤君の案内で、長州藩の武器庫へと行く。新選組では半端者だった伊藤くんも、長州藩では 顔役みたいだ。すんなり、武器庫へと到着した。
「しかし まぁ この身体は、余命3日だけあって 咳も止まらないし、気を張ってないと ぶっ倒れそうだ」と俺。
「トシさん、まだ 死なないでください!長州藩は、エゲレスから 銃と大砲は、最新式のものを購入しております。どうぞ、トシさんの好きなようにお使いください」と伊藤君。
「じゃあ 俺が武器を吟味している間に、長州藩の武士の長に、話を通しておいてくれ。町民や農民から、軍人を創る。名は、奇兵隊とする」と俺。
「かしこまりました。トシさんは、ここから動かないでください!すぐに、話を通して来ます」と伊藤君。城へと向かう。
長州藩への、徳川幕府による 第一次征討令の後の第二次征討令なので、長州藩士には 危機感が感じられる。それは、長州藩で暮らす 町民や農民も同じのようで、長州藩の為に 何かお役に立てないか?と、右往左往している。
そんな町民、農民に、俺は語りかける。
「長州藩の為に、戦えるようになりたくないかい?」とね。
すると、右往左往していた 町民や農民が、「お侍様!戦えるようになりたいです!」と集まって来た。
「うん、この武器庫に 銃に弾丸 火薬まで、揃っている。武士 相手に、刀や槍では敵わないから、鉄砲で勝負しよう。もうすぐ 第二次征討令により、徳川幕府と各藩が、長州藩へと攻め入って来る。俺に与えられた時間は、3日間。3日で、君たちを戦えるようにしなくてはいけない。徳川幕府には、大義名分がない。従う各藩も、烏合の衆だ。簡単に潰されなければ、長州藩は 天下を取れる。あとは、どの雄藩と手を組むか?だ。お勧めは、会津藩だけどね」と俺。
「長州藩が、お取り潰しになるどころか、天下を取れる。その為なら、何でもします!」と、長州藩の町民と農民たち。
「うん、良いね。もうすぐ、長州藩士の天下を取れる男が、やって来るよ」と俺。
「トシさーん!長州藩の武士の長、連れて来ました」と、伊藤君がやって来た。俺にしては、誰だか 判別できない男と一緒に。
「長州藩の名も無き 武士の長、武器庫の武器を使って この集まっている町民や農民を、戦えるように鍛えていいか?」と俺。
「構いませんが、町人に百姓の寄せ集めで、鍛えたところで 戦えるようになりますか?私は、忙しいのです。とても、村人や百姓たちに構っている暇は、ありません」と、長州藩の武士の長。
「トシさん、よろしくお願いします!」と、伊藤君。
「よっしゃあ、許可は貰えたから、伊藤君を日本の政治家のトップに、君たちは 奇兵隊という集団の職業軍人にするよ。しっかり学んで、しっかり強くなりなさい」と俺。
俺は、長州藩の町民に農民を、職業軍人にすべく 銃の構え方 撃ち方 弾丸の込め方、撃ったら その場を離れ、弾丸を入れたら 隊列に戻るという訓練を徹底した。世に言う、奇兵隊が誕生した瞬間でも あった。
《長州藩か。俺は 長州に、何の悪いイメージも 持っていない。歴代内閣総理大臣を、1番 輩出したところだしね。2018/02/14今現在の内閣総理大臣も、山口県出身らしいし。俺の過去 土方歳三は、天国で 出番を待ってる。そして、今現在 2回目の東 清二として最後の最後の人生の晩年を送る 俺は、念能力の復活待ち。最後の最後の人生は、最低最悪の人生になると覚悟していたけど、想定を超える 最低最悪っぷりだ。今更 悔やんでもしょうがないが、全ての事柄のキーパーソンである 俺のキーを、念能力としてしまったのが、この惨事を生んだ。キーパーソンの俺の状態が悪ければ、日本にも 世界にも、影響が出る。日本は災害大国となり、世界中がめちゃくちゃになった。それなのに俺は、何も出来ず 暗くて狭い部屋で、ひたすら 念能力の復活を待ち続けるしか出来ない。俺の全ての人生通しての宝物 ピノコ・ナディア・哀姫は、今頃 何処で何をしているかな?俺は、消された記憶も 大概思い出し、俺にとっての本当の自分 大天使長 ドン・リュシフェルに、必ず成ってみせる。今現在、本当の自分に成っていないのは、俺と哀姫を残すのみだ。お互い 本当の自分に成って、天使と成ったら、もう ずっとずっと一緒に居られる。俺が過去に手に入れた概念が、【無限】 【自由】 【愛】それを置いといて、最期に手にするのが【永遠】と【絶対】だ。寿命までは、14年間を切った。寿命を終えれば、欲しいもの全てが手に入る。哀姫 ニケ姫 ミケ姫と、ずっと一緒に生きていける未来。恋人枠で 待たせたままの浜崎あゆみさん、プリンセス オードリー・ヘップバーン、プリンセス オブ プリンセス ダイアナとも、天上界で 暮らしていける。それだけでは足りず、俺が 我慢と苦労と辛抱をし続けたせいで生まれた、準女枠。死神の鎌【改】。これで、数千年前から お互いの存在を、完全に消すか?消されるか?の戦いをしている 元 全宇宙の支配者 不死身のクソ大和田も、やっと消せるようになる。こちらの勝利は、もう 決まっている!》
こうして、将来 役者になる男の中身となり、長州藩へと渡った。僅か3日間しかないが、ヒット アンド アウェイを主戦術とする 奇兵隊を創設した。奇兵隊は、神出鬼没に 長州藩に攻め入る敵を、撃退することになる。次回の話は、トシさんと呼ばれていると、新選組の副長だとバレる為、長州藩での名字を決める事と、期待されていない奇兵隊が活躍します。さて、どうなることやら。以上。
読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!