第百五話 未来
新選組の子供らに、北野 勝 勘定方筆頭が教えられなかった 未来を、俺が語ります。今の俺へと 繋がる未来を。あと、今の俺の状態と想いも、描かれています。では!
時代は幕末、武士の世 平和な日本が、欧米列強の圧力もあり それに屈してしまった徳川幕府への批判と、非難する幕末の志士たちの手によって、変わろうとしていた。突出して動いた長州藩には、徳川幕府より征討令が出され、各藩動いたものの徳川幕府の将軍の死によって、長州藩への征討令は、中止となり 徳川幕府の衰退へと繋がっていく。徳川幕府が力を失うと、時代の中心は 天皇の居る京の都で、京の都には 俺 土方歳三が副長を務める、我らが新選組が、侍の組織として 悠然と存在している。
徳川幕府の将軍の死に、新選組としても哀悼の意を示し、各自 喪章をつけて、宴会は控えていたが、そんなことを知らない哀姫には、関係がなかった。
「朝だ、あーさーだ!」と哀姫は やって来て、この明るく無邪気な少女によって、自然と場が和み 明るくなっていく。
「馬鹿トチーヤイ!新選組の皆んなが、黒い印をつけているのは、何やろりんヤイね?」と哀姫。
「うん、喪章と言って 武士のトップである 徳川幕府の将軍が死んだので、哀悼の意を示しているんだよ。哀悼の哀は、哀姫の哀と同じ漢字だよ」と俺。
「ありー、哀愁の哀ヤイか。なかなか、やるヤイね 、まったく」と、哀姫なりに受け止めている。
「まぁ つっても、喪に服すのは、今日までだけどね。明日からは、宴会に次ぐ宴会だけどね」と俺。
「何をやっとるヤイか、新選組のお侍たちは。よしっ馬鹿トチーヤイ、サキちゃんまで落ち込んでないか、見に行こうヤイ」と哀姫。
「ああ。全然、良いよ。その代わり、哀姫も 勉強しなきゃいけなくなるかもしれないけどね」と俺。
北野 サキさんは、北野 勝 勘定方筆頭が学問を教えている場所で、握り飯を作っていた。
「サキちゃん!カナ吉は、勉強をしに来たのじゃなくて、遊びに来たんやからね」と哀姫。
「はい。カナちゃんも、差し入れの握り飯を食べますか?」と、北野 サキさん。
「食べ申す!食べ申す!馬鹿トチーヤイが食べたあと、食べるヤイ」と哀姫。
北野 サキさんが作ってくれたおむすびが、哀姫から 俺に渡される。
「カナ吉、働かざるもの食うべからずと言うから、まずは哀姫が食べて。子供は、遊んでいるのも仕事のうちだからね。俺は、勘定方筆頭の教える学問の手伝いをしてから、食べるよ」と俺。
「子供は遊んでいるのも、仕事のうちヤイか。なかなか、良いヤイね。うしっ、じゃあ 先にカナパンマンが、おにぎり食べ申すヤイ」と哀姫。哀姫は、俺の右隣りで ハムハムおにぎりを食べている。
「北野 勝 勘定方筆頭、新選組に居る 子供らは、銭勘定と算盤は覚えたかい?」と俺。
「全員、覚えました」と、勘定方筆頭。
「じゃあ 今日は、これまでの歴史と これからの歴史の授業としよう。未来を予想する者は、愚か者である という言葉もあるけど、未来に向けてもね。おにぎりが食べれるぐらいの仕事を、しないといけないしね」と俺。
「未来…。分かりました。幕末までの歴史は、兄や 八番隊 副隊長 井上源三郎殿より、記憶を擦り合わせ 教えております。この先の未来については、私には とても教えられません」と勘定方筆頭。
「うん、じゃあ これから先の未来について、俺の分かる範囲で、伝えるよ。まず、刀の時代ではなくなる。徳川幕府による 武士の世も終わるし、俺たち新選組のように、政も 武力ももつ 侍という存在そのものが、なくなる。なので 、君たち 新選組に居る子供たちには、武道だけじゃなく 銭勘定も算盤も、教えてる次第だ。刀より、算盤の方が役に立つ時代になるからね。そして 刀の時代が終わると、戦いにおいては鉄砲と大砲のように火力の時代になる。勿論 それを見越して、新選組にも 銃火砲部門の内田 ジュンという名の男が、日夜 研究をしているけど。かつて、俺の味方 五人組の1人 浜田雅功という男が、世の中 価値のあるものは銭だ と、銭屋一家というヤクザの組織を、戦国時代に立ち上げてる。お金に価値があるのは事実だし、君たち子供らは、勘定方筆頭の言うことを聞いて、最低限 お金持ちにはなってほしい」と俺。
「かしこまりました。強くてお金持ちにも、なります」と子供たち。
「はい。馬鹿トチーヤイ、学問の仕事分のおにぎりヤイよ」と哀姫。カナが食べたであろう、食べかけのおにぎりが、俺に渡される。
気にせず食べ「うん、美味い」と俺は、おにぎりを作ってくれた 北野 サキさんに、礼を言う。
「ありー、間接チューヤイね」と、哀姫が調子に乗っている。
「フフフッ笑。カナちゃん、間接キスですね」と、北野 サキさんも 微笑んでいる。
「副長、土方歳三殿!徳川幕府が滅びるとなれば、最後まで 侍として、徳川幕府と会津地方に味方する、私達 新選組の未来は…?」と、北野 勝 勘定方筆頭。
「分派して、活動休止だね。北野 武 新選組 馬鹿局長と北野 勝 勘定方筆頭、それにサキちゃんは、このまま京の都にとどまる。俺と一番隊と四番隊は、日本国内の内戦の敗戦処理だね。同一言語を話す、単一民族の日本人が長々と内戦をしている場合じゃない。元々 黒船の来航に始まり、欧米列強の圧力によって、日本人同士が殺し合う 内戦勃発となってしまう。戦に負けるにしても、負け方があるし 人的被害を最小限にしないといけない。その為に、俺と一番隊と四番隊は、命を懸けて 負けに行く。まぁ でも、欧米列強といっても、火力の差があるだけで、技術さえ盗めれば 日本人は、例え 欧米列強相手にも、充分に戦えると思うけどね」と俺。
「新選組 副長、土方歳三殿が、命を懸けて 負けに行くのですか…。それを我々 北野家は、京にて 指をくわえて見てることすら出来ない…。」と落ち込む、北野 勝 勘定方筆頭。
「まぁ まだ不確定だけど、日清戦争 日露戦争と勝利し、第一次世界大戦 第二次世界大戦を終えれば、もう日本人が戦や戦争に、軍人として参戦する事はなくなる。日清戦争や日露戦争はともかく、第一次世界大戦と第二次世界大戦は、俺が この土方歳三としての人生を終えたあと、日本国の軍人として戦うよ。今 この場に居る者は、全員 天国行きの資格を持っているから、再び 地球や日本に戻らなくてはならなくなったら、平和になったあとに戻りなさい。あと これも不確定要素だけど、俺が本当の自分 大天使長 ドン・リュシフェルに成る前の、最後の最後の人生での名前が、東西南北の東に 氵に青 漢数字の二で、東 清二という名前で、最低最悪の人生を送る予定だ。この最後の最後の人生、その分 最低最悪の人生に、ちょっとでも被害が出ると 尋常じゃない罪に成るから、くれぐれ気をつけるように」と俺。
「はい」と一同。
「馬鹿トチーヤイ、でっかい おにぎり作ったヤイよ。全部食べたら、駄目ヤイよ。カナりんの分も、残しとかないといけないヤイからね」と、俺の話を聞いていなかったであろう 哀姫が、まん丸の大きなおにぎりを渡してきた。おそらく カナ吉のことだから、間接キスを狙っている。おにぎりには罪はないので、俺と哀姫は 大きなおにぎりを持って、いつもの定位置 新選組の玄関の座椅子へと行く。重たい話を聞いていなかった哀姫は、「間接チューヤイね。間接チューヤイ!」と この日は、終始ご機嫌で 幕を閉じた。
《はーっ、最後の最後の人生か。土方歳三としての人生では、斬り捨て御免の許される 侍に成る為、侍である為の人生だから大丈夫だったけど、2017/11/20今現在 無駄に2回目の東 清二としての人生では、最低最悪の想定を超えるくらいの挫折と敗北を味合わされてる。元 全宇宙の支配者 クソ大和田に 大和田の側の人間たちが、総力を結集して、ピンポイントで この最後の最後の人生に被害を出そうとした。それに糞詐欺師 クソ高倉健に 美人局をするクソ田中裕子、クソ大和田の御用聞き占い師で、未来を予知できる代わりに未来を見るたびに 俺の最後の最後の人生に被害が出るように、クソ大和田に仕組まれていたのに、「何のリスクも無い 念能力」と誤解し 甚大な被害をもたらしたクソ渡辺真理。俺にとっては鬼門となった、福岡の極道編で、俺の言うことを聞かない 言いつけを守らない 反対された事をする という3つの大罪を犯し続けた、その上 大失敗と大失態を繰り返した 澤野 ジャイアン ジャイ子夫妻。皆んな、完全に消して処分としなければ。俺の寿命まで、長くても あと14年間。最低最悪を覚悟しないといけないから、寿命が尽きるまで 息を潜めて待つか、不死身のクソ大和田も 完全に消せるように成る、俺の念能力の復活を待つのみだ。こんなしょうもない日には、俺の宝物 哀姫にだけでも、会いてえな》
こうして 長州藩を潰しに行ったはずの徳川幕府が、将軍の死により 潰される方へと立場が、変わっていく。それに、俺たち新選組も 巻き込まれていくこととなる。未来か。2017/11/20は、まだ 今 なのかな?今の俺に残された選択肢が、未来。未来よ!とっとと今に、なってくれ!次回の話は、新選組の今後についてを話し合います。さて、どうなることやら。以上。
読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!