プロローグ バグが発生しました~さようなら、愛しき人生(クソゲー)よ~
久しぶりでございます、翡翠美鈴です。
金木犀が匂う時期になりましたね。風邪ひかないように頑張って執筆していきたいです。
「あ」 朝のラッシュが酷い電車の中、ブレザー服を身に纏った少女が急カーブの電車道になった時学ランを来た少年に寄りかかってしまっていた
そこで少年が少女を人だかりの山から守るような動きをすれば、一見そこから始まる恋愛物語かもしれないが・・・それは無理な話である
何故なら・・・
「あの、すみません・・・」
「・・・」
少女は無言でいるのは怒っているのかと思い、話しかけてみる
「??どうしたんですか?」
「・・・・・・」
「大丈夫・・・っ!!?」
プシューッ・・・と赤面したまま気絶しているではないか
「駅員さーんっ!!この人赤面したまま気絶してまーすっ!!!」
この男、かなりの女限定コミュ障だからだ
・・・その個性だと、気弱でいじめられている地味な少年だと思われがちだがそうでもない
というのも―
~学校・立ち入り禁止の屋上~
「また、気絶していたのかよ!!」
「ダッセーな!!」
昼休みの今でも、少年は友人ら二人に朝の出来事について笑われていた
「うっっっせーな!!!」
「雨宮ナオヒサ十七歳!そのままだと・・・なんちゃってヤンキーだぜ?」
・・・ヤンキーなのである、それも今時珍しい硬派な性格の持ち主の男だ
そんな彼に友人の一人が紙袋からあるものを取り出す
「女限定コミュ症なお前にプレゼント!本体自分とこにあるだろ?騙されたと思って、な!!?」
様々なタイプの女の子が描かれたゲームソフトを雨宮は友達からぐいぐい押しつけられると条件反射で受け取ってしまった瞬間に予鈴が鳴り響いた
『!!やっべ!走るぞ』
聞いた三人は屋上の下り階段を走りかけていくのだった
放課後になり、一人帰り道を歩く
ふとカバンの中に入れた友達の貰い物ギャルゲーのソフトを思い出す
(仮想でいくら上手くなったって、本物で成功できるか分かんねーだろーが・・・)と思い、溜め息を電車待ちのホームでつく
・・・その日はやけに人が多かった 後ろの人が前に倒れれば並んでいた人も必然に身体が揺れバランスを崩れる
ドミノ倒し式にぶつかり、一番前にいた雨宮は―・・・
(え)
強い衝動によって吹き飛ばされた身体、目の前に迫る電車、どこか遠くに聞こえる人の声
雨宮は、突然の死によってその障がいが終わるかと薄ぼんやり頭で感じ次に来る痛みに備え目を閉じる
(・・・、・・・・・・、・・・・・・・・・?痛みが襲ってこない??)
不思議がっていると不意に幼い子供の声が聞こえた
「ぁあああ!!!やってしもうた!!!!」
激しく公開した言葉と高い声のトーンに雨宮は声の主に視線を向けようと恐る恐る目を開けると・・・
「・・・んだこれ」
雨宮の視界は再生を忘れた動画の世界にいるかの如く辺り一面動きが無い しかも、その中にウサギの耳をした巫女(幼女)が頭を抱えていた
雨宮が茫然自失になっているとウサギの耳をした巫女は雨宮の存在に気付く
「すまんなに・・・主は今日死ぬ運命ではないんだが、妾がとんだミスをしたせいで・・・」
「俺、どうなるんですか?」
(死ぬのなら、覚悟しなくてはならない・・・)
「死なぬよ、だが・・・ややこしいミスの重複でな。死ぬ運命から一歩手前で意識失い中に変えたその拍子で、ゲームの世界の中に・・・現在主は女子になった」
(はっ?)
雨宮はそう言われて自身を見てみると姿形がまるっきり変わっていた
痛んでいた短髪はさらさらなロングの黒髪、女の子限定コミュ障がなければモテていただろう端正な顔つきがきめ細かい白肌とくりくりな目がある美少女顔に 身体の付き方や喉仏や大きな手や肩が無くなり丸みを帯びた肩や小さな手、大きな胸の膨らみに変化している
「ワシが時の修正を終えるまで、この世界で一年・・・過ごしてもらわなければならぬ」
雨宮が住む家、お金のことや地図などについてウサギの耳をした巫女は話し続けているが雨宮は突然の出来事に固まったままショックを受けるのだった
登場人物が全員登場するイベント・入学式&自己紹介などがある第二話
「綺麗な薔薇にはトゲがある、可憐な鈴蘭には毒がある」
お楽しみに!