第百七話 写真
日本国内で 内戦が勃発しようとしていて、俺と哀姫が離れ離れになると落ち込み、哀姫は泣き出します。そんな中、斎藤さんと沖田は、日本初の写真の発明を試みます。新選組 馬鹿局長 北野 武君は、哀姫を笑わせようと「コマネチ」を、連発しますが…。今の俺の近況報告と、想いも 描かれています。では!
時代は幕末、二百年以上続いた 徳川幕府による、武士の世 平和な世が ゆっくりと、だが着実に終わろうとしていた。突出して動いた長州藩に、「病弱な将軍なら、代替わりをして 勝つなら勝つで、きちんと和睦を結んで来なさい。中途半端が、1番いけない」と言う、俺 土方歳三の忠告を無視して、徳川幕府は 征討令を出し、各藩と一緒に、長州藩に攻撃をした。そして、長きに渡る平和で 戦さを知らない将軍は、死に 恐れていた形、中途半端な形で 徳川幕府は撤退した。これにより 長州藩に、徳川幕府を攻撃する 出来たら倒すという、倒幕の為の大義名分を与える事となった。それでも 侍として、最後まで徳川幕府と会津地方に味方する、俺たち新選組の運命やいかに?
俺 土方歳三と6歳の少女 哀姫が、いつもの定位置 新選組の玄関の座椅子にて、のほほんと過ごしている。いつもと違うのは、一番隊と四番隊の御用改めが、なくなった事だ。これからについての大事な話し合いを終え、各自 次の準備をしている。
「馬鹿トチーヤイ、一番隊と四番隊は もう御用改めに、行かないヤイか?」と哀姫。
「うん、もうすぐ 日本国内で、内戦が勃発する。一番隊も四番隊も、それに対応する為の準備をしている」と俺。
「馬鹿トチーヤイも、戦うヤイか?」と哀姫。
「ああ、勿論。戦える為に、侍になったからね。哀姫は 京の都にて、北野 武 新選組 馬鹿局長や、北野 勝 勘定方筆頭と、北野 サキさんと、お留守番だよ」と俺。
「カナパンマンは、馬鹿トチーヤイと一緒がいいヤイ!お留守番は、苦手ヤイ」と哀姫。
「うん、俺だって 哀姫とは、ずっと一緒に居たいけど、新選組は 徳川幕府と会津地方に味方をする。これだと、まだ不確定だけど 負け戦なんだ。戦線も北上していって、最悪 蝦夷地まで 負けに行かなければならない。哀姫は寒がりだし、京の都なら 新選組内の北野一家が、まるごと残る。北野一家は、もうすでに京の顔役だし 屯所や道場を引っ越せば、安心安全で 北野一家も 哀姫も、暮らせる。どちらにしろ、遠い将来的 哀姫も俺も、天使でもある本当の自分にたどり着き、クソ大和田や 大和田の側の人間たち、ならびに黒人も含む 糞野郎と糞女を、全員 完全に消すことが出来れば、もう ずっとずっと一緒に居られる。天上界でね。それまでの辛抱だ」と俺。
「ヤイか…。カナ吉は、馬鹿トチーヤイとずっと一緒に居たいヤイ…。」と哀姫。
「うん、遠い将来にね…。」と俺。
これから離れ離れになると、俺と哀姫共に 落ち込んでいたら、斎藤さんと沖田が、何やら 品物を持って現れた。
「副長、沖田が現像液を発明したので、俺は写真でも発明しようかと思います。一番隊の御用改めがなくなり、時間があるので」と斎藤さん。
「この時代に、日本初の写真の発明か。出来たら、大したものだ。電球の発明に、続いて 写真の発明だもんな。ただし クソ大和田が、反則して手に入れた教科書を使って、オレは日本初の写真を発明すると ほざいていたから、そこだけ気をつけるように。あの糞不幸の王様は、不幸と災厄しか齎せないからね。しかも、薩摩藩の代表だとも、クソ大和田は、ほざいてたし。薩賊に、覇権が渡らないように しなきゃな」と俺。
「不幸の王様 クソ大和田が、薩賊…。これからのことを考えると 確かに、厄介ですね。京都守護職で 会津藩の若殿 綾野は、ちゃんとしていますが、会津藩 筆頭家老 もはや終わった男 糞詐欺師 クソ高倉健が、絶好の機会なのに動かない。糞詐欺師が言うには、クソ大和田の出方待ち らしいですからね。そんなんじゃ答えが出た後に動く クソ大和田の、更に後にクソ高倉健は動くので、越後はともかく 会津藩は、じり貧しかない。じゃあ副長、屯所で写真を発明してきます」と斎藤さん。
「ウキキッ」と沖田。大体、俺以外の発明だと 、オダギリジョーと沖田 総司が、少なくても関わっているんだよなぁ。
斎藤さんと沖田が屯所へと行き、入れ代わりに新選組 馬鹿局長 北野 武が、玄関へとやって来た。
「おうっ、哀姫。せっかくトシ坊と一緒に居るのに、笑顔じゃないし元気もないな」と馬鹿局長。
「これから日本で内戦が起こったら、馬鹿トチーヤイと離れ離れになるヤイ…。」と哀姫。
「おう、確かに おいらの知ってる歴史では、日本で 内戦が起きるな。トシ坊や 一番隊 四番隊は、負け戦で 北上しながら、各地を転戦する事になるだろうしな。トシ坊、さすがに負け戦で 各地を転戦じゃ、哀姫を、トシ坊たちと一緒に 連れて行くことは、出来ないよな?」と、北野 武 新選組 馬鹿局長。
「うん、負け戦の悲惨さを、俺はよく分かっているし 知ってるからね。ただし、京の都には 馬鹿局長や勘定方筆頭、それにサキちゃんを残していくから、今 新選組で学ぶ子供らと一緒に、俺の大事な大事な宝物 哀姫を、北野一家で しっかり預かってくれ。定期的に、文を送るから 哀姫にも、読ませてやってくれ」と俺。
「おうっ、大事な大事な預かりものだな。了解した。新選組の名前も 場所も、有名になり過ぎたから、念の為 引っ越そう。それで新選組の看板を下ろせば、そうそう狙われない。トシ坊たちの働きで、新選組の侍たちは、京の都の者たちに 好意的に受け止められているしな」と、北野 武 局長。
「うん、念の為 屯所や道場から、引っ越すのは賛成だ。斎藤さんと相談して、京の都の中で 隠れ家的な場所を、吟味しておいてくれ。もう結局 この人生では、俺に女は出来なかったけど、せっかく巡り会えたのに、哀姫を京に残して行かないといけないのが、心残りだ」と俺。
「馬鹿トチーヤイ!なるべく早く、帰って来てくださいヤイ…。もう これだから、戦も 戦争も、嫌ヤイ。せっかく馬鹿トチーヤイに巡り会えたのに、離れ離れになるヤイから…。もう 嫌ヤイ、嫌ヤイ」と言い、哀姫が泣き出した。
俺と北野 武 馬鹿局長は、哀姫に かける言葉が見つからず、ズーンと落ち込んでいたが、屯所から 何も知らない斎藤さんと沖田がやって来て、「副長、写真の発明が完了しました」と斎藤さんが言う。
「写真の発明、完了したか。さすがの、斎藤さんと沖田だ。じゃあ 哀姫、記念写真を撮るよ。頼むから、泣き止んでくれ」と俺。
「写真ヤイか…。魂、抜かれないヤイか?」と、哀姫。まだ ぐずつく哀姫だが、顔を上げてくれた。
「副長、写真を撮ると この時代、魂を抜かれるんですか?」と斎藤さん。
「写真の発明は 日本初の技術で、後初なのに 反則を使っているクソ大和田よりも、斎藤さんの方が先に発明した。これで写真を撮ると魂が抜かれるなら、逆恨みも いいとこだ。でも、クソ大和田のことだから、人を不幸にする。糞みたいなことをする。仮に写真で、魂を抜かれる事になったら、新選組としても対処しないとな。じゃあ 写真撮影はやめておくから、モンキー・D・沖田、哀姫を、全力で笑わせて元気付けてくれ」と俺。
「ウキキーッ」と沖田は 猿の舞を踊り、北野 武 馬鹿局長も「コマネチ」を連発する。
「哀姫様、この芸が新選組の限界です。戦になって 副長が死ねば、哀姫様を天国へと送ります。副長が死ななければ、俺が副長を 、責任持って 哀姫様の元へと連れて行きます。たかだか、日本国内の内戦です。俺がなんとか、してみせます」と斎藤さん。
「了解しもした。泣いてる場合じゃないヤイね。カナパンマンも、次の為に 今から準備し申すヤイ」と言い、哀姫は泣き止んだ。
「ありがとうな。斎藤一、本名 オダギリジョー」と俺。
「どういたしまして、本名 ドン・リュシフェルさん。もう この時代までで、本当の自分に成ってないのは、副長と哀姫様だけですよ。2人にとっての本当の自分の姿を、楽しみにしています」と斎藤さん。
「哀姫には、コマネチが通用しないんだよなぁ」と馬鹿局長が呟き、この日はこれで終わった。
《ちゃんと土方歳三は、天国に存在する中、2017/12/02今現在の俺は、2回目の東 清二として、本当に やっと最後の最後の人生、その分 最低最悪の人生を送っている。まともな暮らしをしてこなかったから、長く見積もっても 寿命まで、あと14年間。肝心要の念能力が復活しないので、寿命まで この最低最悪の人生が続くことも、覚悟している。もう あとは、念能力さえ 手に入れば、俺の過去たちだって 地球に来れるし、この糞みたいな世 腐った時代も、終わらせることができる。せめて、俺の宝物 ピノコ・ナディア・哀姫だけでも、逢いに来てくれないかなぁ》
こうして、斎藤さんと沖田の手柄で、日本初の写真の発明が出来た。だが、記念写真を撮るはずが、この時代 仮名を名乗る者が多い同様、元 全宇宙の支配者 クソ大和田が、薩賊として存在し、写真を撮ると魂を抜かれるが、現実になるかもしれないので、撮影は控えた。次回の話は、反則を使って 幕末のこの時代に、教科書を持ち込んだのに、写真すら発明出来ない 何の手柄も立てられない、クソ大和田の逆恨みで、本当に魂を抜かれる者も出ます。さて、どうなることやら。以上。
読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!