第百八話 魂抜
日本初の写真の発明を、斎藤さんと沖田の手柄で 出来たものの、元 全宇宙の支配者 クソ大和田のせいで、魂を抜かれる者が出ます。焦った 北野 武 新選組 馬鹿局長ですが、魂を抜かれた 新選組の者はおらず…。
時代は幕末、開国を迫る 欧米列強と、開国どころか それに屈してしまった徳川幕府、これにより武士の世 平和だった世が、終わりを告げようとしていた。そんな徳川幕府を弱腰だと非難し、突出して動いたのが長州藩で、外国相手の小さな戦に、火力では勝てなくても 陸上戦なら充分戦えると、証明した。そんな長州藩に、俺の忠告を無視して 尚且つ、大義名分もないまま 徳川幕府は 各藩に征討令を出し、攻撃をした。そして、厄介なことに病弱だった将軍が死に、勝利どころか和睦もせず帰り、倒幕への火種を徳川幕府 自らが、作ることとなった。そして 第一次征討令があれば、第二次もあり それに向けて長州藩は、着々と外国から 武器と火力を手に入れ、破れかぶれとはいえ 徳川幕府を迎え撃つ、準備をしている状態だ。二百年以上続いた、武士の世と 平和だった時代が終わりを迎えた。そして 侍として、最後まで徳川幕府と会津地方に味方する、俺たち新選組にも、徐々に負の連鎖が起きようとしている。
最近、斎藤さんと沖田が、日本初の写真を発明した。なので、本来なら これからバラバラになる前に、新選組 一同で 記念写真を撮りたいところだが、哀姫が「写真を撮られると、魂が抜かれるヤイよ」と言っていたので、取り止めた。本来なら、日本初の写真の発明は、喜ばれるものだが、 不幸の王様にして 元 全宇宙の支配者 クソ大和田が「大和田が、世界初の写真を発明する」と公言していたので、結局 発明出来ず、斎藤さんと沖田に先を越されたことへの、クソ大和田の逆恨みに、気を付けなければならない。なんたって、時代の中心は京の都で、京には 不幸の使者にして糞詐欺師のクソ高倉健が、厄介なことに会津藩 筆頭家老として存在し、不幸の王様にして 念能力者のクソ大和田も、薩賊として跋扈している。そして、新選組の御用改めがなくなり、いよいよ幕末の志士たちが、活動を加速させていた。
新選組の玄関の座椅子にて、俺 土方歳三と、俺と離れ離れになることが決まっており 落ち込んでる哀姫が、俺の右隣りに ちょこんと座っている。そこへ、斎藤さんが やって来た。
「副長、写真を撮られると魂抜かれるって、写真を発明しない方が良かったですか?」と斎藤さん。
「うんにゃあ、科学でもいいし技術でもいいけど、文明が進歩したことに変わりはないから、今だったら 江戸の街とか、クソ高倉健もクソ大和田も、感知しない場所で 写真の技術を広めればいい。新選組としては、偽者を立て写真を残せばいい。ほとぼりが冷めて、幕末の志士たちが老いぼれのジジイになる頃には、写真を撮られると魂抜かれるなんて事には、ならないだろう」と俺。
「江戸か…。そうか、クソ大和田とクソ高倉健の感知しない場所で、写真の技術を広めればいいのか。かしこまりました。早速、手配してきます」と斎藤さん。沖田と一緒に、出掛けて行った。
すると「トシ坊!抜け殻になった者が、何人か出たぞ!」と、外出先から帰って来た、北野 武 新選組 馬鹿局長が、慌てた様子で言う。
「新選組の者か?」と俺。
「嫌っ、新選組の者ではない」と北野 武 局長。
「だったら、別に問題ない。まず、哀姫は 写真を撮られると魂を抜かれると、言わないように。本当に、それが起こっているからね。写真が普及すれば、いちいち魂抜いてる場合じゃなくなるだろうからね」と俺。
「了解しもした。了解しもした」と哀姫。
「じゃあ 馬鹿局長、新選組の者たちは、写真に撮られないように周知してくれ。それと、人間が魂を抜かれると どうなるか知りたいから、抜け殻になった者の所まで、案内してくれ」と俺。
「カナチャリングも、行き申すヤイ。写真撮られたら 魂抜かれるなんて、言ったらダメだったみたいヤイ」と哀姫。
「おうっ、哀姫も 一緒か。それなら、楽しみだな。何か美味いものでも 食べに行こう」と、北野 武 局長。
北野 武 馬鹿局長の案内で、魂を抜かれた者の所へと行く。その民家には、目を見開き 口も開いた、もはや息などしていない抜け殻のような者が居た。
「確かに。魂を抜かれると、人はこうなるんだな」と、別に動揺はしない俺。
「馬鹿トチーヤイ、ワンピースのビッグマムのソルソルの実の能力ヤイ」と哀姫。
「ビッグマムか。こんな事になるなら、俺が 赤髪のシャンクスだった時に、消しとくべきだったかもしれないな。一見、この周りには クソ大和田は居ないけど、馬鹿局長 他にも魂を抜かれた者が、いるんだよな?」と俺。
「ああ。おいらが知ってるだけでも、あと数人は居るな」と、北野 武 局長。
「じゃあ、現場100回だな。クソ大和田のことだから、どこかの現場には見物人に紛れて、様子を見ているだろう。じゃあ、カミさん。これで、葬式でもあげて供養してやってくれ」と俺。
俺は、旦那が廃人になり 呆然としているカミさんに、葬式代を渡す。
気を取り直したカミさんに、名を尋ねられる。
「ああ。新選組 副長、土方歳三だよ。天国は、ちゃんと存在するから、供養だけ しっかりしてやってくれ」と俺。
馬鹿局長の案内で、次の魂を抜かれた者の所へ行くと、見物人に紛れて クソ大和田と その軍師 クソ木村 公一までもが、誰もそばに寄り付かない中、存在していた。
「やっぱり、コイツら糞野郎たちの仕業か。さて、どちらを斬るか?」と俺。
「トシ坊、今度は 葬式代は、おいらが出すよ。写真を発明したのは、斎藤さんと沖田君の手柄なのに、コイツら糞野郎たちは」と、憤る 北野 武 局長。
こちらに気付いた クソ大和田は、「写真は大和田が発明すると言ったのに、ただの人斬り集団が、手柄を横取りした。それは、魂の2つや3つ 消えて無くなるだろう。さあ この落とし前、いくら出す?」と、クソ大和田が、ほざく。
「クソ大和田ごときが、落とし前なんて言葉をほざくんじゃねえ。お前らじゃ、落とし前の意味さえ 分かってないだろうからな。いくら出す てのは、こっちの台詞だ。法治国家なら、3人も殺せば死刑だし 葬式代も、俺や局長殿が捻出したんだよ。お前らの、どちらか1人を斬る。自分の命代、いくら出す?」と俺。
「待て!お前は、有言実行の男だ。そうだ!木村が、闇の能力を手に入れた。木村!闇の能力で、コイツら三人とも消し去れ!」と、クソ大和田。
「だから、闇の念能力の使い方が、分からねえんだよ!」と、クソ木村 公一。
「ああ、闇の念能力なら、俺ぐらい 心の闇が深くならないと、意味がない。本来、俺固有の念能力だしな。じゃあ、どちらから死ぬ?」と俺。
「どちらからなら、2人とも斬られるじゃねえか!木村が、闇の能力で闘え」と言い残し、クソ大和田は、背中を見せて逃げ出した。
「待て!オレを売るんじゃねえ!闇の念能力の使い方を…」が、クソ木村 公一の遺言となった。
「久し振りに、汚ねえ者を斬った。何か 美味い物でも、食べてから帰ろう」と俺。
「お団子ヤイか?」と哀姫。
「トシ坊!哀姫は、熱々ホカホカが好きだから、鍋にしよう」と、北野 武 馬鹿局長。
一方、新選組の屯所では、四番隊 隊長 近藤勇が、京の都を訪れた観光客と、記念撮影をしてしまっていた。そして ここから、新選組には、負の連鎖が待ち受けていた。
《負の連鎖か。2017/12/07今現在、1回目の東 清二としての人生が、土方歳三に生まれ変わる前にあり、2回目の東 清二として、 最後の最後の人生を送っている俺は、負の連鎖どころか 不幸の連鎖が起こり、最低最悪な人生を送っている。まず クソ大和田と 糞野郎と糞女から成る大和田の側の人間たちが、クソ村松 ヤスタカが唱えた 相対理論とやらで、俺 東 清二が落ちこぼれて落ちぶれたら、クソ大和田も 大和田の側の人間たちも、皆んな這い上がれると信じ込んだ。クソ大和田も 大和田の側の人間たちも、アホでカスで糞だからね。そして 俺にとっては、本当の自分 大天使長 ドン・リュシフェルにたどり着く為の、最後の最後の人生にクソ大和田と 大和田の側の人間たちは照準を定め、全力で俺に 総攻撃をして、 不幸の連鎖をもたらせた。そんな俺の状態に呼応するように、日本にも世界にも 不幸の連鎖が、巻き起こっている。今 俺の居る所は 深海で、一千年ぶりに 俺の周りには、クソ大和田も 大和田の側の人間たちも居なく、毎日が平穏無事だ。あとは、俺の念能力さえ 復活すれば、全てを良くすることができる。災害大国となった日本も、天皇に成る 明治天皇やら 、皇太子に成る 中大兄皇子やらが、神道の儀式をすれば、大きな災害は起こりえない。俺の宝物 哀姫、今頃 何処で何をしている?ちなみに俺は、哀姫との再会と、念能力の復活を待ち焦がれているところだ。人生 遊びじゃないのは、知っていたが分かっていたが、人生上手くいかないなぁ》
こうして 写真を撮られると魂を抜かれるが、現実のものとなった。正確に言えば、元 全宇宙の支配者 クソ大和田が、逆恨みと念能力を使った反則で、写真に写った者の魂を抜いてまわっていた。この不幸の王様だけは、こうなる前に消しておきたかったが、不幸の使者にして 糞詐欺師 クソ高倉健が、それを阻止し続けたんだよなぁ。次回の話は、俺が 門番をしていなかった時に、写真に写ってしまった近藤さんが、操作系の念能力で 操作されたり、近藤さんの馬力で 操作されなかったりの話です。さて、どうなることやら。以上。
読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!