第百二話 説得
新選組 局長 北野 武君の願いもあり、馬鹿局長の母親 北野 サキさんを、新選組の屯所で暮らさないか、俺も 説得します。今の俺の近況報告と、想いも 描かれています。では!
時代は幕末、200年以上続いた 武士の世 平和な世が、終わろうとしていた。黒船の来航以降、欧米列強に開国を迫られ、鎖国をしていた徳川幕府は、もはや先送りの手も 使えなくなり、なし崩し的に要求を受け入れていくしかなかった。諸外国から外圧をかけられている徳川幕府に、日本国内からも のちに幕末の志士と呼ばれる若者たちが、図体ばかりが大きくなって 硬直して動けなくなった徳川幕府に、批判と非難 そして其れが、時代のうねりとなり、倒幕へと時代の転換点を迎えていた。そんな中、負けるにも負け方があると、最後まで侍として、徳川幕府と繋がりのある 会津地方に味方するのが、俺たち新選組だった。
新選組 馬鹿局長 北野 武君の願いもあり、俺 土方歳三としても 興味があったので、馬鹿局長と北野 勝 勘定方筆頭の母親でもある、北野 サキさんの家に、馬鹿局長と俺が居る。北野 サキさんに、キチンと会ったのは初めてだったが、整理整頓と清潔感のある家に部屋、そして噂通りに 確かに、女子供の味方のトップだと、判断し伝えた。
「母ちゃん!新選組の屯所で、一緒に暮らそう」と、切実に 北野 武 馬鹿局長が言う。
「私は、武や勝が育ったこの家で、最期を迎えます」と、きっぱりと北野 サキさんが断る。
「母ちゃん!おいらも 勝も、今は侍として、這い上がったんだ。金もある。力もある。トシ坊…。トシ坊の方からも、説得してくれ」と、北野 武 局長。
「ああ、いいよ。じゃあ、まず 北野 サキさん。人は1人では、幸せにはなれない。勿論、金や力があれば 不幸は埋められる。でも やっぱり、1人では幸せにはなれない。そこまでは、いいですか?」と俺。
「はい」と、北野 サキさん。
「では次に、環境を比べてみよう。確かに この家は、京の都で言うところの、わび さび の効いた、手入れもされていて、尚且つ 清潔感もある家だ。ただし、風呂がない。新選組の屯所には、24時間365日 入れる風呂がある。ガスで沸かして 電球の灯る風呂が、馬鹿局長と斎藤さんの手柄で、最近 出来た。これだけ整理整頓がされていて、清潔感のある女性なら、毎日 風呂に入りたくないかい?」と俺。
「はい」と、北野 サキさん。
「そうだ、母ちゃん。新選組の屯所には、おいらの仕事で…。」と、馬鹿局長が言うが、「武は、黙ってて!」と、北野 サキさんに、言葉を遮られる。
「うん、そんでもって 新選組の副長としての俺の、北野 サキさんにしてほしいことが、まずは朝食に ちゃんと出汁の効いた味噌汁を、出してほしい。新選組の朝食には、味噌汁は出るのだけど、才色兼備な八番隊 隊長 安藤優子さんが、調理しているが 味噌を溶かしただけで、出汁が 全く入っていない。この家には、見たところ 鰹節があるし、それだったら出汁の効いた味噌汁は、作れますよね?」と俺。
「はい。出汁の効いた、味噌汁ぐらいなら 作れます」と、北野サキさん。
「うん、素晴らしい。そんで 俺が、北野 サキさんに一番してほしいことが、子育てだ。哀しいに姫と書いて 哀姫という名の、俺の宝物が 毎朝、元気にやって来るし、新選組は 孤児院も兼ねていて、未来ある子供らが武道に学問にと、励んでいる。だから 北野 サキさんを、女子供の味方のトップとして、子育てのプロフェッショナルとして、新選組に招きたい」と俺。
「哀姫…。もしかして、カナちゃん ですか!?」と、北野 サキさん。
「おうっ、母ちゃん。哀姫だったら 毎朝、トシ坊に逢いに やって来るぞ。今日は月に一度の、新選組の顔見せ行進の日だったから居ないけど、今日も 元気いっぱいに、トシ坊に声援を送っていたぞ」と、北野 武 局長。
「武!カナちゃんって、いつも独りぼっちで居る哀しんでる、あのカナちゃん?」と、北野 サキさん。
「ああ、母ちゃん。そのカナちゃんだ。トシ坊に 教えてもらって、哀姫という本名を、知った。トシ坊と一緒に居る時の哀姫は、凄え 幸せそうで 明るくて無邪気で元気な お姫様だぞ」と、北野 武 局長。
「じゃあ、カナちゃんが探してた、馬鹿トチーヤイというのが、新選組 副長 土方歳三様だったって事…。」と北野 サキさん。
「ああ。まず 哀姫の本名が、フルネームで ピノコ・ナディア・哀姫。次に、俺の場合 自分の名前がわからない場合、トシと名乗ることが多いから、さしすせそ が たちつてと に変換される哀姫には、馬鹿トチーヤイと呼ばれている。馬鹿がつくのは、俺は大馬鹿だからね。よくは分からないけど、哀姫は 地球が誕生する前の大昔から、哀姫も 俺も、生まれ変わり続ける中、大好き なんて言葉じゃ足りないぐらい、俺のことを愛し抜いている。応援も、してくれる。だから、俺の全ての人生通しての、大事な大事な宝物だ」と俺。
「カナちゃんの本名が、ピノコ・ナディア・哀姫…。そんなカナちゃんが、ずっと探していた人が、今 目の前に居る。そのお方の宝物が、カナちゃん。武!今、カナちゃんは!?」と、北野 サキさん。
「おうっ、哀姫だったら、屯所にトシ坊が居なくても、斎藤さんや 沖田君と仲が良いから、源さんの牛肉料理か?団子でも、食べているんじゃねえか。いつもは、トシ坊と 新選組の玄関に2つ置いてある座椅子で、トシ坊と一緒だけどな。今日は、トシ坊がここに居るから…。」と、北野 武局長。
「武!今日は、土方殿が、ここに居るからじゃないでしょ!また カナちゃんが、独りぼっちで哀しんでいたら、どうするつもり!?」と、北野 サキさん。
「まあ、そう言われれば そうなんだけど…。」と、北野 武 局長。
「いつもは ふざけてばかりで、冗談ばっかり言ってる馬鹿局長が、母親が相手だと 真面目で、たじたじ になるんだな。じゃあ、善は急げで 哀姫の様子でも、見に行くか。多分、新選組の屯所の玄関に、居ると思うけど。北野 サキさんも、今日の今日 新選組の屯所で暮らすか、決めなくてもいい。住む部屋や、風呂が 本当に、24時間365日入れるかの確認に行くだけでもいい。女子供の味方のトップが、哀姫を大事にしてくれるだけで、俺としては充分だ」と俺。
「そうだ、母ちゃん。屯所の風呂はな、おいらの仕事で おいらの手柄だ」と、北野 武 局長。
「因みに、馬鹿局長は、八番隊 隊長 安藤優子さんの風呂を、覗こうとするけどね」と俺。
「武!何、やってるの!」と、北野 サキさん。
「いやっ、風呂のガスの調子を、見にな…。」と、北野 武 局長。
「じゃあ 俺たち3人で、哀姫の様子 風呂のガス管の調子 、北野 サキさんが新選組の屯所に来れば、どんな暮らしが出来るか?見学に行こう」と俺。
「かしこまりました。まずは、カナちゃんの様子が気がかりです。私の暮らしなんか、二の次です」と、北野 サキさん。
北野 サキさんが、新選組に見学に行く事だけで、大喜びしている馬鹿局長と、俺と北野 サキさんとで、新選組の屯所へと向かう。
《北野 サキさんに、馬鹿局長か。北野 サキさんは、2017/10/31今現在 天国で、出番を待ってるだろうし、北野 武君には、2017/10/31今現在 無駄に2回目の東 清二として、最後の最後の人生を送る俺と、馬鹿局長の娘の慶應大学付属初等科の受験の時に、ちょびっとだけ会った。当時、俺は 自分の才覚で稼いだお金で、自分が住む為に 東宮御所を建て、暮らしていた。ただし、クソ大和田の婚約者だからと生き延びた、小和田 ブタ子が、よりにも寄って 風俗嬢に本番を強要し、本番強要が2回目だった偽者の皇太子と、行く当てもなくなり 東宮御所の乗っ取りにかかっていた。元 全宇宙の支配者 クソ大和田も、東宮御所の周りをうろちょろし、東宮御所にも出入りしている状態だった。そんな状態では、せっかく馬鹿局長に巡り会っても、俺の最後の最後の人生の東 清二という名前を、伝えることしか出来なかった。慶応義塾大学付属初等科も、俺が受かったら 馬鹿局長の娘は、受験に落ちる。俺が不合格なら、馬鹿局長の娘は慶応義塾大学付属初等科に合格するという条件を、学校から出された。それなら俺は、行きたくて慶応義塾大学付属初等科に入学したい訳ではないし、俺の不合格の道を選んだ。その後の、馬鹿局長の娘のことは、知らない。受験の際、泥を引っ掛けられたぐらいだ。2017/10/31今現在の俺は、ずっと待ってんだ。元 全宇宙の支配者 クソ大和田によって禁止され奪われた、俺の念能力の復活を。そして、この東 清二としての人生を終わらせ、満を持して 本当の自分 大天使長 ドン・リュシフェルに、俺は成る。待たせたままで、済まない。ピノコ・ナディア・哀姫に、ニケ姫とミケ姫。俺にたどり着けない、恋人枠の浜崎あゆみ。天国に居るであろう、プリンセス・オードリー・ヘップバーンに、プリンセス・オブ・プリンセス ダイアナ。待たせたままだけど、俺の寿命まで、あと14年。それまで待つか?俺の念能力よ!とっとと復活しろ!》
こうして 馬鹿局長が心配していた、北野 サキさんを まずは新選組の見学へと連れ出せる、説得には成功した。貴重な人材、女子供の味方のトップが、座して死を待つじゃ 勿体ないからね。次回の話は、北野 サキさんの事を上客として、新選組が、おもてなしです。さて、どうなることやら。以上。
読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!