第百話 調子
新選組の屯所の風呂が、ガスで沸かせるようになり、北野 武 局長が、風呂の調子を整えます。そこまではいいけど、馬鹿局長、八番隊 隊長 安藤優子さんの風呂を、覗かないで…。
時代は幕末、図体ばかりが大きくなって 身動きの取れなくなった徳川幕府。欧米列強の圧力。追い落とされたが、いずれ復活するだろう長州藩と、刀の時代から算盤の時代へと、日本は大きな転換期を迎えようとしていた。だけど徳川幕府が滅びようと、敗北が決まっていようと、最後の侍として、徳川幕府と 繋がりのある会津地方に味方する、侍の集団が存在した。その名も、新選組。隊として4人1組で行動し、先頭を行く者は 死に番と呼ばれ、死を覚悟し 実際に、死人もよく出た。要らない奴は、要らないのでね。でも 今の新選組は、侍の組織として固まってきたので、死に番は 腕に覚えのある強者が行い、死人は全くという程、出なくなった。
そして、モデルケースも兼ねて 新選組の屯所の風呂が、ガスで沸かす仕組みとなった。この今迄は薪で沸かしていた風呂を、ガスで沸かせるように出来るようにする仕事の担当者が、新選組 馬鹿局長 北野 武君だ。俺 土方歳三は、いつも通り 新選組の玄関に置いてある 座椅子へと向かう。すると「朝だ、あーさーだ!」と言い、両手を頭の上で 三角形にしながら やって来た、俺の宝物のガキンチョを発見した。このガキンチョは、年齢が6歳に固定されている女の子で、その分 我慢も苦労も辛抱もしているし、してきたし せめてということで、糞尿はしなくてもいいようになっている。
「哀姫、また こんな朝っぱらから、やって来たのかい?」と俺。
「カナパンマンは、馬鹿トチーヤイの居場所を見つけたら、毎朝 来るヤイ。本当は、もっと早く 来たいんヤけど、太陽さんが目覚めないと、暗くて来れないヤイ」と、哀姫。
いつものように、俺は座椅子に座り、いつものように哀姫は、俺の右隣りに座り ご機嫌な様子だ。いつもと違うのは、新選組 局長 北野 武が、こんなに早く起きて 屯所の風呂の周りを、「あーでもない、こーでもない」と言い、うろついてる事だ。
「馬鹿局長!せっかく哀姫が逢いに来てくれてるのに、朝っぱらから 君は何を悩んでいるんだい?」と俺。
「おうっ、哀姫!良く遊びに来てくれた。もうすぐ、朝食にしよう。トシ坊、風呂をガスで沸かすのは、おいらが担当した仕事だから、ちゃんと成し遂げようと思ってな。ガスの出る量を調節すれば、温度調節も出来るんだな…。」と、北野 武 局長。
「馬鹿トチーヤイ、馬鹿局長 何やってるヤイか?」と哀姫。
「うん、おおよそ日本初の薪じゃなく、ガスで沸かす風呂を完成させようとしている。新選組の屯所の風呂がモデルケースになって、これから先 日本中の都市部の風呂は、ガスで沸かせるようになる。カナパンマンも、安心安全が確保されたら、屯所の風呂にでも 入っていってくれ」と俺。
「馬鹿トチーヤイ、覗いたりしもせんヤイか?」と哀姫。
「才色兼備な八番隊 隊長、安藤優子さんの裸なら 興味あるけど、哀姫の裸は興味ないよ。全く、カナパンマンは!」と俺。哀姫の脇腹を、くすぐっておく。
「こちょこちょ禁止ヤイ!こちょこちょ禁止ヤイ。全く、馬鹿トチーヤイは、カナLOVEなんやから」と、ご機嫌になる、哀姫。
「馬鹿局長、哀姫と一緒の、朝食の時間だぞ!腹減った」と俺。
「おうっ、もう朝食の時間か。トシ坊、もうちょっとで、ガスの調子を調節出来そうなんだ。飯なら、後で行くよ」と、北野 武 局長。
「元栓と調節出来る栓と、少なくても2つは栓がいる。あと、炎が青い方が温度は高い。あとは、調整と調節だね」と俺。
「おっ、炎が青い方が温度は高いのか。それに、元栓に栓とだな。了解した。あとは、おいらの仕事だな。そういえば、屯所の風呂には、栓がもともと付いている」と、北野 武 局長。
「ああ。屯所の風呂を作る時に、ガスで風呂を沸かす事を想定していたからね。あとは、ガスを調達し 供給を受けるだけになっている。おしっ、カナパンマン 朝食を食べに行くぞ」と俺。
馬鹿局長を残し、俺と哀姫は、屯所で朝食を食べに行く。
朝食を食べ、哀姫と一緒に居ると、「トシ坊、ガスで沸かす風呂が完成した!」と北野 武 局長が、やって来て 言う。
傍らには、一番隊 隊長 斎藤一も居て、「副長、ガスの供給も 出来るようにしました」と告げる。
「了解。2人共、なかなか やるじゃねえか。屯所の風呂以外は、ガスで沸かす風呂は 業者に任して、ガス管の新設料金と、月々の料金は、北野 勝 勘定方筆頭の、叩き出す 数字次第だね。よっしゃ、屯所の風呂 完成!あとは、電気と電球だけだな。まぁ 電気と電球は、のちのちでも いいけど」と俺。
「次は、電気と電球か。早速、取り掛かります」と言い、斎藤さんは、業者と共に 出掛けて行った。
「哀姫!おいらが、斎藤さんの力を借りて 作った、ガスで沸かせる風呂だ。新選組に入って、初めての手柄だ。一番風呂は、トシ坊か 哀姫だな」と、北野 武 局長。
「うん、まずは 馬鹿局長は、朝食を食べて、その後 馬鹿局長が一番風呂に入りなさい。風呂の完成は、馬鹿局長の手柄だし、湯加減も 見てほしい。ガス 大爆発が起きずに、湯加減も良かったら、哀姫は 八番隊 隊長 安藤優子の手が空いたら、一緒に入ればいい」と俺。
「おっ、そうか。まずは飯で、次は 風呂の湯加減を確かめてみないと、いけないんだな。了解した」と、北野 武 局長。
「カナパンマンは、お風呂掃除のお手伝いをし申すヤイ」と哀姫。
「哀姫は、言われなくても お手伝いをする。大した心掛けだ。偉いぞ、哀姫。エロいぞ、馬鹿局長」と俺。俺は、哀姫の頭を撫でる。
哀姫は「馬鹿トチーヤイに、いい子いい子されたヤイ。うにうにー、うにうにー」と、ご機嫌だ。
「哀姫は、偉い。おいらは、エロい…。」と、呟く 我らが、北野 武 局長。
朝食の後、馬鹿局長は 一番風呂に入り、「いい湯加減だった。おいらが、苦心して 作った甲斐があった」と言う。その後、俺は風呂の中のお湯を全部入れ替えてから、風呂に入った。確かに、薪で沸かす風呂より ガスで沸かす風呂の方が、調子が良い。
俺が風呂から出ると、「トシ君、私も」と 安藤優子さんも、入浴したいみたいだ。女性は、清潔感を求めるからね。
八番隊 隊長、安藤優子さんが 入浴していると、馬鹿局長は風呂を覗きに行こうとする。
「馬鹿局長、何 やってるヤイか!?女子のお風呂は、覗いちゃいけないヤイよ!」と、哀姫が注意する。
「だから、言っただろう。馬鹿局長は、エロいと」と、俺も諌める。
「トシ坊、でも トシ坊の入浴中は、哀姫は 覗いていたぞ」と、北野 武 局長。
「哀姫が、俺の風呂を覗くのは、いつものことだ。だからって、入浴中の哀姫に 危険が迫った時ぐらいじゃないと、俺は 哀姫には、お風呂ぐらい のんびり入っててと、放っておくけどな。まぁ 20歳そこそこの才色兼備な安藤優子さんの、裸の姿を見てみたい気持ちも分かるけど。でも それだと、八番隊 副隊長の源爺を、敵にまわすことになりかねないしな。俺は、覗くのはやめとくよ」と俺。
「源さんか…。じゃあ おいらは、ガスの調子でも見てくるよ。それで、あわよくば覗けても、源さんを敵にまわすことには、ならないだろう」と、北野 武局長。
馬鹿局長は「ガスの調子を見る」と、声を出し 颯爽と外へと向かう。
まぁ これだと、覗けるも八卦 覗けないのも八卦かな。ガスを通したのは、馬鹿局長の手柄だし。
俺は、哀姫を「俺の風呂を、覗いたのか」とくすぐり、「こちょこちょ禁止!こちょこちょ禁止ヤイ!」と、全く 反省しない 哀姫だった。
《風呂か。俺は、出来たら 毎日 風呂に入りたいし、俺に足りないのは 清潔感と女子力だ。清潔感は、何とか努力しているが、女子力は上がらない…。そして、2017/10/18今現在 土方歳三は、天国に存在し、出番を待っている。それには、2回目の東 清二として、望んだ訳でもない この最後の最後の人生に、ケリをつけなければいけない。2017/10/18今現在、俺の人生を破綻させ、結果 世界中をめちゃくちゃにしたクソ大和田は、もう 全宇宙の支配者ではない。俺への順番が来て、もう ターンオーバーだ。あとは、俺が念能力者になること。哀姫 ニケ姫 ミケ姫、それと ずっと再会を待たせている、浜崎あゆみに巡り会うこと。寿命を終え、この最低最悪の2回目の東 清二としての人生を、終えること。本当の自分、大天使長 ドン・リュシフェルに成ること。そして、復讐をしっかり やり遂げ、俺は永代 全宇宙の支配者に成る。そう、そう遠くない未来》
こうして 新選組の屯所の風呂に、ガスで沸かす風呂が完成した。北野 武 局長の手柄と、斎藤さんの働きかけのおかげでもある。そして、この日を境に 日本全国で、まずは都市部から どんどんと、ガスで沸かす風呂の普及が進んでいくこととなる。次回の話は、北野 武 局長と、北野 勝 勘定方筆頭の、母親が登場します。さて、どうなることやら。以上。
読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!