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罪人、勇者を倒す

 さて、この大陸から出るにはどうしたらいいのか。

 まずは、今まで直感で使っていた魔法のことを考えてみようか。

 魔法には属性がある。火属性は火そのものを出すことや温度の調整などができ、闇なら呪いや精神の干渉などというように、属性によって出来ることが違ってくる。もっとも、俺は属性のことを考えなくてもやりたいことを明確にイメージするだけで大抵の事はできるようだが。

 そして、今回はそのやりたいことを明確にイメージするというところが出来ていない。

 逆に考えれば明確にイメージさえ出来れば行けるということになる。

 俺がこんなことを知っているのは、スキルを習得しているからだろう。


「リリム、モーン伯爵の屋敷地下だったか? そこの場所を心の中で明確にイメージできるか?」

「は、はい。わかりました」


 俺が知らないのなら知っている人に代わってもらえばいいではないか。闇属性で精神の干渉が出来るのならこいつが思っている場所を指定すればそれで済む話だ。

 リリムが頭でイメージした場所を魔方陣に設定すればいい。

 いや、待てよ。これなら、わざわざ魔方陣に設定しなくてもいいんじゃないか? 俺が空間属性の魔法を使えば転移ぐらいはできるだろう。

 リリムがイメージした場所に転移する魔法だ

 そうすれば俺が知らない場所でも行けるはずだ。

 使う魔法が明確に決まり発動させると視界が見慣れた荒野からコンクリートの打ち立てのような部屋に切り替わった。足元にはさっきと同じ魔方陣が描かれてある。しっかりリリムも一緒に転移してきたようだ。


「汚い奴だ。それに女性に対してそんな扱いをしているんだな。やはり貴様が悪魔王の使いか。俺は勇者タロウ! 正義の元に成敗してやる」


 何故か俺の目の前には綺麗な剣を持ったイケメンがこちらに向かって剣を振りかぶっている。

 初対面の人に言う第一声が汚いって。まぁ確かに否定は出来ないけど。

 それに俺自身が悪魔なら分かるのだが、こっちに来たのは神様のせいであり悪魔は関係ない。この世界に存在するのかも知らない。こいつは正義感が強くて何者かに逆に利用されてるんだな。

 名前から考えるにこいつも前の世界の人間かもしれないな。


 まぁ、そんなことは俺が知ったことではない。殺そうとして来ているのだから手加減なんか出来るかって話だ。


「喰らえ、ジャスティスアタック!」

「ださいし、遅い」


 光り輝く剣が俺の肩に当たる。そしてそのままその剣は折れた。

 え、何これ。聖剣とかそういう奴じゃなかったの? 


「な、なんだと俺の聖剣が。貴様、何をしたっ! どんな手を使ったんだ!」

「何もしてねぇよ」


 そんな勇者とのやり取りの中、隣で顔を赤くしてこちらを見ている女性がいた。

 リリムは小さな声で呟く。


「……やっぱりかっこいいなぁ」


 なぜかは分からないが、俺の存在が何者かに察知されている確率が高くなってきたな。そうなると彼女はどうなるのだろうか。こいつもその何者かによって送り込まれたとも考えられる。

 いや、奴隷の首輪もしているし心の中も覗いたんだ。さすがに大丈夫だろうとは思うが。


「まだだっ! 例え剣が無くなろうとも、最後まで俺は悪と戦い抜く!」


 こいつを殺せば罪になるのだろうか。そういえば不法入国とかそういう事を考えていなかった。俺は既に犯罪者なのか?

 まぁ、いいか。


 スキル[超越級威圧]を思いっきり抑えて発動。対象は雑魚。

 魔物を倒しまくったおかけで、スキルを使うことに少しは慣れてきた。


「ひぃっ、た、た助けてぇっ」


 スキルを発動した瞬間、イケメンは失禁して体を震わせて泣き叫びながら命乞いをしてきた。

 やはり、人を殺すのも楽しい。

 せっかくだからこいつで情報収集と行こうか。


「お前に聞きたいことがある」

「そそ、それをい、言えば、た、助けていただけるのでしょうか」

「あぁ、俺の期待に沿えれば助けてやらんこともない」


 イケメンは意識を保つのが精一杯といった様子だ。


「お前は日本人か?」

「へ? は、はいっ」


 勇者の表情が面白いぐらいに変わる。そして、すぐおびえた表情に戻る。まさか、その言葉を俺が知っているとは思っていなかったのだろう。

 こいつが異世界人だということが確定した。こいつもあのオオカミに召喚されたのか?


「どうやってこの世界に来た?」

「そ、それは、ここの教会でジン様に勇者として召喚されました」


 教会? ということは神様は関係なしか。でも聞きたくない名前が出てきた。


「ジン・ブラフマか?」

「は、はいそうです」


 いやな奴に目をつけられている。

 まさかこうも早く、その名前を聞くことになるとは思わなかった。

 何がどう危険なのか分からないが、神様が注意しろといっていたほどの人物だ。


「も、もういいだろう、見逃してくれぇ。だ、誰にも――」

「そうだな。じゃあ、お楽しみタイムといこうか」


 もう少し考えた方がいいとは思うが、今は感情が高ぶってきてしまった。こっちに来てから数ヶ月間は人を相手にしてないんだ。こんな怯えた人間前に我慢しろと言う方が無理と言うもの。

 俺はホモではない。性欲よりも殺人欲だ。

 今回は魔法も使ってみるか。

 闇魔法でイケメンの痛覚を数倍に引き上げる。それに加え、光魔法で精神の強化をすることによって痛みで気を失わないようにするのも忘れない。

 それから数時間休まず光魔法で回復をさせながら勇者を切り刻んだ。

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