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破滅の王 : 第1巻 覚醒  作者: モーゼス・オノジェグウォ
9/30

血と雷

夜空は落ち着きのない雲で渦巻き、風は廃墟を吹き抜け、嘆き悲しむ精霊たちの合唱のように響いた。地面は戦いの重みに震え、戦士たちの圧倒的な力にひび割れ、焦げていた。


コルはその中心に立ち、息は荒く、体は傷だらけだったが、それでも彼の目には依然として反抗の炎が燃えていた。彼の向かいには、3人の巨大な人影が暗闇の中にそびえ立ち、その存在感に息が詰まるようだった。


彼の兄弟たちが彼を捕まえに来たのだ。


長男のデインは筋肉の山のように強靭で、その存在感だけで空気は恐怖で満たされた。彼の拳は岩のように砕け散り、一撃で人を粉々にしてしまうほどだった。


双子の片割れオリンは幻影のようで、幽霊のようにちらちらと姿を消した。テレポート能力を持つ彼はほぼ無敵で、短剣は暗闇の中できらめいていた。


もう一人の双子、ヴァレンは、暗黒の炎に包まれた地獄の鎖を振り回していた。鎖は生きた蛇のように身をよじり、噛み砕き、獲物を捕らえ、引き裂こうとしていた。


二人は言葉を発しなかった。何も言うことは残っていなかった。


そして、二人は攻撃を仕掛けた。


---


デインが先に動き、その突進で地面が砕け散った。彼の巨大な拳は、まるで破城槌のようにコルの肋骨めがけて振り下ろされた。コルはかろうじて身をよじり、風に吹かれてコートを引き裂かれながらも身をかわした。反撃するよりも早く、背後にオリンが現れた。短剣が月光に輝いていた。


オリンの刃が突き刺さり、コルは背中に冷たい鋼鉄のキスを感じた。激痛が走り、コルはひるまなかった。彼はくるりと回転し、手に生々しい力がこもったが、オリンは攻撃が命中する前に姿を消した。


鋭い金属音が宙を裂いた。ヴァレンの鎖がコルの腕に巻き付き、バランスを崩した。次の瞬間、デインの膝がコルの肋骨に叩きつけられ、コルは後ろに吹き飛ばされた。


コルは血を吐きながら地面に激しく叩きつけられた。衝撃で着地した場所にクレーターが残り、戦場は塵と瓦礫で覆われた。


しかしコルは立ち上がり、震える手と荒い息で立ち上がった。


二人は強かった。二人が力を合わせれば、コルと同じくらい強かった。


数年ぶりに、コルは心に何か危険なものが忍び寄るのを感じた。不安だ。


デインは指の関節を鳴らし、轟く雷鳴のような声を上げた。「お前はもう私たちの兄弟ではない」


オリンの表情は読み取れなかったが、短剣を握りしめた。「家族よりも権力を選んだのか」


ヴァレンは冷笑し、鎖の炎はさらに熱く燃え上がった。 「さあ、お前が始めたことを終わらせてやる」


コルは唇の血を拭い、歯を食いしばって血まみれの笑みを浮かべた。「俺を殺せると思うか?」低く、荒々しい声だった。「なら、試してみろ」


彼のオーラが迸った――暗く、息詰まるような力が、かろうじて抑えられた暴力を帯びて、弾け飛んだ。抵抗すればするほど、彼の力はかき乱された。傷の痛みは薄れ、異質でありながら陶酔感に満ちた感覚が取って代わった。


彼の内なる嵐が目覚めようとしていた。


先制したのはオリンで、瞬く間にコルの傍らに現れた。コルは振り下ろされた短剣を受け止めた。防御の衝撃が空中に衝撃波を走らせたが、コルが反撃する前に、ヴァレンの鎖が彼の喉に巻き付いた。


コルは咆哮し、体から溢れ出る生々しいエネルギーを放った。鎖は砕け散った。


デインは既に動き始めており、その巨大な拳がコルの頭蓋骨めがけて叩きつけられた。コルはそれを受け止めた。


一瞬、静寂が訪れた。


そして、二人の足元の地面が崩れ落ちた。


コルの握りが強まり、指がデインの巨大な手に食い込んだ。黒い稲妻が腕を駆け上がった。


デインは目を見開いた。「何だ――?」


雷鳴が空を切り裂き、コルの手から黒い稲妻が放たれ、デインを吹き飛ばした。


オリンとヴァレンは凍りついた。


コルは自分の手を見下ろし、パチパチと音を立てる黒い電気が、まるで生きた蛇のように指に巻き付くのを見ていた。視界が鋭くなり、体は新たなエネルギーで鳴り響いた。


嵐が到来した。


そして、コルはその中心にいた。

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