表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「副長、土方」  作者: 東 清二
11/192

第十一話 旅路

旅の途中の話です。

薩摩さつまへ向かう、唐沢師範からさわ しはんとトモ子さんと俺。三人の珍道中。

「トモトモトモトモっトモ子さん」と俺。

「トシトシトシトシっとしさん」とトモ子さん。

せっかくの新婚旅行も兼ねているのに、馬鹿バカが、二人に増えたと唐沢師範からさわ しはんが嘆いている。本当は楽しいくせにー。

「ところで、歳三としぞう。何で薩摩へ、向かうことにしたか分かるか?」と急に、真面目な顔で聞く唐沢師範からさわ しはん

「さつま芋を食べて、オナラ、プー」と俺。

「はははっ、そうじゃない。実はな、私は歴史を知っているのだ、歳三としぞう」と得意げな顔の唐沢師範からさわ しはん

「俺の知っている範囲だと、薩摩さつま長州ちょうしゅうが、同盟を結び、江戸幕府は滅ぶ。そんなところかな。歴史は、最も好きな学問の一つだから、ある程度知っている時もある。もう、そろそろ刀の時代ではなく、そろばんの時代だね」

「それを知っていて、歳三としぞうさむらいになるのか?」と唐沢師範からさわ しはん

「うーん、例えば、俺は薩摩藩は嫌いだし、長州藩もどうでもいい。だから、江戸幕府側のさむらいになると思う。まぁ、さむらいに成れたらだけど。じゃあ、幕府が滅ぶ、さむらいの時代じゃない、負け戦に成るとしても、負け方があると思う。滅び方があると思う。滅びの美学、歴史上は敗北になっても、最後のさむらいでありたいと思う」

「ああ、そうだったのか!じゃあ、わざわざ薩摩藩士さつまはんしにならなくても、いいのか?」と唐沢師範からさわ しはん

「まぁねー、勝ち馬に乗るのではなく、強くなりたいと思う。強くありたいと思う。薩摩さつま長州ちょうしゅうの天下に成るからといって、それに従属したいとは思わない。この時代だと、最後のさむらいだけど、ただたださむらいになりたい!唐沢師範からさわ しはんが、ちゃんと歴史を知っているからといって、それで俺が有利になりたい訳でもない」

「そうか、さすが歳三としぞうだな。じゃあ、今回の旅は、新婚旅行と見聞を広げる旅だな」と唐沢師範からさわ しはん

「まぁ、そうですね。薩摩さつまに到着したら、唐沢師範からさわ しはんとトモ子さんとも、お別れです。後は二人が生まれ変わっても、また夫婦になれることを祈るばかりです」

「うん!」とトモ子さん。何か、トモ子さんは、天然というか野生の生き物みたいだ。素敵な女性では、あるけれども。

京都に到着した。この時代は、ここが日本の中心だ。俺はキレイな舞妓さんに、目を奪われていた。唐沢師範からさわ しはんも、舞妓さんを眺めているが、トモ子さんに蹴りを入れられ、それどころではないみたいだ。あーあ、俺はこの人生で、女は出来るのかなー。

歳三としぞう、この旅もここで中間地点だな」と唐沢師範からさわ しはん

「ああ。京都は、街も整然としていて綺麗だし、街自体が碁盤の目の様になっているから、基本、方向音痴な俺にとっては、本当にありがたい。よしつ、道に迷ったら舞妓さんに聞こう!そして、でへへ」

「こらっ、歳三としぞう歳三としぞうは、まだ子供だろ!それに舞妓さんと遊ぶには、お金がいるんだぞ」と唐沢師範からさわ しはん

「それじゃあ、また山賊でもぶっ飛ばして、お金を作って、そして舞妓さんと、でへへ」と俺。

「トシさんは、ちゃんとした恋愛をして、いいお嫁さんをもらいなさい!」とトモ子さん。

「うーん。何時の時代も、大体俺は恋愛力が欠片もない。よって、女が出来ない。よって、舞妓さんと、でへへ」

歳三としぞうっ、買い物も済ませたし、そろそろ薩摩さつまへ向けて出発するぞ」と唐沢師範からさわ しはん

「舞妓さーーん」と俺。

「さあ、私と唐沢さんの新婚旅行中なんだから、舞妓さんに見とれてないで、もう出発よ!」とトモ子さん。若干、怒り気味だな。

「舞妓さーーん」と俺。さて、どうなる事やら。以上。

よろしければ、続編も楽しみにしていてくれたら、幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ