第百十二話 野球
会津藩 筆頭家老にして糞詐欺師のクソ高倉健の詐欺に遭い、左腕を失った俺。俺の左腕が繋がらず、落ち込む 北野 武 新選組 馬鹿局長。なのに、野球を始めます。今の俺の近況報告と、想いもあります。では!
時代は幕末、火力だけ勝る 欧米列強の外圧、俺 土方歳三が将軍に成らないこと、徳川幕府の大義名分のない 長州藩への征討令を出す 失態、そして 幕末の志士をはじめとする若者たちの台頭により、江戸時代と呼ばれるものが終わりを迎えようとしていた。時代の中心は、天皇の居る京の都で、天皇も 代がわりをしようとしている。そんな中、俺は よりにもよって、この時代に会津藩 筆頭家老をしている 不幸の使者にして糞詐欺師のクソ高倉健の謀略で、肘と肩の間を切断されてしまった。果たして 新選組 副長、俺 土方歳三の運命やいかに?
「副長!」と、頼もしい しかし遅すぎる、俺の唯一無二の親友 斎藤一が、姿を見せた。
「斎藤さん、ちょっと来るのが遅かった。糞詐欺師 クソ高倉健に、この店の娘を人質に取られ、俺 腕 切断されちゃったよ。でも、ぶち切れてるから 大して痛くないんだ」と俺。
「高倉っ、てめえ!」と、斎藤さんが抜刀する。
それを見て、糞詐欺師 クソ高倉健が「待ってください!きよじ君、1人で来るように言いましたよね。今すぐ 刀を収めさせ、立ち去るよう命じてください!」と、慌てて言う。
「まず、お前に 何も直接言われてねえよ。糞詐欺師のお前と京都守護職の綾野という名の男の連名の書状に、1人でここに来るように書かれてただけだ。不幸の王様 クソ大和田が居なくても、不幸の使者 クソ高倉健は、相変わらずの糞詐欺師っぷりだ。俺の五体に、お前の糞野郎っぷりが、まざまざと刻まれたよ。お前が俺の側の人間に成るなんて、これで永遠に絶対にないからな」と俺。
「大丈夫、きよじ君は 思っている事と反対のことを言う。と言うことは、高倉の健さんは、きよじ君の側の人間に成れると、置き換えればいいのです」と、糞詐欺師 クソ高倉健。
「副長、止血を。痛みは感じなくても、このままでは出欠多量で死んでしまいます」と斎藤さん。
「ああ。未来の医療技術ならともかく、この時代の医療技術じゃ 斬られた腕、くっつかないよな?」と俺。
「くっつきません…。」と斎藤さん。
「まぁ、いいや。念のため、斬られた腕も 持って帰ろう。斎藤さん、不幸の使者にして糞詐欺師のクソ高倉健は、もう終わった男だから 言うことも聞かず、信用もするなよ。家族を人質に取るとか、女子供を人質に取って 詐欺を働き、俺は片腕失ったからな。斎藤さんが来てくれなければ、クソ高倉健は更に詐欺を働こうとしていたしね。俺の五体を的にね。俺の側の人間は、俺に選ばれて成るんだ。常に不幸の王様 クソ大和田と繋がりを持ち、俺や俺の側の人間たちの情報や存在を、クソ大和田や 大和田の側の人間に売って、いつの時代も 自分だけ有利な優位な立場になり、形勢が悪くなると逃げ出し、ほとぼりが冷めると味方ずらしてやって来るのが、糞詐欺師 クソ高倉健の汚ねえ詐欺の手口だからな。早かれ遅かれではなく、遅かれ遅かれだけど、糞詐欺師 クソ高倉健が寿命を迎えれば、クソ大和田の側の人間に成るしかないだろうしな。クソ高倉健、いずれ必ず 俺の手で、完全に消してやるからな」と俺。
「副長、コイツらの処分は 俺がするので、早く手当をしてきてください」と斎藤さん。
「ああ、分かった。家族が人質に取られているという奴らの処分は、斎藤さんの好きにしてくれ。じゃあな」と俺。
俺は 切断された腕を持って 店を出ると、北野 武 新選組 馬鹿局長と一番隊が居て、「トシ坊、腕が…。」と 珍しく北野 武 馬鹿局長の悲痛な声がした。
「ああ、不幸の使者にして 糞詐欺師 クソ高倉健の詐欺に遭い、左腕の肘から先を切断されたよ。馬鹿局長も、馬鹿局長の将来に芸能界があるだろうから、不幸の使者と不幸の王様 クソ大和田には、気を付けろよ。じゃ医者の所へ、連れてってくれ」と俺。
「ああ、分かった。トシ坊、こういう場合は、冷やして更に急いだ方がいいんだけど、この時代じゃなぁ。とにかく、医者の所へと急ごう」と馬鹿局長。
皆んなで、早歩きになる。
「トシさん、自分の腕ぐらい治せますよね?」と、安藤 ジュンヤ 一番隊 隊員。
「君たちの怪我は治せるけど、俺自身 俺の怪我は、治せない。八番隊 副隊長 源爺とした取引は、そういう条件だったからね」と俺。
医者の所へ到着し、急いで診てもらうが、命に別状はなくても 斬られた腕を繋ぐ技術はないとの事。
「だから、血管を繋いで 神経を繋いで、しっかり縫合すればいいだけだろ!」と、北野 武 馬鹿局長が怒鳴っている。
「まあ いいさ、馬鹿局長。命に別状はないらしいから。あのまま糞詐欺師の詐欺に遭っていたら、確実に命に別状があったからね。じゃあ医者、出来る限りの治療をしてくれ」と俺。
痛み止め 縫合と、治療され 腕は元には戻らないが、本当に医者の言う通り 命には別状はなかった。
「何で、斬られた腕ぐらい くっつけられないんだ!」と、北野 武 馬鹿局長が、医者に怒鳴り散らす。
「確かに。こんな事では、次 生まれ変わった時には、俺は 医者もしなきゃな。医療技術のレベルが、低過ぎる。よっしゃ、帰るぞ」と俺。
「トシ坊!トシ坊は、史上最強にして 最高の男なんだ!それが、会津藩 筆頭家老の糞野郎相手に詐欺に遭い、腕を失うなんて…。その詐欺を防げなかった、新選組 局長としての、おいらの責任なんだ。京都守護職の綾野という男も、トシ坊相手に呼びつける書状なんて、書いても出してもいないと、断言していたんだ。せめて、おいらが一緒に行っておけば…。」と、北野 武 馬鹿局長。
「糞詐欺師 クソ高倉健の罠かもしれないと思いつつ、偽の書状に書かれていた通り1人で行く事にしたのは俺だから、馬鹿局長がそこまで落ち込む事もない。腕が余ってしまったから、俺の腕の供養も兼ねて、野球でもしよう。小さめの蹴鞠をボールとして、バットは使いものにならなくなった俺の左腕でね」と俺。
「トシ坊の失った腕で、野球…。」と、まだまだ 落ち込んでる北野 武 馬鹿局長。
「トシさん、野球が出来るのですか?」と、安藤 ジュンヤ。
「うん、この時代 俺が野球を知っているという事は、ベースボールのトップ ルー・ゲーリックを終えた後という事だ。だから、野球なら しっかり教えることが出来る。まずは、キャッチボールから 始めよう」と俺。
「元 ルー・ゲーリックが、左腕を失った…。」と、更に落ち込む 北野 武 馬鹿局長。
失ったモノを嘆いていても しょうがないので、俺 安藤 ジュンヤ、リュウスケ 一番隊 隊員とで、小さめの蹴鞠で キャッチボールを始める。教えなくても、ジュンヤやリュウスケは、見様見真似でキャッチボールぐらいは出来た。
「カーブ」と俺は言い、右手を捻って 曲がるボール、カーブを投げる。
「曲がった!」と安藤 ジュンヤは言い、俺たちの間で カーブが流行る。
「バットが届く範囲がストライク、バットが届かない範囲がボール。ジュンヤがピッチャー、リュウスケがキャッチャーで、俺の右側に 小さめの蹴鞠を投げ込んできなさい」と俺。
三人で楽しく野球をしていると、「じゃあ おいらは審判だな」と、北野 武 馬鹿局長も、参加する。勿論だけど、ボールが小さめの蹴鞠とはいえ バットがわりにしている失った俺の左腕は、肉が飛び 血が滴り落ち 骨が徐々に見えてくる。
リュウスケは口をきかないので、ピッチャーをしている安藤 ジュンヤには聞こえない小さな声で、「馬鹿局長、近々 俺、死ぬからな」と俺は、伝えておく。
「トシ坊…、領分できないけど 了解した」と、北野 武 馬鹿局長。
この日は、日が暮れて 終わったが、野球をすることが ことの外 盛り上がったので、俺は 日本の国技は、野球に成ったらいいな、と思った。
《2018/01/09今現在、土方歳三は 確かに天国に存在し、出番を待って ギラギラしているだろう。そして、2018/01/09今現在 2回目の東 清二として、最後の最後の人生 その分、最低最悪の人生を送る 俺は、36歳とちょっとになった。人生 遊びじゃない事は、よく分かっていたが、この大天使長に成る前の挫折と敗北の人生だけは、上手くいかない。特に、福岡行きが鬼門となり、人生の破綻と破滅を、福岡の片田舎で 迎えた。寿命まで、長くても あと14年間。ひたすら耐え凌ぐか?元 全宇宙の支配者で 不幸の王様 不死身のクソ大和田と、大和田の側の人間たち全員 完全に消せるようになる、Sランクの超一流の俺の念能力が、復活するのを待つのみだ。念能力さえ手に入れば、俺の過去たちも 地球へ来れるし、俺とクソ大和田との お互いの存在を、完全に消すか?消されるか?の戦いも、終えれる。今は、俺の全ての人生通しての宝物 ピノコ・ナディア・哀姫を、抱きしめたいな。最低最悪の覚悟だけは、しておくけど。じゃあね》
こうして、不幸の使者にして 糞詐欺師 クソ高倉健の詐欺に遭い、俺の左腕は 二度と刀を持てなくなった筈だった。切断された左腕をバットがわりに、野球をするなんて 大馬鹿な 俺らしくていい。次回の話は、俺 土方歳三が、井戸へ身を投げ 自殺を試みます。さて、どうなることやら。以上。
読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!