勇者様の太ももは揉んではいけません
施術が終わり、ラルフ様が着替えに行った。
と思ったら、更衣室から声がかかった。
「ユイ、すまないが太ももも凝っていてな。施術してもらえるか」
「太もも?!」
声が裏返った。
「乗馬で痛めてしまった。頭を下げる」
「い、いえ!お仕事ですから!」
私は更衣室に入った。
ラルフ様はタオルを腰に巻いただけの状態で、ベンチに座っていた。
その太ももが、露わになっている。
(これは……!)
引き締まった太もも。カレンさんとは違う、筋肉質な男の太もも。
元おっさんの私でも、思わず見惚れてしまう。
「どうした?」
「い、いえ!施術します!」
私はラルフ様の前に膝をついた。
目の前に、男性の太ももがある。
オイルを手に取り、触れる。
「っ……」
ラルフ様が小さく息を漏らした。
「痛みますか?」
「いや……気持ちいい」
その低い声が、耳に響く。
私の心臓が、また跳ねた。
「もう少し上……内もものあたりを」
(内もも?!)
タオルの際どい位置。
私の手が、ラルフ様の内ももに触れる。
「ん……そこだ……」
(その声はやめてください ラルフ様!!)
男性の体に触れて、こんなにドキドキするなんて。
この体は、本当にどうかしている。
「ユイ、顔が赤いぞ」
「き、気のせいです!」
「そうか?熱でもあるのか?」
ラルフ様が私の顔を覗き込む。
顔が近い。碧い瞳が、真っ直ぐ私を見つめている。
「熱くないな。大丈夫か」
「だ、大丈夫ですっ!」
私は逃げるように更衣室を出た。
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それから二ヶ月。
ラルフ様は毎週来店し、私の心臓は毎回限界を迎えた。
女性客にはドキドキし、ラルフ様にもドキドキする。
もう何が何だか分からない。
だが、仕事は楽しかった。
人の体を癒すこと。それは前世から変わらない私の喜びだ。
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